一体化デザインが美しい、新しいiPadでUSBやHDMI、イヤホンジャックを使えるオールインワンハブ~Satechi「ST-TCMPHS」
TEXT:山口真弘(ITライター)
2018年に発売された新しいiPad Proは、それまでのLightningコネクタに代えてUSB Type-Cコネクタを採用したことで、USB Type-Cのさまざまな周辺機器を利用可能になりました。これはこれでたいへん便利なのですが、せっかくであればUSB Type-Cの製品に限らず、従来のレガシーな周辺機器も使いたいところです。
こうした場合は、USB Type-Cのハブを使うのが一般的ですが、iPad Proとともに持ち歩くには、あまり大柄な製品は好ましくありません、今回紹介するSatechiの製品であれば、iPad Proとほぼ一体化した形で、あちこちに持ち歩くことができます。
続いては3.5mmジャック。新しいiPad Proは旧来のイヤホンジャックが廃止されており、有線で音楽を聴くためにはUSB Type-C変換アダプタを介する必要がありますが、それだと充電しながらの音楽再生が行えません。本製品であれば、USB Type-Cポートを使っての充電を行いながら、3.5mmジャックに対応した市販のイヤホンやヘッドホンを利用できます。
試した限りでは、少々音が大きすぎるきらいがあるのですが、前述のHDMIと組み合わせて、動画の映像はHDMI経由で大画面テレビに出力し、音声はイヤホンジャックで聴くという組み合わせも可能です。
さらに本製品は、USB 3.0対応のUSB Type-Aポートも搭載しています。ここには旧来のUSB規格のさまざまな周辺機器を接続できます。例えばキーボードを接続して、有線でのテキスト入力を行うのもお手の物です。普通の有線キーボードが、そのままiPad Proでの文字入力に使えるというのは面白いところです。
またカードリーダーを接続して、デジカメで撮影した画像をiPad Proに取り込むこともできます。今回は試していませんが、カメラと直結しての画像転送にも対応するようで、撮影済みの大量の画像をiPad Proに移し替えたい場合には重宝するでしょう。
一方でこのUSB Type-Aポートは、いくつか機能制限もあります。例えば、外付けハードディスクをつないでデータを読み書きすることができません。これは本製品側ではなくiPad Proの制限によるものです。
またUSBメモリも、内部の画像をiPad Pro側で表示できるはずなのですが、筆者手持ちのUSBメモリを数種類ほど試した限りでは、サポートしない旨が表示されたり、または「アルバム」アプリは起動するものの取り込みが行えなかったりと、製品によって挙動がバラバラです。
筆者の知る限り、これは本製品以外の同等製品でも見られる問題で、iPad Pro側、ハブ側それぞれの相性によって発生するため、うまく動作するか否かは、かなり運試しに近いところがあります。基本的に、ストレージ系はあまり期待しないほうがよさそうです。
もっともこれならば、USB Type-Cとイヤホンジャックを残した上で、HDMIをHDMI-microに変更し、さらにカードリーダーを追加した、iPad Proと同じ厚みにこだわった製品も見てみたいところ。同社はUSB Type-C接続のカードリーダーも発売しているので、あり得ない話ではありません。このあたりは次期モデルに期待、といったところでしょうか。
実売価格:6,200円
発売元:Satechi
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B07K6W853B/
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2019.01.29 Tue