BRUSH-STROKE 松本零士×MdN Design Interactiveインタビュー 第3話 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

BRUSH-STROKE 松本零士×MdN Design Interactiveインタビュー 第3話

2024.4.27 SAT

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BRUSH STROKE

ワコム初のWebマガジン「BRUSH-STROKE」が創刊された。そのコンセプトは「その先の自分へ。」。そこで特別企画として松本零士氏にインタビューを敢行。描き始めたとき、表現者の目には何が見えているのか? 描くことを通して、作品を創造する葛藤や苦悩を伺った。



第3話 平面から立体に至るまで、現代は最大の変遷期


―今後、たとえば10年、20年先、創作の環境はどのように変わっていくと思いますか?

現在のメディアをめぐるさまざまな問題にも関心の高い松本氏
現在のメディアをめぐるさまざまな問題にも関心の高い松本氏

松本●今は猛烈な変遷期なんですよ。表現形態も、発表の場も、技術的にも。平面から立体に至るまで、歴史上、最大の変遷期です。だから、これを見極める必要がありますね。どういう媒体で作品を発表できる世界が生じるか。とはいえ、絵というのはあくまでも人が描くもんですからね。だからアナログの部分とデジタルの二手に分かれるでしょうね。それから媒体も、平面媒体と電子媒体の二手に分かれていくであろうと思います。既にハリウッド映画にしろ何にしろ、どこまでが実写でどこまでがCG 処理、コンピュータ処理なのかわからないでしょう。でも、この時代の大変遷期にトライする若者たちは、私はある意味でハッピーだと思う。この変わり目にトライするんだから、自分の世界をそこで構築すればいい。そこに対応できる作風を確立すればいいんです。

「じゃあ、どんなものを?」と言われても困るわけですがね。それは各人がそれぞれ違うわけですから。我々の時代は、雑誌の変遷――月刊誌から少年誌、少女誌に分かれ、それから今度は週刊誌に分かれ、週刊誌から青年誌という漫画ジャンルに分かれ、さらにアニメーションに分かれていったわけです。アニメーションは、映画館用の劇場用アニメとテレビ用のアニメのふたつの道に分かれていった。私は、それを全部体験してきています。


―松本先生のこれまでの長いキャリアの中で、転機、ターニングポイントと感じられたことを教えてください。

松本氏の膨大なコレクションのひとつ、隕石のかけら
松本氏の膨大なコレクションのひとつ、隕石のかけら
松本●まず第一は、質屋に荷物を全部入れてお金を工面して、トランクひとつ持って汽車に乗ったとき。まだ九州から東京までSLで24時間かかった時代でね。自分は二度と生きて帰れんかもしれんと思って、覚悟を決めて旅立ったわけですから……。やっぱりあの青年の日の、旅立ちの瞬間——家の前が駅でしたから、弟ふたりが家の前に立って手を振ってくれてね。それで東京に着いたら、まず最初に修学旅行のときに来た二重橋の袂のところにある柳の木の前に行ってね、「ほら、俺は来たぞ」とその木に触りました。修学旅行で来たときに、その木に向かって「俺はまた必ず来るぞ」と言って触って帰ったもんですからね。それから1年ちょっとで東京へ来たという……それを終えて出版社に行ったんです。そして、本郷三丁目の下宿生活がはじまるわけです。


[記事リンク]
>>> 第1話 創作には、能力を培う時間が必要です
>>> 第2話 自分の両目で“見る”ことが何よりも大切
>>> 第3話 平面から立体に至るまで、現代は最大の変遷期
>>> 第4話 人間みな自由。 自分の生涯は自分が作る


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