もうすぐ新生活シーズン。身体が資本のデスクワーカーやクリエイターの皆さん、毎日行なっている習慣はありますか? 実は、「健康のために」と思って続けていることが意外と身体に合っていない……なんてことも。そこで、今回は番外編。心身ともにストレスのない日々を過ごすため、NG習慣を見直していきましょう! 教えてくれるのは、鍼灸院「アキュサリュート高輪」の院長・瀬尾港二先生。イラストは、お笑いコンビ蛙亭の中野周平さんです。
腹八分目、実はそれでも食べすぎているかも!?
瀬尾 「腹八分目」とはよく言いますが、身体が消化しきれないので、実際には「六分目」くらいに留めておくのがいいでしょう。身体を労るには食べ過ぎないことも大切です。
特にイライラ食いはNGです。食べたいという気持ちが湧き上がっても、食べる前に「本当にお腹が空いているのか?」とよく考える習慣を。温度があまりにも熱かったり、辛みが強過ぎたり、刺激の強いものもなるべく控えましょう。
夏であっても冷たい飲み物は控えるように!
瀬尾 夏は冷房と外気の気温差や体温の差が大きく、急な変化に慣れていないため、冷たい飲み物が体調不良の引き金に。外が暑い日でも体内の温度差を生まないよう、冷たい飲み物は避けた方がいいです。夏に限らず、肺と脾を冷やしてしまわないよう、日頃から常温、温かい飲み物を飲むように心がけましょう。
また、夏バテという表現もありますが、夏のだるさは栄養不足ではなく、身体に余分な水分が溜まって重だるく感じているのが原因。あっさりしていて水を排出してくれる食べ物や飲み物を摂るようにしてみてください。
運動はやればいいってもんじゃない?
瀬尾 身体に良いとされる運動ですが、量と方法を大切に! 運動習慣のない人が急にマラソン始めたりすると、身体の使い方がうまくいかず、不均衡を増やしてしまうことで傷める可能性が高いのです。ランニングを始める際はトレーナーなどにフォームをチェックしてもらうことも重要です。
運動量は「自分の限界の10%」を目安にするのがおすすめ。例えば、100kmを歩ける人なら110km〜90km、1km歩ける人なら1100m〜900m。運動量が少ないと身体への効果が期待できませんが、それ以上になると過剰な負荷になってしまいます。一日中歩いてみて、足の痛みや筋肉痛が出るときはもう歩き過ぎている状態。運動不足もよくないですが、やり過ぎもNGなので気をつけましょう。
“身体にいいもの”が自分に合うとは限らない
瀬尾 万人にとって「身体にいいもの」はありません。その人自身の体質によっても違うし、季節によっても異なります。
判断方法として、「自分に合うもの」はおいしく感じることが多いです。世間的に「身体にいい」と謳われているものでも、「本当にいいのか?」と改めて考えてみましょう。栄養があるからと言って苦手なものを無理に食べなくてもいいのです。
季節の食材は、その季節に食べることが望ましいですが、今は季節に関わらず一年中なんでも手に入ります。だからこそ、食材の知識を持ち、身体に必要なものを選べるようになることが大切です。ただ暑がりの人は、冬でも身体を冷ましてくれるトマトを食べることができるなど、便利な時代でもありますね。
ついやりがちな4つの“NG習慣”、ぜひ一度見直してみてくださいね。
- 瀬尾港二
- アキュサリュート高輪院長
- 1960年宮崎生まれ。ICU理学科卒業後、北京中医学院(現北京中医薬大学)針灸推拿学部に入学。在学中から気功や武術の大家に師事。92年卒業。2010年にアキュサリュート高輪を開設。一般社団法人日本中医薬学会理事・事務局長、神奈川衛生学園専門学校非常勤講師、東京医科歯科大学非常勤講師。著書に「図解 よくわかる東洋医学―漢方薬・ツボ・食事、3つの養生法で治す」「家庭でできる漢方〈4〉不眠症―原因・タイプ別 眠れるからだに体質改善!」など。
2024.03.22 Fri