「聞こえない」「声が途切れます」テレビ会議でのトラブルを画面上で伝えられる便利なカードセット~サンワダイレクト「300-SIN001」~
TEXT:山口真弘(ITライター)
ビジネスシーンでいまやお馴染みになったテレビ会議ですが、慣れないオンラインでのコミュニケーションに、試行錯誤の連続という人も多いでしょう。
お互いにきちんと映像が見え、声が聞こえる状態であれば、多少のトラブルは創意工夫で乗り切れますが、肝心の映像が見えない、声が聴こえない、途切れるといったコミュニケーション自体の不具合は、相手に伝えるだけで一苦労です。
また発言のタイミングなども、うまく切り出せずに困っている人も多いのではないでしょうか。こうした場合、今回紹介する「Web会議用カード」なるアイテムを使ってみることをおすすめします。
これらを画面にかざすことで、通信系のトラブルが発生している場合や、管理者によってマイクがミュートされている状態でも、自分の意思を伝えられるというわけです。
カードは全10枚がセットになっており、用途別にさまざまな内容が用意されています。色分けもされており、例えば赤色はテレビ会議の進行に直接影響するトラブル関連、黄色が挙手発言などのリクエスト、黒色は一時離席などステータス表示系がまとめられています。
そのため、赤色のカードが参加者の何人かからパラパラと挙がるようであれば、会議の進行を一時的に止めてでも対処が必要、黄色のカードであれば現在の発言者が終わってから対応、黒はスルーといった具合に、繰り返し使っているうちに色だけで重要度が判別できるようになります。
それならばわざわざ買わずにインクジェットプリンタなどでイチから自作したほうがいいのでは? と思う人もいるでしょうし、実際できなくはないのですが、いざ使ってみると、製品として販売されるだけのことはあると思わせるだけの工夫は、あちこちに見られます。
例えば前述の色分けもそうですし、また表裏で同じ内容が記載されているのも、使いやすさをよく考えたポイントといえます。いま何のカードをかざしているか、裏側からひとめで分かるため、間違えにくいというわけです。
また製品には、カードを挟んで立てるためのクリップスタンドも付属します。「電話中」「離席中です」など、不在の間に掲げておきたいカードには、これを使うとよいでしょう。
仮にカードをインクジェットプリンタで自作したとしても、こうしたスタンドまで併せて調達するとなるとコストもかかるだけに、オールインワンで揃うのは魅力です。
この製品、ネットワーク帯域が十分にある拠点間のテレビ会議ではおそらくあまり出番は(特にトラブル系のカードは)ないはずで、速度が各自バラバラの自宅回線を使ってのテレビ会議だからこそ活躍の場がある、ニッチながらも有用な、示唆に富んだツールと言えそうです。
ちなみにこうした文字入りのカードは、テレビ会議のアプリによっては、画面上で鏡写しになる場合があります。これはプレビュー時に限った問題で、相手からはまず問題なく見えているはずですが、不安に思うようなら、事前に同僚にチェックしてもらっておいたほうが、安心して使えるでしょう。
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2021.01.26 Tue