大ヒットも納得! 厚さわずか3mm、貼り付けて持ち歩けるノートPCスタンド「MOFT」
TEXT:山口真弘(ITライター)
一見しただけでは本当に便利なのかどうか首をひねるものの、実際に使ってみると手放せなくなるのが、ノートPCのスタンドです。
画面の位置が高くなることで首を曲げずに済むようになり、打鍵時の姿勢が安定するほか、奥行きが狭いテーブルやデスクでも、ノートPCを設置しやすくなります。手首が上方向に折れ曲がって打鍵しづらくなるように見えて、実際にはかえって入力しやすくなるのも、想像に反していて面白いところです。
そんなノートPCのスタンドですが、最大のネックは何といっても、持ち運びが不便なことです。そのウィークポイントを解消した画期的なノートPCスタンドが、今回紹介する「MOFT」です。
重量はわずか89g。今回紹介しているシルバー以外にも複数のカラーがあります
裏面。フィルムをはがして粘着面をノートPCの底面に密着させます
組み上げるといっても、実際には縁の部分を指で押さえてノートPCを手前に引き上げるだけで、ほぼ自動的に立体構造へと変身しますので、ノートPCをひっくり返して、パズルを解くかのように組み立てる手間はかかりません。慣れれば2~3秒程度でできるようになります。
本体はポリウレタンとガラス繊維でできています。見た目はビニール素材にも見えますが、意外な強度があることに加えて、折り曲げ方がよく考えられており、打鍵時もかなりの安定感があります。メーカーによると8.6kgまで支えられるとのことで、本体重量3kg前後の据置型ノートPCにも十分に対応します。
ノートPCに貼った状態。厚み3mmなので貼ったままでも利用に支障ありません
引っ張り上げると折り目に沿って展開し自動的にスタンドの形状になります
使用中の状態。見た目からは想像もつかないくらいの安定性があります
背後から見た状態。折り方によって角度は2種類から選べます。これは「高」の状態
なおメーカーの説明では、約200回の再貼付が可能であるとのことですが、粘着面はかなり強力で、ひんぱんな着脱には向きません。剥がした時にノリが残るわけではないので、貼り直し自体に支障はないのですが、実際にはいちど位置を決めてしまえば、そのまま剥がさずに継続利用することになるでしょう。
なお、膝の上での利用も試してみましたが、これは残念ながら不向きです。というのも、本製品は折り曲げた面全体でノートPCを支える構造なので、左右の足の間が浮く状態だと安定しないからです。ノートPCと同等面積のパネルを膝の上に置き、その上に乗せるようにすれば、この問題は回避できます。
角度「高」の状態。おおむね30度程度といったところでしょうか
角度「低」の状態。折り方が「高」とは異なります。角度は約15度
注意したいのは、角度「低」の状態では、「高」の状態よりもノートPCの重心が後ろ寄りになるため、貼り付け位置が手前すぎると、ノートPCを開いた時に背後に倒れやすくなることです。なるべく後ろ寄りに貼るのがコツといえるでしょう。
もうひとつ、ノートPCの底面に貼り付ける際、ノートPC本体の吸気口を塞いでしまわないかも、気をつけるべきでしょう。多少被る程度ならまだしも、全体を塞いでしまうと、ボディ内部のエアフローが悪くなり、ノートPCの故障につながりかねません。ノートPCの底面中央に、「170×224mm」という貼り付け面積を確保できるかどうか、購入前にチェックしておくことをおすすめします。
貼り付けた時に、ノートPC底面にある吸気口(もしくは排気口)の全体を覆ってしまわないよう、特にそうした構造が多用されるWindows PCでは注意が必要です

山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn