第3話 CMの世界を垣間みる | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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転職はゴールではない 3年目の壁、5年目の転機

“仕事の壁”は誰にでもやってきます。そんなとき、ほかのみんなは、どうしているのでしょうか? このコーナーでは、今まさに壁を乗り越えようとしている人、乗り越えて一歩先に進んだ人など、クリエイティブ業界でがんばる仲間たちが登場。これまでの失敗談・成功談や現在の課題、そして将来像を語ります。今の仕事に前向きに取り組み、階段を一段登るためのヒントが得られるはずです!


第7回 株式会社グローバルメディアソリューション 濱 剛志さんの場合


株式会社グローバルメディアソリューションのアートディレクター、濱 剛志さん。子どもの頃から音楽が大好きで、プロのドラマーへの道をひたむきに目指していた濱さんに、思わぬ転機が訪れたのは、短大2年の時。椎間板ヘルニアを患い、プロとして演奏をすることが難しくなった彼が次に選んだのは、音楽と同じくらい打ち込めるクリエイティブ職だった。スタートは広告制作会社の営業、その後、制作の道へと突き進み、フリーランスから大手広告代理店の出向など、実にさまざまな経験を積むこととなる。2回目の転機は、何気なく話を聞きに行った株式会社グローバルメディアソリューション。社長との面接で心を動かされ、初めてITの会社への入社を決意することに……。29歳という若さで豊富な経験を持つ濱さんに、これまでの軌跡と現在の仕事についてお伺いしました。


第3話 CMの世界を垣間みる

──突然、大口の取引先がなくなったというのは、フリーランスにとってはかなり大きな痛手でしたね。
●そうなんですよ。それで仕事がなくなったんで、どこか会社に入ろうかと。

──フリーランスを
一度経験した濱さんとしては、また会社に入るのは少し抵抗があったんじゃないんですか。
●それよりも、作るものがなくなるのがいやだったんですよ。やっぱり自分自身で創作するものと、仕事で作るものって、だいぶ違いますよね。その両方を持っていたいというか……うまくバランスをとりたいというか。月収が6万円に落ち込んだということもあって、とりあえず就職しようと思い立ちました。

──その時点でおいくつだったのですか。
●26歳です。

──まだまだ若い。しかも、かなりの即戦力。今度はどんな会社に入ったのですか?
●大阪に本社のある広告代理店です。ちょうど東京支社で募集をしていたので、受けてみました。その会社は、主に駅広告の企画制作から施工までを請け負っている会社でした。

──なるほど。
●でも、実は結果的にこの会社には2ヵ月しかいなかったんですよ。11月に入社したんですが、東京支社の制作部を本社と統合するという話が既に決まっている状態だったようで……入社した後に「大阪に来るか」という話になったのですが、丁重にお断りしました。でも、非常に短い期間ではありましたが、新たな経験ができてよかったですよ。広告を制作するところから、どのように人の目に触れさせるかまでを、トータル的に体験できました。

──確かに。それで、次はどうされたのですか?
●一社目からの知り合いで、映像の制作や配給を行っている会社の方がいまして。その方に「CM企画の仕事を手伝わない?」と言われたんですね。ちょうど仕事を探しているときだったので、願ってもないチャンスかなと。それで、案件契約という形でCM制作の仕事にたずさわることになりました。

──その「案件契約」というのは……?
●その映像の制作会社と契約を交わし、CMの案件ごとに大手広告代理店などの現場チームに出向する雇用形態です。大手飲料メーカーや、食品メーカー、住宅メーカーなど、それぞれのCM案件ごとにいろいろな代理店に出向しましたね。

──同じ広告でもCM制作というのは、また少し違う現場ではないでしょうか。
●私が担当したのはCMのプレゼンまでの仕事で、グラフィックのチーム内での企画などがメインでしたから、それほど大きな違いというのはないかもしれません。 絵コンテやコンセプトデザイン……そういったものを クライアントにわかりやすく伝えるために奮闘していましたよ。 プレゼンが通過すると、今度は映像の制作グループなど、 別のチームが動き出すので、自分の役目は終わりという形になります。

──なるほど、CM映像のプレゼン資料作りですか。かなり大変そうですね。
●拘束時間が30時間とか……プレゼン前はそんな感じでしたね。待ち時間がすごく多くて……帰りたいけど、全然家に帰れない。でも、いろんな大手広告代理店の現場を見ることができたのは、自分にとって非常によかったですね。知り合いも増えたし、大所帯で仕事をする感覚も培われましたし……。実際にプレゼンが通って案件がスタートすると、本当にいろんな会社が関わってくるんですよ。今まで手がけていたデザインやC.I.の仕事は、ある意味で自分自身の作品みたいなもの、自分の手元にある感覚があったんですが、このくらいの規模になると、もうそんな感覚はないですね。その面白さとスピード感は凄いなと思ってました。

(取材・文:草野恵子  撮影:栗栖誠紀)


株式会社グローバルメディアソリューション
http://www.gms2.net/
もっと「おもしろい」をコンセプトに、より直感的でわかりやすいリッチインターネットメディアを展開する、株式会社グローバルメディアソリューション。もともと広告代理業をメインとしていた同社だが、昨年、インターネット事業部門を設立。その最初のサービスとして、Flashのインターフェースを採用したパーソナライズドホームページ「nendo」をスタートさせる(現在、テスト・α2版としてサービスを提供中)。また、学生特化メディアとしてWebマガジン「GANBARUZINE!」をこの夏に創刊。大学生の「発信したい」を形にするメディアとして、各方面から注目を集めている。




次週は「第4話 さらなる自分の表現を求めて」についてお届けします。

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