車内だからこそ安全な品を使いたい、USB-IF認証済みのUSB Type-Cポート搭載カーチャージャー~ゴッパ「ENERGEAR CC30W」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
車のシガーソケットからスマホなどを充電できるUSBカーチャージャーは、車を使って日々移動している人にとって欠かせないアイテムです。モバイルバッテリーを持ち歩く必要がありませんので、かさばらず、移動時間をうまく使ってスマホの充電が行なえます。
ところで最近はUSB Type-Cに対応したスマホが増え、急速充電規格の「USB PD」が利用できる製品も増えてきました。どのようなシーンにおいても、充電完了までの時間は短かければ短いほうが望ましいのは当然で、USBカーチャージャーもUSB PD対応の製品が求められるようになりつつあります。
これからいっそうの普及が見込まれるUSB Type-Cですが、現時点では、ありとあらゆるケーブルがUSB Type-Cに置き換わっているわけではありません。スマホ側のポートがUSB Type-Cでも、片方がUSB Type-A仕様のUSBケーブルを使っている場合もあるでしょう。
本製品は、USB Type-Cと従来のUSB Type-A、両方のポートを搭載していますので、ケースバイケースで使い分けができるほか、2つのポートを同時に利用することも可能です。USB Type-Aは最大12W(5V/2.4A)に対応していますので、タブレットの充電にも問題なく対応します。
では本製品の利点は何かというと、USB-IFの正式認証を取得していることです。USB Type-Cの充電器は、本来あるべき設計通りに作られていない製品も数多く流通しており、想定外の組み合わせによって過電流が流れるなどして、デバイスの故障や破損につながるおそれもあります。
その点、本製品は、USB Type-Cの規格を策定した非営利団体「USB-IF」の認証プログラムをパスしていますので、安心して利用できます。一般的に車の中は高温になるなど、家庭内に比べると過酷な環境になることも多く、こうした充電器類はより安全に動作することが求められるだけに、規格に適合した製品を使う意義は高いと言えるでしょう。
安心・安全という意味では文句のない本製品ですが、ネックがあるとすれば、USB Type-Cの最大出力が18W(9V/2A)ということです。これが半年前なら、18WあればUSB PD対応スマホはほぼすべてカバーできたのですが、最近は最大27W(9V/3A)など、さらに大きな出力に対応したスマホが登場しつつあり、それらはトップスピードでは充電できません。
どうしても最大18Wでは物足りない場合は、本製品の姉妹品で最大27Wに対応したモデルがありますので(ただしUSB Type-Aポートは非搭載)、そちらをチョイスするのがよいでしょう。最大45Wや60Wまで対応するUSB PD対応タブレットやノートPCを車内でなるべく短時間で充電したい場合も、そちらのほうがよいかもしれません。
なお今回紹介したモデルは、Amazonにて販売されている、添付ケーブルなしのパッケージで、メーカーサイトには掲載されていません。一般にはケーブルを同梱したパッケージが用意されているのですが、スマホ付属のケーブルを使うので不要という場合は、本製品のほうが価格的にもお得ということになります。ケースバイケースで選んでみて下さい。
実売価格:2,280円
発売元:ゴッパ
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B07QFJSQFH/
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2020.08.25 Tue