スイッチオンですぐ暖かい、モバイルバッテリーとしても使えるUSB充電式の電子カイロ~OCOOPA 電子カイロ「ZLS-118S」
TEXT:山口真弘(ITライター)
寒い冬場に、自動販売機で暖かい缶ジュースを買い、カイロ代わりにコートのポケットに突っ込んで暖を取った経験がある人は多いはずです。今回紹介するUSB充電式の電子カイロは、この「暖かい缶ジュースをポケットに入れて温まる」と近い感覚で使える、寒い冬場の外出でたいへん重宝する製品です。
このジャンルの製品は、Amazonなどの通販サイトではさまざまな種類が販売されており、価格も3千円前後と手頃ですが、モノがモノだけに品質面や使い勝手は気になるところ。今回はAmazonでベストセラー1位を何度も獲得しているOCOOPAの製品を購入し、2週間ほど試用してみました。
電源を入れてから、温かさを感じるようになるまではほんの数秒程度で、温度の段階を変更した時もすみやかに切り替わるほか、電源を切った場合もかなり速いスピードで冷えます。化学反応で発熱する使い捨てカイロにはない特徴です。現在の温度はLEDの点灯数で見分けることができます。
また、本製品の最大の特徴が、USBで充電できることです。本製品にはUSB Type-Cポートが搭載されており、PCやコンセント、モバイルバッテリーからのの充電が行なえます。これにより、使い捨てではなく、繰り返し利用できるというわけです。ちなみに製品ページによると、モバイルバッテリーとほぼ等しい、約500回の繰り返し利用が可能とされています。
気になるのが駆動時間ですが、実際に測ってみたところ、「弱」の場合、約9時間を超えたところで電源が自動的にオフになりました。バッテリーが残っている状態で電源が自動的に切れる機能はないので、出勤時に使ったあと電源をオフにするのを忘れると、帰宅する頃には放電しきって使えない可能性があります。もし寒空の下で終日使い続けるような用途ならば、もう少し寿命の長い製品を探すか、あるいは2個購入してローテーションで使うほうがよいかもしれません。
搭載された3つのLEDは、USBカイロとして使う場合は赤色に、モバイルバッテリーとして使う場合は青色に点灯します。前者は温度の段階表示、後者はバッテリーの残量表示と、合理的なギミックです。視認性も悪くありません。
なお本製品に搭載されているUSBポートは、よくあるmicroBではなく、最新のスマホを中心に普及しつつあるUSB Type-Cとなっています。付属のケーブルもこれに合わせて、USB Type-Cのショートケーブルが用意されており、PC等からの充電が可能になっています。持ち歩いているスマホやタブレットの充電端子がUSB Type-Cであれば、ケーブルを使い回すことも可能でしょう。
こうした製品は品質面が気になるところですが、今回約2週間程度使った限りでは、挙動におかしなところはなく、またボディの成形もしっかりとしており、問題はないように感じられました。できれば一定時間使っていないと自動的に電源がオフになるギミックなどがほしいところですが、いかんせん3千円を切るリーズナブルさは本製品の武器であり(同型品が多い故の競争の結果でしょうが)、あまり高望みして価格が上がるよりはいいのかもしれません。
本体カラーは、今回紹介しているブルーのほかに、ピンク、ブラックとラインナップされており、贈り物として使うための無地のギフトカードが同梱されているのも面白いところです。
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2018.12.26 Wed