夏の新たな定番になるかも? 首掛けで使えるハンズフリー扇風機が超便利!~LAPOO「ハンズフリーポータブル扇風機」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
暑い時に手軽に涼むツールとして、これからの時期に欠かせない扇風機ですが、持ち歩きができないことは、実はちょっとしたネックだと言えます。
例えば自宅内であれば、自分の部屋からリビングへ、またキッチンや洗面所、トイレへとあちこち移動するでしょうし、オフィスにしても事務所から倉庫へ、工場へと、終日同じところにとどまるのではなく、一日中移動し続けている人も多いことでしょう。
こうした時、しばらく涼みたいからという理由で、扇風機やエアコンのある場所にしばらく足止めされるのは、よく考えると非効率的です。もちろん、うちわや扇子を使っても構いませんが、それらを使おうとすると手がふさがってしまい、作業が滞ってしまうという問題が生じます。
そんな問題を解決してくれるのにぴったりのツールが、今回紹介するハンズフリー扇風機です。
ファンが取り付けられたアーム(写真の赤い部分)は、自由に可動させられます。最適な角度から顔や胸元に風を当てられるのはもちろん、ファンを反対方向にねじって、手元に風を送り続けることもできます。半田ごてを使う人が半田の煙を吸い込まないようにする用途や、あるいは猫舌の人が料理を冷ましながら食べるような用途にも、効果がありそうです。
風量は3段階で調節できます。7枚羽根ということで風量はかなり強力で、しばらく使った限りでは、よほどのことがない限り、3段階でもっとも弱い「微」以外で使うことはまずないように思えます。むしろその下にもう1段階欲しいと感じるほどです。
重量は180gと、1800mAhのバッテリーに加えて2つのファンを搭載している割にはかなり軽量です。もし重心が手前のファン側に寄っていると、たとえ180gとはいえ少々厳しいのですが、実際には首の後ろ寄りに重心が寄っているため、長時間装着していても負担にはなりません。
評価が分かれるとすればファン音でしょう。あまり径が大きくないファンの回転数を上げて強い風を送っているため、モーター音はそれほどでないものの、ファンの風切り音はそこそこ大きめです。周囲の音が聞こえなくなるほどではないのですが、「強」まで風量を上げると、周りにいる人にとっても気になるはずです。共有スペースで利用する場合、多少の配慮は必要でしょう。
見た目については個人が気にしなければ構わないのですが、真面目に気をつけたいのは、首から近い距離でファンを回す構造上、髪の毛を巻き込みかねないことです。首までかかるほどの髪の長さだと、あらかじめ髪をくくっておくなど、対策を取っておくべきでしょう。
ちなみに本製品には、用途がどこにも明記されていない謎のゴムバンドが同梱されているのですが、どうやらこれを使って髪の毛をくくるべし、ということのようです。
今回筆者が購入した製品も、いかにも安物といったプラスチックのボディでお世辞にも高級感はなく(パッケージと説明書で型番が違っていたりとやや不安を感じさせる箇所もあります)、耐久性についても不明ですが、それでも1年保証はついているので、ワンシーズンは問題なく使えるはずです。一般的なUSB扇風機でもワンシーズンの利用を前提としている製品が多いことを考えると、そこは妥当なのかなという気がします。
うちわや扇子を使うとどうしても手が塞がってしまいますが、本製品ではそのようなことがないため、それだけの時間を作業に充てることができ、効率がアップすることは間違いありません。このハンズフリー扇風機というジャンル、今回紹介した製品に限らず、注目しておいてよいのではないでしょうか。
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2019.06.04 Tue