BRUSH-STROKE 松本零士×MdN Design Interactiveインタビュー 第1話 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

BRUSH-STROKE 松本零士×MdN Design Interactiveインタビュー 第1話

2019.2.24 SUN

BRUSH STROKE

ワコム初のWebマガジン「BRUSH-STROKE」が創刊された。そのコンセプトは「その先の自分へ。」。そこで特別企画として松本零士氏にインタビューを敢行。描き始めたとき、表現者の目には何が見えているのか? 描くことを通して、作品を創造する葛藤や苦悩を伺った。


 松本零士×MdN Design Interactive スペシャルインタビュー                                       
松本零士氏 描くことを通して
松本零士氏が語る
モノづくりへの信念


2013年には画業60周年を迎える作家の松本零士氏。『銀河鉄道999』や『宇宙海賊キャプテンハーロック』などで、日本の漫画界はもとより、世界のSF漫画、そしてアニメーション界に大きな影響を及ぼしてきた存在である。今回は松本氏の創作の原点である「描くこと」と、それに生きるクリエイターとしての心構えを中心にお話を伺った。

取材・文:草野恵子 写真:谷本 夏




第1話 創作には、能力を培う時間が必要です


―松本先生は15歳のときに「漫画少年」第一回長編漫画新人王賞を受賞され、その後、身ひとつで上京し、来年には画業60周年を迎えられます。今回は先生の長いキャリアで経験されてきた、創作にまつわるさまざまなお話を伺いたいと思います。

松本零士氏松本●創作のためには、幼少の頃からの自分の描く能力を培う時間が必要です。いきなりは描けません。私が最初に漫画を描いたのは6歳、昭和19年の時です。戦争中ではありましたけれども、家には父親の趣味で35ミリの映写機がありましてね。うちの父親は陸軍で、ちょうどその頃はフィリピンのネグロス島でアメリカと空中戦でやり合ってましたが、一方、我々は兵庫県明石から母の実家のある愛媛に疎開をして、よく『ミッキーマウス』やら『ポパイ』やらのアメリカのアニメーション映画を兄とよく観ていましたね。手塚治虫さんは僕よりも10歳上ですが、同じように映写機が家にあって、やはりアニメーションを観ていたそうですよ。


―戦争中にアメリカの映画をご覧になっていたとは、驚きです。

松本●いやいや、子どもが観るアニメーションなんて、誰も何も言いませんよ。明石ではね、5歳のとき、幼稚園の休みの日に姉に連れられて『くもとちゅうりっぷ』という日本のアニメーション映画を映画館に観に行ったのですが、なんと同じ日に手塚さんも観に来ていたということが、ふたりで話していたときに判明しました。というのは、その映画は1週間しかやっていなくて、手塚さんも日曜日に行ったと。同じ日、同じ場所、同じ時間にアニメ映画を一緒に観ていたことになります。なぜなら、手塚さんは映画館に入ったら一日出てこないタイプですからね。ごく近くで一緒にスクリーンをみつめていたという……本当に、不思議な不思議なご縁でね。


―それはもう、日本漫画界の奇跡としか言いようがない話ですね。

応接室の壁紙には、月面から見た宇宙、地球が広がる。松本氏の背後にあるのは月面だ
応接室の壁紙には、月面から見た宇宙、地球が広がる。松本氏の背後にあるのは月面だ
松本●そんなことがあったりして、私が最初に描いた漫画は『潜水艦13号』というもので、6歳のときのこと。なぜ「13号」かというと、昭和13年生まれだから(笑)。それを描いて、そのあと終戦のどさくさがあって、小学校3年生の時に疎開先から九州の小倉に移ったんですね。小倉という街は書店が多いし、映画館が31館もあって、とにかく文化的に栄えていました。アメリカ映画もたくさん封切って、要するに、戦後の亡国のるつぼの中にいたわけです。しかしながら、そこでいろいろな文化に触れることができましたね。映画も名だたるものは全部観ていますよ。日本映画はもちろん、アメリカ映画、フランス映画、当時のソビエト映画、イタリア映画、ドイツ映画……何でも。『風とともに去りぬ』とかね。よく覚えていますよ、スカーレット・オハラが大根をかじって「I'll never be hungry again.(私は二度と飢えません)」って言うでしょ。あれはカッコ良かったね。


[記事リンク]
>>> 第1話 創作には、能力を培う時間が必要です
>>> 第2話 自分の両目で“見る”ことが何よりも大切
>>> 第3話 平面から立体に至るまで、現代は最大の変遷期
>>> 第4話 人間みな自由。 自分の生涯は自分が作る


BRUSH-STROKEマガジンとはトップクリエーターの軌跡に迫るWEBマガジン
BRUSH-STROKE
http://intuos.wacom.jp/brush-stroke/


「その先の自分へ。」

まだ見ぬものを求めて旅に出る。始まりに、終わりを夢見る者はいない。目的はたどり着くことか、それとも旅そのものか。

ものづくりを、頂上のない山登りにたとえる人がいる。

濃くなっていく霧の中で、彼の足跡(ストローク)が、ひとつのかたちをつくりだしていく。

だれかの夢に出てきたように、ものづくりを、木の中に潜む仏像を救い出すことにたとえる人もいる。

確信に満ちた手の軌跡(ストローク)が、見事な像をつくりだす。

描き始めたとき、表現者の目には何が見えているのか? 描いているとき、その手は何を描いているのか?

産み出されたものだけが、表現者の闘いを知っている。

ものづくりはひとつの奇跡である。

表現者たちは筆をとる。その軌跡が新たななにかを、そして新たな自分をつくりだす。昨日とは違う自分を、まだ見ぬ自分を、その先の自分を。

Intuos、Cintiqなど、ペンタブレットの分野で表現者たちに併走してきたワコムが、WEBマガジン『BRUSH-STROKE』を刊行する。

様々なクリエイション、そのコアにあるものを描き出すこと。

この『BRUSH-STROKE』は表現者たちの軌跡を追ってみたい。これはその軌跡が奇跡であることの、貴重なドキュメントである。

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