これからは2個セットが常識? 外回りが多い人向けのモバイルバッテリー~Mangata Cases「ORBIT」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
モバイルバッテリーを使っていてよく起こるのが、外出先から戻ってきて次に出掛けるまでの間に、モバイルバッテリーの充電が完了しないというパターンです。特に営業などの外回りで、昼間いったんオフィスに戻り、少し事務処理をしたのちすぐ次のアポイントに出掛ける、という行動サイクルの人は、こうしたケースが多いのではないでしょうか。
このような場合の対策としては、丸一日充電をしなくて済むだけの大容量モバイルバッテリーを持ち歩く手が考えられますが、そのぶん荷物が重くなってしまうのが欠点です。また、容量が大きいとそのぶん充電時間は長くなってしまうので、うっかり充電を忘れたまま朝を迎えてしまうと、その日は終日モバイルバッテリーなしで外出せざるを得なくなったりと、なにかとリスクがあります。
こうした場合に便利なのが、今回紹介するMangata Casesの「ORBIT」なるモバイルバッテリーです。「デュアルパワーバンクステーション」という名前がつけられたこの製品は、2つのモバイルバッテリーを交互に使うことを前提に設計されたコンポーネントで、ひとつの充電台(パワーステーション)に2つのモバイルバッテリー(パワーバンク)を立てられる構造になっています。
これならば、外出先から戻ったら一方のモバイルバッテリーを充電台に立て、もう一方のモバイルバッテリーを持って出掛ける、といった具合に交互に使うようにすれば、次の外出時刻ギリギリまで粘って充電を行う必要もなく、スムーズな運用が可能になるというわけです。
毎日使うものだけに、こうしたちょっとした手間が省略できることは、トータルで見るとかなりのプラスになります。購入者の声を見ていると、むしろ2個を交互に使えるという特徴よりも、こちらの使い勝手について評価している人も少なくないようです。
ちなみに、モバイルバッテリーへの充電はこの充電台でしか行えないわけではなく、microUSBケーブルを使っての充電にも対応していますので、充電台がない外出先や自宅などで、コンセントから充電することも可能です。このあたりも抜かりはありません。
iPhone Xs Maxのバッテリー容量は3,174mAhとされているので、変換ロスを考慮すると、容量はおおむね公称値通りか、微妙に少ないかで、大幅におかしいことはないようです。なお重量は126gということで、こちらは可もなく不可もなく、といったところです。
そもそもモバイルバッテリーは、毎回ケーブルをつないで充電するという行為自体、なにかと面倒なものです。今回は交互に使うことに的を絞って紹介していますが、もっとシンプルに「置くだけ充電」が可能なモバイルバッテリーだと割り切り、本製品をリビングに設置し、家族が外出する際に気軽に持ち出せるようにする……といった用途にも役立ちそうです。
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2018.11.20 Tue