第3話セグメントされた情報
──スタートしてからの反応はどうですか?
田上●今、月間500万PVとか、それぐらいですね。ユーザー数で月間100万ユーザー程度。デイリーで4万弱ユーザーぐらい。PVで20万前後ですね。たくさんの人に見ていただいていると思います。
鈴木●でも、一方では結局アクセスが多ければいいのかという話も出てくるわけですよ。

田上●インターネットのビジネスで言えばアクセス数が多ければ広告の在庫が増えるわけで、価値が上がってるという計算じゃないですか。そういう視点で言えばアクセス数が多いというのはいいことなんですが、そのアクセスの内容が重要なのでは。
鈴木●大手のポータルサイトと比較されたとしても、違いますからね。でも数字的にみたらそこは同じじゃないですか。そこを取り出しちゃうと。
田上●この情報で流していて、これだけのユーザーが見てるというのはすごいことかもしれない。
鈴木●やろうとしてることのスケール感だよね。子供からおばあさんまでといった、フラットなマス、不特定多数にむけての何のセグメントもしない情報の出し方というのがネットのビジネスの一つのモデルとしてあったと思うんですよ。ただ僕たちはそうではなくて、情報も読者もセグメントされてる。そのセグメントのされ方というのが、いわゆる商業雑誌のように広告マーケティングに基づいたセグメントではない。
年齢だとか性別だとか職業、生活している区域、都市部なのか地方なのかとかそういうことでもなくて。ある種のセンスだったり、カルチャーを共有できる人たちにむけて情報を発信してるわけじゃないですか。そこは、雑誌でも今のマーケティングのされ方では抜け落ちてしまっていると思うんです。要するにストリートファッション誌といっても、そこでは高校生が中心で居住分布みたいのがあって、月平均これぐらいお金を使ってみたいなプロファイリングされた読者層がある。僕たちの読者層ってそういうプロファイリングではないですよね。多分、収入はピンキリ。年齢も40代もいれば10代もいる。海外に住んでる人もたくさんいる。そういった人たちっていったいどんな人?って言ったら、僕たちが扱っているある種のカルチャーに共感できる人たちなんですよね。
そういった人たちだけでこれだけのアクセス数があるってことは、どんなにインターネットは無料だと言っても時間を割いて見にくる人たちはいるわけだから、マーケットはここに存在するってことですよね。既存のインターネットビジネスになってしまうと、小さ過ぎて目に入らないマーケットだと思うんですけど。

田上●マーケティングの人たちは広さでは捉えることができるんだけど、強さではなかなか捉えることができない。そういった広さだけでいうと、箸にも棒にも引っかからないセグメントになっているところだとは思うんですけど(笑)。実はこのセグメントするバランスがとても難しくて、ビジネスライクにやろうとしても、逆にうまくいかなかったり、イナタいものになってしまいがちなんです。ハニカムでは、ユーザーの方がこの情報は本物だという捉え方をしてくれているという実感はありますね。
──このサイトの収益は広告がメインになるんですか?
鈴木●ECもあるし、広告もあるし、プロダクト開発みたいのもあるし。相対的にはそれぞれの比率はあると思うけど、僕たちのスタンスとしては、どれが主たるものでこれがサブというの形でビジネスを進めてる感覚はなくて、全て並行でやってますね。
田上●モノを売るのも広告に近かったりするところもあるし、それ自体がパブになっていたりとか。ここでモノを売ることによって同じ商品を扱う実店舗でも話題になるとか、そういう効果もあるわけです。そういう意味ではモノを売ってるんだけど情報も売っている。モノの売り上げ自体だけでは捉えられない相乗効果も多いですよね。そういうものがうまくリンクしていって総合的な収益に繋がっていけばいいなと思ってるんですけど。
──プレオープン、リニューアルといったサイトの反応の経緯はどのような感じでしたか?
鈴木●1年のなかでもいくつかのステージがあったって感じですね。それは僕たちが狙ってるわけではなくて、結果としてですが。
ブログのトップページ現在は30名の著名人が参加している
田上●スタート当初はフラッシュがあって、3人のブログがあって、それが見ることができますよという感じのものだったんですけど。それでもかなりの反響というか、読者のブログにこんなのが始まるらしいよ、何やるんだろうね彼らは、といった書き込みがたくさんあって、話題性はありましたね。はじめてみたら賛否両論いろいろな書き込みが(笑)、まだ一年たってないんですけど、わりと定着してきているんだなと最近感じるようになりましたね。僕らも試し試しでやってるところがあったんで(笑)。

藤原ヒロシさんのブログページ
鈴木●最初ブログがあって、マガジンという部分をはじめて、でそれがアーカイブとしてある程度たまってくるタイミングと、ECをはじめるタイミングとか、いろいろなタイミングがありましたね。田上●ブログのメンバーとも、最初は誰々にやってもらいたいということで、こちらからアプローチしていた頃もあったんですけど、今はやりたいですという人も増えてきています。
鈴木●ブログは当初は10人以下だったよね、でも今は30人くらいいますから。
田上●日本語のサイトにもかかわらず、海外のメジャーな人からもぜひやりたいとコンタクトがあったりもします。情報の付加価値として成り立ってるんだろうなと。気付かないところなのかもしれないですけど。
(取材・文:服部全宏[GO PUBLIC] 写真:谷本 夏 編集:蜂賀 亨)
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[プロフィール] 鈴木哲也(すずき・てつや) ●株式会社ハニカム honeyee.com編集長
●株式会社ハニカム 取締役・クリエイティブディレクター |





