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第2回 Phase4 サイト制作を円滑にするプロジェクトフロー

2024.4.27 SAT

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Phase 4 サイト制作を円滑にするプロジェクトフロー

プロジェクトフローの
再確認

Web制作の現場を全面的に取り仕切るWebディレクターにとって、点在する不安要素をひとつひとつ解決して、現場を安定させていくことは大きなテーマとなる。これまでヒアリングとクレーム対応について述べたが、クライアントとの関係を円満にし、よりスムーズにWeb制作現場を仕切るうえで、ぜひ意識してもらいたいのが「プロジェクトフロー」への取り組みだ。

プロジェクトフローとは「プロジェクトの流れ」を意味するものだが、Web制作においては「Web制作案件の進行を先読みするもの」と言い換えられる。それぞれのWebディレクターの立場や状況によって異なると思うが、下図で読者自身のプロジェクトフローも一度再確認してほしい【3】【4】。

ここで押さえてもらいたいのは、プロジェクトフローを整備することで、案件の進行がスムーズになるということだ。実際に自分自身の扱うプロジェクトフローを書き出してみて、その流れに違和感があれば、制作現場での進行にも支障が出るかもしれない。プロジェクトによっては、前半の企画から設計に至る部分で、プロデューサー、営業担当者、エージェントなどの第三者による別の進行が入るケースも出てくる。案件にかかわる人すべてに、プロジェクトフローを共有してもらうことで、効率的なWebディレクションが行える。現場にもたらされるのは、ちょっとした意識の違いだが、それでも大きな変化を生むことができるはずだ。

プロジェクトフローの共有は
何をもたらす?

プロジェクトフロー、それをさらに細かく落とし込んだ「ワークフロー」、「作業タスク」などは、案件の先行きを予測するための最高のツールになる。Webサイト制作においてよく見受けられる、行き当たりばったりの進行は、その場しのぎの非効率なディレクションの典型といえる。制作側と発注側の双方で、プロジェクトフローを共有しながら進めていけば、Web制作に不慣れなクライアントでも事前に準備しやすく、意見や要望を後回しにすることなく、ベストなタイミングでの指摘もできるようになる。さらに、クライアントに制作者側の都合を最大限に理解してもらうための効果的な手段にもなる。プロジェクトフローの導入と整備によってWeb制作の流れを「可視化」することは、制作者と発注者の溝を埋めるための有効な懸け橋となる。


【3】読者自身もぜひ一度このプロジェクトフローを再確認して、Web制作案件の進行状況を先読みしてほしい


【4】プロジェクトフローが決定しており、クライアントとの共有ができていると、事前に予測、準備して取り組める。進行管理がスムーズになる利点がある

Column  Webディレクターのアイデアを広げるワンポイントコラム
【ヒアリングシートの落とし穴】
ヒアリングシートはヒアリングを効率的に進める目的で利用される。しかし、そこには落とし穴がある。ヒアリングシートとは、ある一定の案件を対象に、個々のWebディレクターのスキルに依存せず、スムーズにヒアリングを行うためのフォーマットだ。つまり、クライアントのために用意されたものではなく、あくまでWebディレクター側の都合によって使用されるものとして理解しておきたい。Web制作案件は、毎回クライアントの状態も異なれば、内容も目指す方向も異なるので、ひとつのフォーマットですべてをカバーすることは難しい。また、それがプロジェクトごとにふさわしい十分なヒアリングにつながるとは言い難い。項目が埋めつくされたとしても、たとえばクライアントが言葉では説明できないニュアンスや雰囲気など、見えない部分に必要な情報や要件が含まれているかもしれないのだ。ヒアリングシートに頼りきったヒアリングにはしないよう心がけよう。


[INDEX]
>>> Phase1 ヒアリングはただ“聞くこと”ではない
>>> Phase2 段階別のヒアリングポイント
>>> Phase3 クレームをチャンスに変える技術
>>> Phase4 サイト制作を円滑にするプロジェクトフロー


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