第3話 転職から一転、起業へ | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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転職はゴールではない 3年目の壁、5年目の転機

“仕事の壁”は誰にでもやってきます。そんなとき、ほかのみんなは、どうしているのでしょうか? このコーナーでは、今まさに壁を乗り越えようとしている人、乗り越えて一歩先に進んだ人など、クリエイティブ業界でがんばる仲間たちが登場。これまでの失敗談・成功談や現在の課題、そして将来像を語ります。今の仕事に前向きに取り組み、階段を一段登るためのヒントが得られるはずです!


第8回 株式会社アジケ 梅本周作さんの場合


Web制作会社アジケの代表取締役である梅本周作さんは、現在29歳。昨年、28歳の若さでアジケを独りで立ち上げた。もともと前職を退職した時点では、起業ではなく転職という選択肢を考え、憧れていた会社を数社受験。しかし「自分が目標とする人たちはみんなゼロからスタートしている。それならば、土壌のできている会社に就職するのではなく、自分もゼロからもがいた方がいいかもしれない」と思い直し、途中ですべて辞退することに。現在ではスタッフ3名を抱える、Web制作会社を経営する立場となる。起業までに在籍した2社での経験、そして起業にまつわる、さまざまなお話をお伺いしました。


第3話 転職から一転、起業へ

──出版系IT企業を辞め、いよいよ起業なさることに。おひとりで会社を立ち上げたのですか?
梅本●そうですね。でも、実は辞めてすぐの頃は、自分が起業するとは思っていなくて……普通に転職活動をして、3社ほど受けました。でも、最終的には面接の途中ですべて辞退させていただいたんです。というのも、その3社はクリエイティブの質が非常に高い制作会社ばかりで、僕がまさに目標とする会社だったのですが……あるとき、ふと気がついたんです。ここにいる人たちはすごいけれども、よく考えたらこの人たちもゼロからスタートしたんだなと。そうであれば、自分はもう少しもがいた方がいいのかなと。

──なるほど。理想的な会社で、既にある程度出来上がっている枠組みの中で働くのではなく、自分の力でゼロからトライしたいと思ったわけですね。
梅本
●はい。どこかの会社に入って、その会社に来る案件でいいものを作って、実績を上げるという、非常に現実的な選択肢もあるとは思ったんですが、そうじゃない方法を選びたかった。でも、今考えると無謀ですよね。「自分で制作ができるわけじゃないのに、なぜ独立するんだ」って(笑)。


──確かに(笑)。独立してすぐの頃はどんな感じだったのでしょうか。
梅本●前職の時から、他の制作会社さんとも仲良くやっていたので、フリーのディレクターという形でのお仕事をいろいろとやっていました。僕ひとりくらいなら問題なくできてましたが、アジケ社内でも制作ができるようにならないといけないなと思い、今のメンバーに順番に声をかけました。アジケを設立したのが2007年の8月で、この事務所に最初のメンバーが揃ったのが今年の1月になります。


──ひとりでもやっていけたのに、制作メンバーを社内に揃えたというのは、やはり自社内で質の高いクリエイティブをしたいという意欲があったからでしょうか。
梅本●そうですね。質の高いものを作っている制作会社でもラインによってはクリエイティブのレベルが変わることがあると思います。ものすごくレベルの高い制作会社もたくさんあるので、いろんなメディアに取り上げられるようなものを、すぐには制作できないかもしれないけれど、必ずいいものを作れるメンバーを集められているので、そういうラインを提供していきたいなと……。

──メンバーはもともと知り合いだった方々?
梅本●そうですね。前職の会社に在籍していたデザイナーで、みんな僕よりも先に会社を辞めてフリーでやってた人たちです。僕の方から声をかけていきました。最初は「仕事があるんだけど……」と声をかけて、どんな状況で仕事をしているかを聞きながら「一緒にやろうよ」って。

──振り返ってみると、もともと独立志向がご自身にはあったのではないでしょうか?
梅本●それはなかったですね。でも、前の会社にいる頃から、「自分だったらこうするのに」という変なちょっと驕りみたいなのはあったかもしれないですけど。30歳くらいまではもっと駆け抜けなきゃいけない、もっと経験積まなきゃいけないなと、つねに思っていました。もちろん、今も思っています。

(取材・文:草野恵子  撮影:栗栖誠紀)


株式会社アジケ
http://www.ajike.co.jp/
インターネットコミュニケーションの企画・制作までを幅広く、かつ柔軟に手がけているアジケ。社名の“アジケ”という言葉は、池波正太郎の小説に出て来た「味気ない」という言葉を由来とし、「クライアントの課題とニーズに応えるだけでなく、そこにほんのり“味気”をつける」ということを表す。良質なサイト制作を、少数精鋭で着実に一歩一歩積み上げていくことで、社会に貢献していくことを目指している。


アジケ(自社サイト)

http://www.ajike.co.jp

ファンタスタープロモーション コーポレートサイト

http://www.fantastar.co.jp/

SIGGボトルデザインコンペティション2008 プロモーションサイト

http://www.sigg-jp.com/compe2008/index.html

次週は「第4話 社員とお客さんが幸せになる会社にしたい」についてお届けします。



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