番外編 WPFとは何か?(2) | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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番外編 WPFとは何か?
~コンテンツ制作の新たな選択肢~


さて、「新時代のテクノロジー、WPF」から読んでいただいたみなさんには、WPFがそんなに難しいものではないことを、なんとなく理解してもらえたことと思います。ここでは、もう1歩踏み込んで、WPFの特長をクローズアップして説明していきます。

WPFの特長


WPFの大きな特長として、以下の点が挙げられます。

多彩なグラフィック処理

3Dオブジェクトやベクターデータを扱うことで、今まで以上によりリッチなコンテンツの制作が可能になります。3DCGに代表されるリッチコンテンツは、Flashの場合あくまで“3Dのように見せることで、擬似3DCGとして描画していた”ものであるため、WPFによって大きく変化する部分です。


WPFコンテンツ「Windows Vista Experience Site」
3DCGで精巧に表現された美術館の内部を、実際の建物を訪れたかのような感覚で観覧・探索できる。Windows Vista Web Showcaseにて近日公開予定

資生堂「美容ディクショナリー」
メーキャップ、スキンケアなど、美容についての有益な情報を掲載。スキンケアの効果的な洗顔やマッサージの方法を動画で紹介するなど、WPFの特性を生かすと同時に、ドキュメントの読みやすさなどにも配慮された構成に

各種マルチメディアコンテンツの統括的アクセス

通常ストリーミング再生される映像などは、“映像をそのまま表示すること”しかできませんでしたが、WPFを使うことにより映像を変形させるなどの加工処理が簡単にできるようになります。たとえば、球体の上に映像を映しこむといったことも容易になります。

GPUのフル活用

Flashの処理はCPUでのみ行っていますが、WPFの場合GPU(グラフィックボード)を使ったハードウエアレンダリングを可能しているため、PCに負荷をかけることなくより美しいグラフィックスを表現することができます。

そのため、今までありがちだった「フルFlashサイトを見ながら、PhotoshopとFlashで制作作業をしていると、PCが重い」といったようなケースが発生しにくくなります。

逆を言えば、WPFのグラフィックレンダリングにはGPUのスペックが重要になってくるため、現状では再生できるPCが限られます。

完全なるコードビハインドモデル(MVCモデル実現の容易性)

FlashではインターフェイスとActionScriptは一体になっており、UI部分をデザイナーが、ソースコードの部分をプログラマーがというように、完全分離して制作を進めることには難点がありました。

WPFの場合は、インターフェイスとプログラム部分は完全に切り離されているため、デザイナーとプログラマーとが連携しながら、別々に作業を進めるいった分業が容易な設計になっています。この部分は、詳しく後述します。

WindowsAPIの活用が可能

WPFの場合はOS上で単体動作するアプリケーションの開発も容易であるため、マイクロソフトが提供している各種API(Application Program Interfaceの略。簡単に表現すると、アプリケーションから利用できる共通のライブラリ集(プログラムの集り)といえる)の利用ができます。

デザイナーとプログラマーの“コラボレーション”が容易に


Flashの場合、Fireworksなどでデザイン化したものを素材単位で分割し、Flashライブラリに登録することで、初めて利用可能になります。その際、Flash上で再レイアウトすることも少なくありません。

しかしWPFの場合、インターフェイス部分はXAMLというマークアップ言語、ビハインド部分のスクリプトはC#やVB.netなどのマイクロソフト系言語でコーディングされます。このように完全にViewとControllerが分かれているため、1つのコンテンツをデザイナーとプログラマーが同時に制作することが可能です。

また、XAMLについても、マイクロソフトよりベクターデータやビットマップデータが包括的に扱える「Expression Design」というグラフィックツールがリリースされます。3月29日現在ではExpression Designは未発売ですが、多くのデザイナーのみなさんが今まで使ってきたIllustratorにプラグインを導入すれば、容易にベクターデータをXAMLに出力することができます。

WPFを用いることでデザイナーのイメージするデザインを、そのままコンテンツに反映しやすくなるといえるでしょう。

WPFがWebの未来に与える影響


最後にWPFについて、統括します。WPFを利用すると、従来のリッチコンテンツでは成し得なかった表現で、これまで以上のリッチなコンテンツの制作をすることが可能です。今まではFlashでしか実現できなかったコンテンツの制作に、WPFという新しい選択肢が加わったことで、よりクオリティーの高いコンテンツをリリースできる可能性が広がったといえます。

もちろん、「では、すべてをWPFで!」という、お話ではありません。クリエイターは、FlashとWPF、それぞれの特長や違いを理解した上で、制作するコンテンツに合わせたテクノロジーチョイスをしていく必要があるのです。


―了―
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