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学生時代のインターン経験



──デザイナーとしてのトムさんの人物像についてお話伺わせていただければと思います。まず、どのようなプロセスをもって現在このお仕事をされているのか教えてください。

ト●父の仕事の関係でアメリカのニュージャージー州で生まれました。米国籍のため、ミドルネームをトーマスといいます。1979年の4月11日生まれで、現在27才です。1歳半のときに大阪に戻ってから高校までをこちらで過ごし、その後またアメリカに戻って、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で工業デザインを学びました。卒業後、NIKEに就職し、現在3年目です。

卒展の時にNIKEのリクルーターが来ていて、その時に目に留めてもらったんです。声がかかり、そこで面接をして、その後に本社に来てくれと言われ、そこでまたとても偉いデザイナーの人と面接して、「OK。採用する」……というような感じでした。スポットが空いたからそこを埋めるみたいな感じで、同期はいないんですよ。僕ひとりです。


トム・ミナミ氏は生粋の日本人。日本人デザイナーは、NIKE社でも彼ただひとりという

トム・ミナミ氏は生粋の日本人。日本人デザイナーは、NIKE社でも彼ただひとりという


大学生のころから、インターンシップとしていろいろな企業で模型をつくったり、3DCG制作をしたりなど、プロダクトデザインに絡む仕事をしていました。そのほかフリーランスでもいろいろやっていました。フリーランスというのは、インターンとは別の期間限定型の職種ですね。プロジェクタや玩具のデザインなどをやっていました。アメリカの大学では、3年生ぐらいからインターンという形で企業で働き始めて、自分たちでお金を稼ぎ、卒業してそのまま仕事に就くことがけっこう多いんですね。

──入社する段階でかなりの経験があることになるのですね。

ト●そうですね。卒業する前から3年程度の経験があるというのがアメリカでは一般的です。また、大学の卒業生が会社を起こして、学生を引き抜いたりといったこともあります。プレゼンの時にも、プロが来てクリティーク(批評)してくれたり、学生がプロになるための支援をしてくれるのです。

──デザインを志した理由は?

ト●小さいころから作ることが好きでした。レゴを組み立てたり、ミニ四駆を改造したり、キン消し(キン肉マン消しゴム)を切ったりくっつけたりとか(笑)。でも、実はそもそも大学では映画の専攻だったんですよ。

ロングビーチはスティーブン・スピルバーグが在籍していた大学で、ほかにも『スター・ウォーズ』の5作目か6作目の時のキャラクターを作るというプロジェクトがハリウッドから大学へ依頼されて、生徒が作ったという実績もあるなど、映画関係で有名な学校だったんです。

僕は映画も好きでしたが、それ以上にCGが好きだったので、デザインに向いているのかなと思い、途中から専攻を変えました。大学が専攻を途中でどんどん変えられるので、そういうところがすごくいいんですよね、アメリカは。それから連鎖的に家具が好きになったり、玩具の仕事で水鉄砲を作って仕事場で遊んだりするのがおもしろくなったりと、プロダクトへ興味の対象がどんどん移っていきました。

──最初は違うところからのスタートというのがおもしろいですね。

ト●もうひとつ、小さいころはプロのサッカー選手になりたくて、高校までずっとサッカーをしていたんですけれど(注:当時、後の日本代表になる稲本選手との対戦経験もありとのこと)、「これは無理そうだ」というのが高校ぐらいでわかってきて(笑)。それで、米国籍を持っていたので大学はアメリカに行ってもなんとかなるんじゃないかと思って。その時英語は全然話せなかったんですけど、なんとかうまくいったという感じですね。

サッカーも好きで、靴もずっと好きだったので、NIKEからフットウェアデザインでスパイクのデザインをやれと言われたときは、「もう絶対行きます!」と二つ返事でした(笑)。


自らデザインした靴を履くトム氏。靴のデザインが好きでたまらないという気持ちがにじみ出ている

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