タイクーングラフィックスの宮師雄一氏と鈴木直之氏よるデザイン術を紹介してきた本連載。最終回となる第4話ではamadanaとコラボレーションした携帯電話にフォーカス。携帯スクリーンを彩る グラフィックについても話を伺った。
第4話
プロダクトにおけるグラフィック「amadanaケータイ」
第2弾の筐体はスライド式
タイクーングラフィックスがデザイン全般に参加している「amadana」は、デザイン家電の先駆けにもなったブランドだ。なかでも、amadana x docomo x NECのコラボレーションにより、2008年に発売された通称「amadanaケータイ」は、その洗練されたたたずまいが印象的だった。
「amadanaの商品コンセプトは生活空間にマッチするデザイン。以前は、家電というとあまり見せたくないもののほうが多かったのですが、最近は各メーカーともデザイン性の高いプロダクトを発売しています。もちろんamadanaケータイでも、先駆けとしてその点に配慮しています」(鈴木)
「筐体のデザインは、 amadanaや同プロジェクトの本体のデザインを担当するインテンショナリーズ代表の鄭秀和氏が手がけています。僕たちは書体や操作キー、コンテンツのビジュアルデザインを含んだ全体のアートディレクションを行いました」(宮師)
好評を得た「N705i」「N706iII」に引き続き、今年1月にはシリーズ第2弾「N-04A」も発売。2つ折り形状だった第1弾とは異なり、スライド式のボディが採用されている。
「第2弾では、筐体の形をはじめ、機種ごとのコンセプトは決まっていました。僕たちはそこに味付けをしていった形です。色や内蔵コンテンツ、画面に表示されるFLASHアニメーションなどで、amadanaらしい世界観を表現しています」(鈴木)
「スライド式なので、外側の大部分はディスプレイで覆われます。だから、そこに表示されるグラフィックはプロダクトの一部とも言えます。それだけに、性格付けや配色には気を配りました」(宮師)
使う街をイメージしたデザイン
1弾目のプリインストール画面はモノトーンを基調にシックなたたずまいだったが、2弾目では少し趣を変え、落ち着いたイメージは維持しながらも明るく軽やかな色が採用されている。
「2弾目は機種(色)ごとに、さまざまな“街”が世界観として設定されていました。そこで、コンテンツを作り込む際には、それぞれの街で使うシーンを想定しながら、ユーザーに合わせたビジュアルを手がけました」(鈴木)
あらかじめ用意された枠組みの中で、使用されるシチュエーションとamadanaらしさを両立。そこではグラフィックが重要な役割を果たした。宮師氏の「いわば顔をデザインしたようなもの」との言葉にも頷ける。
「画面表示されるFLASHアニメーションでは、秒数を刻む動きと連動させたモーションなども採用しました。それらのプログラムはNECのデザイナーの方が担当しました。自分たちが用意した1枚絵と、動きのイメージを伝えながら調整を繰り返しているうちに仕上がっていくのは、とても面白い経験でしたね」(鈴木)
(取材・文:佐々木剛士 人物写真:谷本夏)
(取材・文:佐々木剛士 人物写真:谷本夏)
「このアートディレクターに聞く」第33回タイクーングラフィックスのインタビューは今回で終了です。
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