第4話 触媒としての生き方 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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まざまなジャンルで活躍するデザイナーの来歴をたどるシリーズ。今回はマルチメディア・デザイナーの岡村浩志さん(Ages5&up)を取材し、今日までの足跡をたどりま


第4話 触媒としての生き方



岡村浩志さん

中目黒の仕事部屋にて、岡村浩志さん


iPhoneにおける展望



──独立して何年ですか?

岡村●10年ですね。

──それ以降、仕事はどのように変化を?

岡村●やっていることはあまり変化してないですが、世の中の流れに合わせて、Webや携帯などアウトプットの形は変化したと思います。中村君と活動していた頃は、アナログ的な物の方も重視してやっていたのですが、4年前に彼が病気で亡くなってしまったので。

──残念ですね。

岡村●ええ。しばらくはあんまり考えないぐらいに、無茶苦茶忙しくしてました。最近やっと気持ちの整理がついて、やっと前向きな気持ちになってきたと思います。頭で分かっていても受け入れるのに時間がかかりますね。

──いまメインの仕事は?

岡村●なんだろ? あまりハッキリわからないんですけど(笑)プログラムと映像ですね。会社員の時に思ったことがあって、僕みたいにマルチにデザインやったり、プログラムしたり、音楽作ったり、何人も専門分野の人たちがいるなかでは、僕はうまく機能できないのでは……自分の道は自分で作らなくては、自分の場所はないな、と。まだ確立中ですけど、それができれば「映像屋さん」とか言わなくてもいいなと。企画やシステムの設計からデザインまで、総合的にバランスを持って理解して作れる、というところで確立できたらいいのですが。

──肩書きを聞かれたら?

岡村●「マルチメディア・デザイナー」ですね。中村君と活動していた頃はもっとアーティスティックな指向があったので、メディア・アーティストとして見られることもあったと思うのですが。いまはもう少し、職人的なことに魅力を感じます。いろんな人と関わって触媒的に機能したい。僕と関わることで「何か新しいことができた」という存在になりたいですね。僕の好きなブラインアン・イーノの活動も、いろんなアーティストとの触媒的な作用を感じます。

──イーノの『Bloom』は買いました?

岡村●いや、見ましたけれど買ってません。iPhoneの上では、無限の音楽や、インタラクティブな音楽は当たり前のものだと思うので、別の角度の視点を見たかったです。ただ、作品を発表するメディアとしてiPhoneを使ったことはうれしいです。こういうことがもっと盛んになると良いなと思います。


h/m/s●




上段左:h/m/s(2009年予定)
時を視覚化するiPhoneアプリケーション
上段右:"●"(2009年予定)感触アプリケーション
下段:DOTS Expansion/Shringkage(2004年)
点の拡大縮小による映像インスタレーション。ヴァージンシネマズ六本木ヒルズ


こだわりを持つこと



──いまデバイスとして興味があるのはiPhoneですか?

岡村●ですね。いま自分の活動の他に「Delaware」の活動をしていて、先日「Records 001」というターンテーブルをインターフェイスにした音楽配信を、iPhoneのアプリとしてリリースしました。他に自分の作品も含めて、いくつかのiPhoneアプリを制作中です。

──今後、やりたいことは?

岡村●いまはiPhoneをもっとやりたいですね。僕の場合、出版とか展覧会とか、物的なものよりも、やっぱりコンピュータ・アートな人間なんだと思います。この上で、出版とか展覧会とかやりたいですね。

──では、最後にアドバイスを。

岡村●こだわりは持ったほうがいい。自分しか気がつかない小さなことでも、そこに大事な世界はあると思うので、それを信じてやっていくこと。それとそのこだわりと同じくらい、人とのコミュニケーションを大事にすること。自分の世界を伝えるために大事なことです。

──ご自身のこだわりは?

岡村●テクスチャを感じることです。子供の頃にテレビを「これは8チャン、これは10チャン」って画質で見ていて、番組の内容ではなくて。周波数の関係かもしれませんが、質感の違いを感じていました。そこに何が映っているかより、画質の方に目がいったんですね。中身より、外側の方が、全体を示す何かだったりすることがある。感触や質感は微妙で繊細なことかもしれないですが、そこに何かがあると思っています。


今回で「これがデザイナーへの道」第27回・岡村浩志さんのインタビューは終了です。

(取材・文:増渕俊之 写真:FuGee)


岡村浩志さん

[プロフィール]

おかむら・ひろし●1975年東京都生まれ。日本大学芸術学部美術学科卒業後、IMJに入社。97年に「Ages5&up」として活動開始。デザイン、プログラム、映像、音楽など、知的玩具のようなひねりと分かりやすさ、対象年齢5歳以上を基本に作品を展開している。ロッテルダム国際映画祭への出品の他、銀座「CHANEL」アニメーション、携帯Webサイト「THE END」参加など。http://www.ages-five-and-up.com/




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