ITライター・山口真弘の気になるグッズラボ
ワンタップで外界の音をオン・オフできるイヤホンで、オフィスの作業も快適に!~Nuheara「iQbuds」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
Appleの「AirPods」をきっかけに1~2年前からブームとなっているのが、一般的に完全ワイヤレスイヤホンと呼ばれる、左右のピースが独立したイヤホンです。
これらはスマホとの間をつなぐケーブルだけでなく、左右のピースをつなぐケーブルもないため、歩いている間もケーブルが擦れ合う音もせず、たいへん快適です。また耳栓に近い形状のカナル型だと、激しく動いても抜け落ちることもなく、かなりの没入感が得られます。
もっとも実際に使ってみると、不便な点もあります。中でも、外の音を聴く時に、ケーブルがないために一時的に耳から外して肩にかけておけないのは、立ち寄ったスーパーやコンビニのレジで店員さんと会話する時などに少々面倒です。特に遮音性能の高いカナル型はこの問題が顕著で、外したピースを一時的にポケットに入れるのか、あるいはしばらく手に持っておくのか、毎回悩むことになります。
こうした心配が一切不要なのが、オーストラリアNuheara(ニューヒエラ)社の「iQbuds」です。見た目はややゴツい完全ワイヤレスイヤホンですが、ほかの製品にはないユニークな特徴をいくつも備えています。
つまり耳を開放して外界の音を聞こえさせているのではなく、マイクを通じて入ってくる音を選り分け、必要な音は電気的に増幅させているわけです。補聴器と同じですね。事実、この製品は海外では補聴器の一種として販売されているケースもあるそうで、ナルホドと納得させられます。
面白いのは、レストラン以外にもオフィス、車、飛行機といったロケーションごとにこうしたプリセットが用意されており、周囲の環境に合わせてアプリの側で切り替えられることです。これならば、立ち寄ったスーパーやコンビニで店員さんと会話する場合も、イヤホンを外す必要自体がないというわけです。
またこれとは別に、外界の音を完全にカットする機能も備えていますので、オフィスで作業に集中したい場合などにもぴったりです。本体をタップするたびに、外界の音がオンになったり、オフになったりするのは、ちょっとしたカルチャーショックです。
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2018.07.17 Tue