第3話 就職、転職、そしてフリー | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて



様々なジャンルで活躍するデザイナーの来歴をたどるシリーズ。今回はfinch-talkの小林信広さんを取材し、アートディレクターとして活躍する今日までの足跡をたどりま


第3話 就職、転職、そしてフリー



渋谷区代々木のオフィスにて、小林信広さん

渋谷区代々木のオフィスにて、小林信広さん

──最初のお勤めは?

小林● 「GREGE」(グレージュ)というデザイン会社です。いくつか受けた中で通ったところですが、時計メーカーのカタログやチラシだったり、女性下着のカタログやポスターを作っていました。そこに入って実際デザインを始めたのですが、入ったときはまだMacで全部作ってなくて、紙焼きや写植を貼りつつ手作業で版下を作るような時代でした。

──何年ぐらい勤務を?

小林●3年勤めました。

──その後「Store inc.」(ストア・インク)に?

小林●ええ。やっぱりCDジャケットとかファッション雑誌とか、そっちのほうをやりたくて。そういうデザイン事務所を探して転職しました。ストアは入った当時は、宝島社のファッション雑誌のほか、CDはEvery Little Thingとか、エイベックス系のデザイン事務所だったので、そっち方面の仕事が多かった。

──ようやく自分の希望に近づいて。

小林●そうですね。グレージュの後半も完全にMacになってましたが、世の中的にもう完璧にDTPで。あとグレージュというところはオジさんばかりの会社で、結構のんびりしたムードの会社だったんです。「おいしい和菓子があったからどう?」って。

──ハハハ。

小林●そういう感じのところだったのですが、ストアに入ったら全然スピード感が違う。戦場って雰囲気で、入ったら即仕事を任せられるし、自分でどんどん動かないとならない。それまでは一人で打ち合わせというのはなくて、オジさんの同伴みたいなことが多かったのですが「一人でやってくれ」と。勉強になりましたね。まかされるのは嬉しかったですけど。

──当時ストアは何人ぐらい?

小林●その頃、13人ぐらいでしたね。みんな若い人ばかりで、それも驚きで。同い年ぐらいでもバリバリやっている。すごく刺激になりました。自分の作業のスピードもあの頃は遅かったので、しょっちゅう会社に泊まったりもして(笑)。

──ストアでは何年ぐらい勤務を?

小林●3年ぐらい勤めました。辞めたきっかけは……特にきっかけもなかったんです。やっぱり忙しすぎて疲れちゃったというのがあり、自分のデザインに対する考え方がストアと違ってきたのもあるのですが。ちょっと休んで考えようと、アテもなく辞めてしまったんです。

──その後は?

小林●新しく就職活動してみようかなと。実際して、何社か受けてうまくいかなかったのですが、そうこうしているうちにストア時代に仕事をもらっている方から「ちょっとやってみない?」と話が来るようになって。で、やりだしたら「次もお願いしたい」と。

──自然にフリーへと。

小林●ええ。もうやってみようか、と。でも何もない状態なので、前の職場だったグレージュに席を借りて、そこから始めたんです。オジさんたちも「おお、よく戻ってきてくれた」と歓迎してくれて(笑)。

──いい話ですね。

小林●そこで独立して、キャリア再スタートみたいな感じでした。


mF247 リーフレットプラン・ジャパン フライヤー

Base Ball Bear「バンドBについて vol.2」ブックレット手打蕎麦 ちりん ロゴ雑誌『sweet』5月号誌面


小林さんの仕事より
上左:mF247 リーフレット(2007年/247Music inc.)
上右:プラン・ジャパン フライヤー(2008年/PLAN JAPAN)
下左:Base Ball Bear「バンドBについて vol.2」ブックレット(2006年/TOSHIBA EMI Capitol Music Co.)
下中:手打蕎麦 ちりん ロゴ(2008年/手打蕎麦 ちりん)
下右:雑誌『sweet』5月号誌面(2009年/宝島社)


次回、第4話は「自分から楽しいほうに向かうこと」を掲載します。

(取材・文:増渕俊之 写真:FuGee)


小林信広さん

[プロフィール]

こばやし・のぶひろ●1973年埼玉県生まれ。東京農業大学、武蔵野デザイナー学院卒業。GREGE、Store inc.を経て、2002年独立。日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)会員。

http://finch-talk.jp/




twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

この連載のすべての記事

アクセスランキング

8.30-9.5

MdN BOOKS|デザインの本

Pick upコンテンツ

現在