いったいどこにホイールが? バッグの中でもかさばらない超フラットなUSBマウス~ミヨシ「SRM-MA02」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
モバイル用と称して販売されているマウスは、小型化に注力していても、背はそこそこ高いことがほとんどです。バッグの中に収納することを考えた場合、体積を小さくすることよりも、平たくすることがむしろ重要なはずですが、そうした製品はあまり見かけません。
その最大の理由はホイールでしょう。マウス上部にあるホイールは、その直径がマウスの厚みに大きな影響を及ぼします。ボディを薄型化しようにも、ホイールがある限り限界があるというわけです。ホイールの代わりにタッチパッドを搭載して薄型化を計った製品もありますが、操作性は独特で、ヒットしたという話は聞きません。
こうした問題点を解決したのが、今回紹介するミヨシの「SRM-MA02」です。この製品は、ホイールを本体の左側面、親指が触れる位置に移動させることにより、究極のフラット化を成し遂げたBlueLEDマウスです。
でも、動かすのに不自由なのでは? と思うかもしれませんが、一般的にホイールを回すのは、カーソルを静止させた状態、つまりマウスを止めた状態で行うことがほとんどです。普段マウスのボディを握っている親指をホイールを動かす役割に割り当てても、不安定さはそれほどありません。
しかしながら、本製品のフラットさは、それだけで大きなメリットです。スクエアな形状でバッグにも収まりやすく、またUSBケーブルも着脱式で、付属するリールタイプのケーブル以外に、microBタイプのケーブルとの交換も可能です。microB - Type-Cケーブルと交換すれば、USB Type-CポートしかないPCでも利用できるでしょう。
惜しむらくは、ホイールクリックに対応しないことです。本製品のホイールは一般的に使われているものより薄い部品が使われており、その特殊さゆえ、クリックするギミックを搭載できなかったのでしょう。ユーティリティなどを使って、ホイールクリックに何らかのコマンドを割り当てている人は要注意です。
どれだけタッチパッドが普及しても、やはりマウスによる操作性にはかなうものではありません。機能の少なさゆえあまり目立つ製品ではありませんが、持ち歩きに適したマウスを探している場合は、候補の一つに入れておきたい製品です。
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2020.06.23 Tue