第3話 フリーランスの情況 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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第3話 フリーランスの情況


伊東優氏

仕事はどんどん増えている


――独立後、作業はすべて自宅で?

伊東●はい。独立当初はISDNでしたが、いまは通信整備が進んでハードも含めて何の支障もない。気楽ですが、逆にペース配分が難しいですよね。昔はこういう仕事のやり方、環境も含めて考えられなかったですけれど、ハマってしまうと一晩中仕事しちゃう。そのへんのサジ加減が難しい。

――会社組織にしようという考えはないのですか?

伊東●フリーになって何年か経ち、仕事が落ち着いた時点で、その次どうしようか……と考えたとき、会社にしようかとも考えましたが、いまはまだしていません。現在、名乗っている「div1」は単なる屋号です。

――現在、何本レギュラーを抱えているのですか?

伊東●継続して手がけているアーティストは田中フミヤさん、石野卓球さん、中島美嘉さん、InK、DJ TASAKA、DISCO TWINS、RYTHEM。あとはリキッドルームと、毎年恒例となったWIREがあります。WIREは夏の開催に先立ち、春過ぎから始動するので、打ち合わせなどを含めてかなり時間を必要とします。それに合わせたリリースも多いので、ここ数年は夏場に仕事が集中しがちですね。秋になって、個人的にはようやく一段落ついたところです。

――常駐のアシスタント一人で、こなせていけてます?

伊東●まあ、一杯一杯なときは、外のフリーの人にも手伝ってもらっています。

――そうした周囲のWebクリエイターの情況は?

伊東●みんな、忙しいですよ。仕事自体はどんどん増えてますから。


リキッドルーム恵比寿HP

伊東氏が手がけている「リキッドルーム恵比寿」のHP。ライブ&パーティ・イベントのスケジュール、ニュース、リポート、チケット情報など、アーティスト・サイトとは異なる多角的なコンテンツを見やすく整理しなくてはならない。

やっぱり「作ること」が好き


――シビアな話ですが、数をこなさないとやっていけない現実もありますか?

伊東●それは、たしかにあると思います。ただ予算的な条件は、そんなに抑えられている感じはしません。おそらく、最初の頃が高すぎたんですね。いまは落ち着いてきている印象があります。

??Webクリエイティブ専門の制作会社も増えましたよね?

伊東●ええ。ですが、だからといってフリーランスのWeb制作者にシワ寄せがきているとも思えません。たとえば、フリーでライターやるのと編プロに所属してライターやる違いだったり、それに応じて仕事の内容も変わってきますから。あとは、単純に規模の問題ですよね。企業モノのキャンペーンなどは、やっぱりそれなりに予算があって、時間をかけてスタッフも多く抱えられる。そのサイトを立ち上げる目的だとか、目標だとか、細かいプロモーションのプランをしっかり立てる場合は、それなりにスタッフを抱えた制作会社でないと対応できませんよね。

――いわば、制作会社が広告代理店的な役割も求められるように?

伊東●そうだと思います。

――個人的には、フリーでやってるほうがいい情況である?

伊東●いいですけど、さっきも言ったように次のことを考えないと……とは思ってます。

――手広くやって、口だけ出すような(笑)。

伊東●ハハハ。でも、そういうことは考えないですね。

――やっぱり作るのが好きなんでしょ?

伊東●うん、そうですね。


次週、第4話は「この仕事に大事なこと」についてうかがいます。

(取材・文:増渕俊之 写真:栗栖誠紀)


伊東優氏

[プロフィール]

いとう・まさる●1973年大阪府生まれ。大学卒業後、編集プロダクションに就職。4年間の勤務を経て独立、以降Webデザイナーとして田中フミヤ、石野卓球、中島美嘉などのアーティストHPや「WIRE」「リキッドルーム恵比寿」などのサイトを手がけている。

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