第2回 Phase1 ヒアリングはただ“聞くこと”ではない | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第2回 Phase1 ヒアリングはただ“聞くこと”ではない

2024.4.20 SAT

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Phase 1 ヒアリングはただ“聞くこと”ではない

ヒアリングとは
“引き出す”こと

Webディレクターとクライアントの関係はヒアリングから始まる。一般的に、ヒアリングは「発注者に対して要件を聞く行為」と認識されていることが多いが、実際のところ、それだけでは正確にヒアリングできたとはいえない。では、どのようにしてヒアリングを進めていくのか? まずはヒアリングの定義から確認しておこう。

Webディレクションにおけるヒアリングをひと言で説明するなら、「クライアントの要望を引き出す行為」といえる。たとえば、ヒアリングシートを用意して、そこに書かれていることをそのまま質問しても、クライアントの抱えている要件を十分に引き出せたことにはならない。そもそも“聞く”という行為は、あらかじめ明確な答えを持っている人にするものだ。ただ要件を聞くだけのヒアリングでは「Webサイトを立ち上げたいがどうしたらいいかわからない」、「どのポイントを押さえるべきか判断できない」、「プロに相談しながら進めたい」というWeb制作に不慣れな立場の人に対して不親切だ。まずは、クライアント目線のWebディレクションを心がけ、相手が言葉で表現しきれない頭の中のイメージや要望を“引き出す”ことを意識したうえで、最初のヒアリングに臨んでほしい【1】。


ひとつのWebサイトで
達成する目的はひとつ

ヒアリングで目指すゴールは、前回述べた“Web制作の大原則”の基本フローにおける「目的」を明確にすることだ。大抵のクライアントはWebサイトをつくろうとするとき、目的を絞り込めていないことが多い。

クライアントは、とにかくあらゆることをWebサイトに託して盛り込もうとしがちだ。しかし、ひとつのWebサイトに対して、ひとつの目的を達成する姿勢で取り組んでいかなければ、目的がひとつも達成できない無効果なWebサイトができてしまう可能性が高くなるので注意したい。また、ヒアリングできちんと目的を洗い出しておけば、あとからさまざまな要望が出てくるのをあらかじめ予測し、対処することができる。こういったことからヒアリングは、のちのちの制作フローにも大きく影響してくることがわかるだろう【2】。



【1】ただ聞くだけのヒアリングだと、明確でない表現が多く具体性に欠けるため、そのまま受け取っても制作に生かしにくい。より具体的で精度の高い情報を得るため、相手の中から引き出すヒアリングを心がける


【2】考えつく限りクライアントのやりたいことや要望を洗い出したうえで、Webサイトの目的をひとつに絞り込んでいくと、あとあと進行で混乱することがなくなる

[INDEX]
>>> Phase1 ヒアリングはただ“聞くこと”ではない
>>> Phase2 段階別のヒアリングポイント
>>> Phase3 クレームをチャンスに変える技術
>>> Phase4 サイト制作を円滑にするプロジェクトフロー


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