第3話 One Tree Project | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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旬のアートディレクターをお迎えして、デザインする際の思考のプロセスと、創作のスタンスに迫るコーナー。第3話で取り上げるのはエコに関するファッションのプロジェクト「One Tree Project」。幅広い層にスピーディに伝わることをに重きを置いたコンセプトのわけに迫る。



第3話 One Tree Project
サインと動物を用いてストーリーを生み出す



●プレゼン案
環境破壊の影響を受けている野生生物の将来を、サインをモチーフにして描いたプレゼン案

●Tシャツ
プレゼン案にあったシリアスさはおさえて「ガーリー」「かわいい」といった側面を前面に出した。背面ではプレゼン案のアイデアを採用

●バッグ
プレゼン案のサインをモチーフにしたアイデアを採用した


フレキシブルで誰もがわかるコンセプト


「One Tree Project」は商品が購入されると、砂漠に木が一本植えられるプロジェクト。オーストラリア、ドイツ、イギリス、フランス、そして日本から7人のデザイナーが参加しました。私が最初に提案したアイデアは、環境破壊のせいで追いやられている野生生物の将来に対する警告を、ストリートサインをモチーフにして瞬時に伝えていくものでした。それについては、いいアイデアだと評価していただいた一方で、ある意味シリアスすぎるというフィードバックをいただきました。というのは、この商品を売り出すブランド「earth music & ecology」のターゲットが、「ガーリー」「かわいい」が真っ先にイメージされるアイテムを期待されるブランドだったからです。


Tシャツに関しては、最初の案からは大きく変化して完成させたのですが、バッグに関してはTシャツ用のアイデアを踏襲して完成させました。このプロジェクトに限った話ではありませんが、ロンドンにいた頃はCIのデザインを手がけていたせいか、私はコンセプトに重点を置く傾向にあるのかもしれません。数年がかりで完成へと導くCIの仕事では、手を動かす前に考えるべきことが山ほどあって、プロジェクト全体を貫く基本的なコンセプトが定まらないことには動きだせませんからね。


コンセプトを掲げる際に重要なポイントは、そこにゆとりがあることです。目にした誰もが接点を持てる広い視野があり、言葉を添えなくとも誰しもが同じようなことをイメージできて、目にした瞬間に伝わること。柔軟性のあるコンセプトは、その過程において色々な可能性へと発展してくれるのです。その繋がりが、プロジェクトをもっと面白いものへと導いてくれます。このプロジェクトでいうならば、誰もが目にしたことのある「サイン」「動物」といったわかりやすいモチーフで、シンプルかつスピーディに伝えたつもりです。ただ、野生動物の過酷な状況を忘れて欲しくないので、かわいすぎず、少しシリアスに表現したかったんですけどね。
(取材・文:立古和智 人物写真:谷本夏)


次週、第4話は「Christmas Wishes」についてお送りします。こうご期待。






●カンナアキコ

01年ロンドン芸術大学セントラル・セントマーチンズ、グラフィックデザイン科卒。02年より06年までロンドンのデザイン事務所、North Designに所属し企業のブランディングの業務などに従事。2006年に帰国し、StudioKannaを始動。CIを含むブランディングからブックデ ザイン、パッケージまで幅広い媒体を舞台に、コンセプトメイキングに重点を置いたデザインワークを行う。
http://www.studiokanna.com/



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