見た目のかわいさだけじゃない、犬の形をした実用性の高いウェブカメラ~エレコム「wanco」レビュー。
ビデオ会議の利用に欠かせないのがウェブカメラです。新型コロナウイルスが発生した2020年春には、テレワーク需要の発生によってそれ以前はあまり動きのなかったウェブカメラの在庫が、店頭から一斉に姿を消したのは記憶に新しいところです。
現在では供給はしっかり回復していますが、依然として根強いテレワーク需要を背景に、さまざまな新製品が登場しています。今回紹介するエレコムの「wanco」もそのひとつです。
写真からも分かるように、これは犬の形状を模したUSB接続のウェブカメラです。ディスプレイの上に、犬がちょうどしがみつくように載せることで、鼻の部分に内蔵されたカメラでユーザーの顔を写しつつ、テレビ会議やビデオチャットが行えるという製品です。
USBケーブルは散歩用のリードに見えるよう背後に取り付けられており、犬の外観とマッチしています。面倒なインストール作業は不要で、PCのUSBポートにケーブルを差し込めばすぐ使えるようになります。
カメラの有効画素数は約200万画素で、最大フレームレートは30FPS(1,280×720ピクセル)となっています。最大1,600×1,200ピクセルまで対応しますが、その場合は6FPSに低下してしまうので、実質1,280×720ピクセルで使うことになるでしょう。いずれにせよ、カメラとしての性能自体は一般的で、特筆すべきところはありません。
と、これだけならば、動物好きのユーザーを狙ったイロモノの製品に見えなくもないのですが、この製品、こう見えてなかなか合理的なギミックを備えています。ひとつは後ろ足を使って、本体をディスプレイに挟み込めることです。
一般的にこうした固定用のギミックは、クリップによって提供されるわけですが、本製品は犬の前後の足をクリップとして使うことで、自然な形状でディスプレイへの固定を実現しています。
さらにデスク上に置いての利用にも対応します。多くのウェブカメラは、単体でのデスク上に置いての利用はあまり想定されておらず、たとえ使えても不安定になりがちですが、本製品は後ろ足を折りたたむことにより、安定して座らせられるほか、上方向への角度も自在に行えます。
一般的に、動物をモチーフにしたPC周辺機器は、形状的に無理をしている製品も少なくなく、機能かデザイン、どちらかが犠牲になっていることもよくあります。しかし今回の製品は、動物ならではのルックスおよび関節をうまく活かしており、全体的に無理なくまとめられています。
ややもったいないのは、4本足を使ってディスプレイの上などにがっちりと固定した場合、そこからカメラの角度を調整できないことです。首の部分が独立して上下に可動すれば、さらに調節が容易だったかもしれません。
ウェブカメラとしての性能は至って普通で、特記すべき機能こそありませんが、そのユーモラスな見た目は、利用中はもちろん、外してデスク周りに置いておく場合にも、ちょっとした癒しを与えてくれます。新たにウェブカメラを購入するのであれば、こうした製品も候補に加えてみてはいかがでしょうか。
製品名:UCAM-C525FBBR
実売価格:2,600円
発売元:エレコム
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B08TGHNPT5/
2021.08.31 Tue