2025年2月19日(水)から3月23日(日)まで、株式会社リクルートホールディングスが運営するBUGにて「ザ・ネイムズ・オン・ザ・ビーチ」展が開催されます。2023年〜2024年に初開催された「BUG Art Award」でグランプリを受賞した向井ひかり氏の個展です。
「BUG Art Award」での初のグランプリ受賞者
リクルートが運営するアートセンターは、2023年に「BUG」へと名称が変わりました。「この世界に、バグを。」をキーメッセージとして、展覧会やアワードなどの企画を展開しています。活動の軸の1つが制作活動年数10年以下のアーティストを対象とする「BUG Art Award」です。その第1回目では2024年のファイナリスト展を経て向井ひかり氏がグランプリに決定しました。
向井氏が第1回「BUG Art Award」に出品したのは「対岸は見えない」と題した作品です。人の目線の高さほどの白い箱の側面や上部に、さまざまな素材の小さな立体作品やドローイング、映像が配置されています。審査員からは独創的な着眼点とアイデア、さらにはBUGの空間を意識した展示方法であることが高く評価されました。
「対岸は見えない」2024年(撮影:志賀耕太)
受賞後の成長も披露される個展
向井氏は武蔵野美術大学造形学部彫刻学科に在学中から一貫して、木片やガラスや紙粘土などの身近な素材を組み合わせて、小さな立体作品を作ってきました。今回の個展では、天井の高さが7.2mである会場の空間を隅々まで使い、自身にとって最大規模となる新作にも挑戦しています。会場には新作を含む全17点が展示される予定です。
これまでの作品は向井氏が自分の手で作れるサイズでしたが、今回は展覧会の施工・設営のスペシャリストであるインストーラーとの協働が行われています。さらに、芸術学の専門家の平倉圭氏との対談を通して、制作費や空間の使い方、作品の配置などについても新たな視点が取り入れられました。これについて向井氏は「自身の作品やプランについて人に伝えていくことは、これまで言葉にすることが難しかった自身の活動や制作について言語化する機会になった」と語っています。
日常のささやかな出来事をつなぎ合わせる表現
展覧会タイトルでは、日常で名前のない砂つぶを見つけるようにささやかな出来事を掬い上げ、それらを並べてつなぎ合わせて新たに名前をつけ直す、といったスタンスが表現されています。海辺の砂は、鉱物や動物の死骸だったものが風化や波の力によって細かくなって流れ着いたもので「昔は1つずつに名前がついていた」と考えることもできます。
この制作スタイルの例として、たとえば展示作品の1つ「クリームろうそく」は、向井氏が幼い頃に見た映画のワンシーンや、予備校生の頃に読んだ彫刻家の対談集の内容、大学生の時に見た鉄材など、複数の記憶が元になっています。自身の中に蓄積された日常生活の小さな出来事を、宇宙で起きている膨大な出来事の1つととらえて記録し、制作の段階でつなぎ合わせています。
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■期間:
2025年2月19日(水)~3月23日(日)
■開催場所:
BUG
東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー 1F
■問い合わせ先:
株式会社リクルートホールディングス
url. https://bug.art/