旬のアートディレクターをお迎えして、デザインする際の思考のプロセスと、創作のスタンスに迫るコーナー。第36回目はStudioKannaのカンナアキコさん。第2話では、CLASKAとともに企画面からたずさわった、イギリスと東京の架け橋となるプロジェクト「TOKYO BY TOKYO」にフォーカスする。
第2話 TOKYO BY TOKYO
読みものと一般的なガイドブックの中間を狙う
蛍光色とスミ版のみで印刷された「TOKYO BY TOKYO」の表紙。シンプルながらパリッとした強い存在感を放つ


一般的なガイドブックとは異なり、文字が主体となっている。各紹介スポットにはGoogle mapに入力すると場所が示されるナンバーが添えられている

イギリス人のグラフィックデザイナー14人が東京を表現した展覧会「How Very Tokyo: British Graphic Designers Interpret Tokyo in Posters」のパンフレット
国内外を繋ぐ役割を担う仕事
「TOKYO BY TOKYO 東京による東京案内」は、国内外から多くのゲストを招いているホテル「CLASKA」から相談された仕事でした。これは「東京の人が語る東京」のガイドブックで、東京のクリエイター70人くらいが、個々に設けたテーマにあわせてお気に入りのスポットを紹介する書籍です。この本ではポケットに収まる程度の判型、軽くて持ち運びやすい紙、各人が1ページで収まるデザインを実践しました。ユニークな試みとしては、Google map(http://maps.google.co.jp/)に入力すると、そのスポットの場所を示してくれるナンバーを添えたことも上げられます。
通常ガイドブックというと、地図や図版を主体としたものを連想しがちですが、これに関しては、読みものと一般的なガイドブックの中間を狙っています。東京の人が東京を「語る」ことがポイントのひとつですからね。表紙はスミと蛍光オレンジの2色づかいで、人の顔まで蛍光オレンジで刷りました。繊細な色づかいよりは、こんな風にハッキリとした配色をしがちなのは、私の特徴かもしれません。
「TOKYO BY TOKYO」の発売にあわせて、イベント「How Very Tokyo: British Graphic Designers Interpret Tokyo in Posters」も企画したのですが、これはイギリス人のグラフィックデザイナー14人が東京を表現するというテーマの展覧会でした。そこでは日本での知名度にこだわらず実力派の人を選出しました。私もイギリスと日本の橋かけ役を担いながら彼らの作品を世に広めたいですからね。
ちなみに、イギリスと日本との違いについてお話すると、私はイギリスよりも東京に大きな可能性を感じています。イギリスではデザインに対する理解が深いし、デザインが世の中に根付いている長所があるのですが、そこでは仕事のスタイルが「ベーシック+面白い+α」で定まっているように感じます。一方、東京には良くも悪くもスタイルがない。そんなニュートラルで型にはまっていない部分こそが、私にとっては魅力です。まだまだ面白いものが見つけられそうですし、もっと面白いことを実現できる可能性を感じています。
(取材・文:立古和智 人物写真:谷本夏)
次週、第3話は「One Tree Project」についてお送りします。こうご期待。
ちなみに、イギリスと日本との違いについてお話すると、私はイギリスよりも東京に大きな可能性を感じています。イギリスではデザインに対する理解が深いし、デザインが世の中に根付いている長所があるのですが、そこでは仕事のスタイルが「ベーシック+面白い+α」で定まっているように感じます。一方、東京には良くも悪くもスタイルがない。そんなニュートラルで型にはまっていない部分こそが、私にとっては魅力です。まだまだ面白いものが見つけられそうですし、もっと面白いことを実現できる可能性を感じています。
(取材・文:立古和智 人物写真:谷本夏)
次週、第3話は「One Tree Project」についてお送りします。こうご期待。
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●カンナアキコ 01年ロンドン芸術大学セントラル・セントマーチンズ、グラフィックデザイン科卒。02年より06年までロンドンのデザイン事務所、North Designに所属し企業のブランディングの業務などに従事。2006年に帰国し、StudioKannaを始動。CIを含むブランディングからブックデ ザイン、パッケージまで幅広い媒体を舞台に、コンセプトメイキングに重点を置いたデザインワークを行う。
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