外出先でワイヤレス充電!
3ポート+Qi充電器まで搭載した大容量モバイルバッテリー
TEXT:山口真弘(ITライター)
今回紹介するのは、公称24,000mAhの大容量モバイルバッテリーに、Qi規格のワイヤレス充電器を合体させた製品です。本体には3つのUSBポートを搭載し、有線での充電が行えることに加えて、Qi規格に対応したスマホ、例えばiPhone XsやiPhone Xs Maxなどを本体の天板部に置くことで、ワイヤレスでの充電も行えるという製品です。Amazonのセールでたびたび販売されているので、黒とオレンジの特徴的なツートンカラーに見覚えがある人も多いかもしれません。
サイズはiPhone Xs Maxと同等。上部に残量表示を行うLCDを、中央にQi充電器を搭載します
USB×3ポートを搭載。上部のQiと合わせて合計4台の機器を同時に充電できます
iPhone XsやiPhone Xs MaxなどQi対応のスマホを天板部に置くことでワイヤレス充電できます
充電中。iPhone Xs Maxとはフットプリントが同等なのでLCDが完全に隠れるのが玉にキズ
ワイヤレス充電が威力を発揮するのは、後者のパターンです。スマホとモバイルバッテリーをケーブルでつなぐことなく、両者を重ねるだけで充電が行えますので、充電中にメモを取ったり写真を撮ったりと、途中でたびたびスマホを使わざるを得ない場合も、そのたびにケーブルを抜き挿しする必要がありません。「なぜモバイルバッテリーでわざわざワイヤレス充電?」と思うかもしれませんが、こうした用途では実に重宝します。外食中に料理の撮影と充電を交互に行うような用途にはぴったりです。
その一方で、ワイヤレス充電は位置がずれると給電がストップしてしまいますので、前者のように、移動しながらバッグの中で充電するという使い方には向きません。本製品は有線での充電にも対応しますので、こうした場合はワイヤレスではなくケーブル接続で利用することになります。本製品は3つのUSBポートを搭載しており、そのいずれも最大5V/2.4Aに対応しているので、iPhoneはもちろん、iPadなどのタブレットにも余裕で対応できます。
有線で充電中。ちなみに充電速度はこちらのほうがQi経由よりも1.5倍ほど高速です
充電中は、Qiだと「out1」、有線はどのポートも「out2」と表示されます
ちなみに本製品は、iPhone Xs Maxとほぼ同じフットプリントで設計されており、細かい位置合わせをしなくとも重ねるだけで充電が行える設計なのですが、その状態ではこのLCDが見えなくなってしまいます。これはこれで悪くないのですが、どちらかというとボディがひとまわり小さい、iPhone Xsなどと組み合わせたほうが、LCDでステータスを確認しながら充電を行うという意味で、相性はよいのかもしれません。
中国製バッテリーによくある、残量50%を切ると減りが速くなる現象は本製品でも見られます
スマホを置いたりケーブルを繋ぐだけでは充電が始まらず、側面ボタンを押す必要があります
iPhone Xs Maxを2~3cm程ずらした状態。まだワイヤレス充電が続いています
もう2~3cmずらすと充電が停止しました。LCDが完全に見える位置だとキケンなようです
接点さえ合っていればこのように向きを変えてもワイヤレス充電は継続できます
この場合も、位置がずれて接点が合わなくなるとワイヤレス充電がストップします
本製品はLightningケーブルでの充電に対応しますので、本製品からiPhone/iPadへの有線での充電も、本製品自体の充電も、Lightningケーブルが1本あればまかなえてしまいます。その点でも、本製品はiPhoneをはじめiOSデバイスを複数持ち歩くユーザに向いた製品と言えます。
ネックとなるのは、本体が重く、また滑りやすいことです。底面にはゴム足などがないため、デスクやテーブルの上に安定して置くためには、市販のゴム足を自分で取り付けるか、モバイルバッテリーやポータブルHDD向けに市販されているシリコン製のジャケットをかぶせるなど、何らかの方法を考える必要があります。自分で加工すれば済むとは言え、できれば製品側で対処しておいてほしかったところです。
Lightningケーブルでモバイルバッテリー自体を充電できるのはiPhoneユーザには大きな利点
底面。プラスチック素材のままで、脚はなく滑りやすいので何らかの対処が必要です
今回試しに、iPhone Xs Maxの電池残量を20%まで減らしたのち満充電するテストを繰り返し行ったところ、ワイヤレス充電だと2.5回、有線による充電だと3.3回ほどの充電が可能でした。iPhone Xs Maxのバッテリー容量は3,174mAhとされているので、前述の変換ロスを考慮すると5回はフル充電できないと前述の公称値と釣り合わず、実質15,000mAh程度とみなしたほうがよさそうです。今回、同じ方法でテストしたAnker製の10,000mAhのモバイルバッテリーが2.2回充電できたのと比べても“盛って”いる印象です。
iPhone Xs Maxとの厚みの比較。かなりのボリュームがあることがわかります
厚み8mmまでであればケースを装着したまま充電できます。これはTPUケースを付けて充電中
そうした意味で、公称値から多少差し引く点はあるにせよ、特性をひととおり把握しておけば、トータルではお買い得な製品と言えます。初期不良の可能性を含め、購入後はすみやかにチェックを行うというモバイルバッテリー購入時に不可欠な“儀式”さえ怠らなければ、よい買い物になりうるのではないでしょうか。

山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2018.10.30 Tue