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写真から物語を生み出すAIアプリ「WonderStories|ワンダーストーリーズ」を試してみた

2024.03.08 Fri

株式会社ベルソが、AIを活用した生成アプリ「WonderStories|ワンダーストーリーズ」をリリースしました。写真をアップロードすると、その写真をもとにしたオリジナルの物語が生成されます。App StoreやGoogle Playから無料でダウンロードして使えるアプリです。リリースされたばかりということもあって、やや挙動に不安定な面も見られましたが、使ってみて「思ったより楽しい!」と感じられるものでした。そこで本記事では、その使ってみた詳細を紹介します。

好みの物語のスタイルを4種類から選択

「ワンダーストーリーズ」で生成したオリジナルストーリーは、SNSでの共有などを楽しめるほか、子どもへの物語の読み聞かせにも活用できます。また、デザインの分野ではしばしばダミーのサンプルテキストを仮に使うことがありますが、そのためのデータとして役立てる道もありそうです。

アプリを起動して「ストーリーを作る」画面に移ると、物語の好みのスタイルを指定できます。「おもしろイソップ寓話風」「ほっこりアンデルセン童話風」「仲良し日本昔話風」「ほのぼのグリム童話風」の4つに加えて「おまかせ」という選択肢も用意されています。

写真は新たにスマホのカメラで撮影するほか、あらかじめ撮影しておいた画像をカメラロールから指定することも可能です。さらに、主人公の名前も任意で指定できます(おまかせでもOK)。

同じ設定でも生成するたびに物語が変化

この「ワンダーストーリーズ」を、iOS版で実際に試してみました。リリースされたばかりということもあって、やや挙動に不安定な面も見られますが、その点については今後のバージョンアップにも期待といったところでしょう。

生成までの時間やテキストの分量はランダムです。短い物語になることもあれば、かなりのボリュームのストーリーが生成されることもあります。リリース直後に試したときには「なかなか生成の処理が終わらない」という状況にも陥りましたが、その後にマイナーバージョンアップを経て、筆者のテスト環境では「意外に速い」といった体感で物語が生成されています。

まったく同じ画像・スタイル・主人公の名前でストーリーを作っても、その時々で生成される物語は変わります。生成してみて「ちょっと別のものがいいな」と感じたら、何度も試せる気軽な楽しさを味わえるでしょう。複雑すぎるシチュエーションの指定などが不要であることも、ライトユーザーが気軽に使いやすいポイントです。

同じ設定(おもしろイソップ寓話風/同じ猫の画像/主人公の名前:にゃん太)で生成した2つの例
『にゃん太の大冒険』

昔々、小さな村に生命力に満ちた猫、にゃん太が住んでいました。にゃん太は村で最も主要な猫で、みんなから愛されていました。ある日、にゃん太は未知の森へ冒険に出ることを決意しました。森に入ると、たくさんの不思議な生き物たちが歓迎してくれました。にゃん太は新しい友だちをたくさん作り、彼らから森の知恵を学びました。冒険を通じて、にゃん太は自分の勇気と仲間の大切さを実感したのでした。
『にゃん太と森の祝祭』

昔々、にぎやかな森の中で「にゃん太」という名の猫が暮らしていました。にゃん太はいつも予想もしない冒険を求めていましたが、すべての動物は彼の勇気を認めていました。

ある日、森の動物たちは大きな祝祭を計画しました。予想に胸を膨らませる中、にゃん太はこの祝祭で一番の演技を披露することに期待を寄せていました。しかし、誰もが疑問に思ってしまいました。猫がどんな偉業を成し遂げるというのだろうか?

祝祭の日が来て、にゃん太は高い木の上に登り、鮮やかな羽をつけた蝶々を捕まえようとしました。動物たちは息をのんで見守っていました。にゃん太の最初の試みは失敗しましたが、彼は諦めませんでした。何度もチャレンジを続けた結果、ついに蝶々をやさしくつかまえることに成功しました。

その瞬間、森は大喝采に包まれました。にゃん太はみんなの予想を超え、自身の勇気と粘り強さを示しました。動物たちはにゃん太のことをただの猫だと思っていましたが、その日以来、みんなはにゃん太のことを真の冒険家として認めるようになりました。

画像の内容が反映されたストーリー

何度か生成を試してみたところ、「単に物語をランダムに提示しているのではなく、しっかりと画像を元にストーリーが生成されている」ということにも気付きました。画像とあまりにもかけ離れた物語にならない点は好印象です。

猫が草に囲まれた写真のときには「花」などのキーワードが含まれ、白黒の猫の写真のときには「黒白の毛を持つ猫」、クマのイルミネーションの写真のときには「光るクマ」といった記述が見られます。

さらに、主人公の名前の指定は単にネーミングの都合上かと予想していましたが、それも生成されるストーリーに影響を与えているようです。クマのイルミネーションの写真であえて「うさぎ」という主人公の名前を指定すると、「光るうさぎが住んでいました」といった物語になり、これは面白い現象だと感じました。

また、とても驚いたのは「AIを使っているけれど不規則な点が見られる」ということです。同じ1つの物語の中でも「捕まえようとした」「つかまえる」といった表記の不統一が見られます。AIは完璧ではないとはいえ、このような規則性に関する事柄に関してはブレが少ないようなイメージがあったので、意外な発見でした。

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本アプリは無料で気軽に利用でき、使ってみて「思ったより楽しい!」と感じられるものでした。利用規約に「当社は、ユーザーが生成した物語に関する権利、および発生し得る利益をユーザーに譲渡します」(第5条-2)といった記載があるのも特徴的で、生成したオリジナルのストーリーを気兼ねなく「自分の作品」として扱えます。操作性が抜群にシンプルで、さくっと試せるため、気になったユーザーは実際にダウンロードして遊んでみると良いでしょう。

株式会社ベルソ(ハバスソルベプロジェクト)
URL:https://ohanashi-maker.web.app/
2024/03/08

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