第4話 さらなる自分の表現を求めて | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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転職はゴールではない 3年目の壁、5年目の転機

“仕事の壁”は誰にでもやってきます。そんなとき、ほかのみんなは、どうしているのでしょうか? このコーナーでは、今まさに壁を乗り越えようとしている人、乗り越えて一歩先に進んだ人など、クリエイティブ業界でがんばる仲間たちが登場。これまでの失敗談・成功談や現在の課題、そして将来像を語ります。今の仕事に前向きに取り組み、階段を一段登るためのヒントが得られるはずです!


第7回 株式会社グローバルメディアソリューション 濱 剛志さんの場合


株式会社グローバルメディアソリューションのアートディレクター、濱 剛志さん。子どもの頃から音楽が大好きで、プロのドラマーへの道をひたむきに目指していた濱さんに、思わぬ転機が訪れたのは、短大2年の時。椎間板ヘルニアを患い、プロとして演奏をすることが難しくなった彼が次に選んだのは、音楽と同じくらい打ち込めるクリエイティブ職だった。スタートは広告制作会社の営業、その後、制作の道へと突き進み、フリーランスから大手広告代理店の出向など、実にさまざまな経験を積むこととなる。2回目の転機は、何気なく話を聞きに行った株式会社グローバルメディアソリューション。社長との面接で心を動かされ、初めてITの会社への入社を決意することに……。29歳という若さで豊富な経験を持つ濱さんに、これまでの軌跡と現在の仕事についてお伺いしました。


第4話 さらなる自分の表現を求めて

──案件契約という立場でCMの現場にたずさわっていた濱さんが、現在の会社・グローバルメディアソリューションへと転職するきっかけは何だったのでしょうか。
●2006年の3月半ばに案件が落ち着いて、どうしようかなという時期がありまして。ちょうどその次の案件が夏頃ということで、数カ月空いてしまう時期で。友人からの仕事だったり、自分が抱えていた細かい仕事はあるにしても、メインの収入源はどうしようかなと……。それで、特にこれがやりたいというわけでもなく、ぱらぱらと求人の雑誌を見たりしてたんですが、そこで目に留まったのが今の会社なんです。

──なるほど。かなり偶然ですが、数ある求人記事から、何か気になる部分があったから、目に留まったのですよね。
●いや、家が近いので「ちょっと行ってみるか」というくらいの軽い気持ちですね(笑)。それと、会社の雰囲気が自由な印象だったんですね。のびのび仕事ができそうだと思い……まずはそこに引っかかりました。

──そんな軽い気持ちだったのが、なぜ入社にいたったのでしょうか。
●面接が代表の梶原だったんですが、彼は私と同じ年齢で。話しているうちに、今まで会ったことのないタイプだなと感じたんです。特にすごい経歴があるわけじゃないのですが、人を惹きつける天性の才能があるなと……。彼は長年広告業界にいたわけではないのですが、広告代理店業務で起業したというのもすごいなと。一般的にはどこかの代理店で長く経験を積んだ上で、独立するのが普通だと思うのですが……そんなこともあって面白い人物だなと思いました。それが入社のきっかけですね。

──濱さんは、これまでに起業する人からの依頼でC.I.のお仕事もされていたわけで、起業する方や社長さんなど、ある程度多くの方に遭遇してきたと思うのですが、その中でもめずらしいタイプだったのでしょうか。
●これまでに私がC.I.を手がけさせていただいた人は、起業するためにかなり経験を積まれている方がほとんどでした。でも、梶原はそういう感じはなかったんですね。何か天性のものを感じまして……今までは仕事内容に惹かれてやってきましたが、今回だけは人で会社を選びましたね。

──なるほど。入社してみて、いかがでしょうか。
●私が入社した頃は会社全体でちょうど10人、今は24人になっています。実際に会社が少しずつ大きくなっているのを体感してますね。そういう過程って、なかなか見れるものじゃないなと思います。でも、正直言って、初めはこんなに長くいるつもりはなかったんですよ。当初は正社員契約ではなかったので、半年後——次のCM案件の時期には、また戻ろうかなというくらい、初めは軽い気持ちでした(笑)。

──それが、もう2年以上いらっしゃることに……なぜでしょう。
●会社全体の空気から学ぶ部分が多い。この会社は、すごい頑張るんですよ。若い人が多くて、入社するときは未経験だったりするんですけど、どこかあきらめてる人が全然いない。仕事内容がどうのというよりも前に、この会社が単純に面白いんですよね。

──現在は自社のC.I.のほか、自社サービス「nendo」のデザイン全般を手がけていらっしゃるんですね。
●そうですね。今までは印刷ベースのデザインがメインだったのですが、今はWebのデザインがメインです。やっぱり感覚がちょっと違うんですよね。広告はタイポグラフィが命、みたいなところがありますけど、Webは違いますし……正直言って最初はすごく抵抗がありましたね。でも、実際にやっていくうちに、さらなる自分の表現ができるようになりたいと思うようになりました。

──最後に、濱さんが転職をするにあたって心がけていることがありましたら、教えてください。
●辞め方、ですかね。最初に入った会社からずっと、私は上司や周りの同僚に恵まれていたなと思います。辞める時も、いつも応援してもらって辞めた感じでしたし。「仕事なかったら、俺が仕事やるよ」とまで言ってくれる上司もいて……そういう意味では、ちゃんと筋を通して辞める、というのが大事ではないかと思います。私はまあ、欲張りなんですよね。いろんなことをやってみたい。だから、今まで経験してきた仕事で、無駄だったなということはひとつもないと思っています。

──本日はありがとうございました。

(取材・文:草野恵子  撮影:栗栖誠紀)


株式会社グローバルメディアソリューション
http://www.gms2.net/
もっと「おもしろい」をコンセプトに、より直感的でわかりやすいリッチインターネットメディアを展開する、株式会社グローバルメディアソリューション。もともと広告代理業をメインとしていた同社だが、昨年、インターネット事業部門を設立。その最初のサービスとして、Flashのインターフェースを採用したパーソナライズドホームページ「nendo」をスタートさせる(現在、テスト・α2版としてサービスを提供中)。また、学生特化メディアとしてWebマガジン「GANBARUZINE!」をこの夏に創刊。大学生の「発信したい」を形にするメディアとして、各方面から注目を集めている。




今回で濱 剛志さんの記事は終了です。次回をお楽しみに!



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