USB Type-C×2ポート、USB A×2ポートを搭載、どんなデバイスもお任せな充電器~Satechi「ST-MC2TCAM」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
近年普及しつつあるリバーシブル仕様のUSBコネクタ「USB Type-C」ですが、それらを充電するUSB充電器は、まだ従来のUSB Aポートが中心で、USB Type-Cポートを搭載した製品は決して多いとはいえません。
仮に搭載していてもほとんどが1ポート、あるいは2ポート止まりで、多くのデバイスをまとめて充電するには不向きなことが大半です。身の回りのデバイスをUSB Type-Cで統一しようものなら、かえって充電周りの効率が落ちてしまうこともしばしばです。
こうしたケースに対応する、複数のUSB Type-Cポートと、複数のUSB Aポートをまとめて搭載した充電器が、昨年頃からちらほらと見られるようになってきました。今回紹介するSatechiの「75W デュアル Type-C PD トラベルチャージャー」もそのひとつです。
USB Type-Cの特徴の一つとして、ノートPCやディスプレイなどへの給電も可能な急速充電規格「USB PD(USB Power Delivery)」が利用できることが挙げられますが、本製品ももちろんこのUSB PDに対応しています。
2つあるUSB Type-Cポートのうち、ひとつが最大60W、もうひとつが最大18Wという仕様です。電力量からして、前者はタブレットやノートPC向け、後者はスマホ向けということになります。USB A×2ポートと併せて、身の回りのデバイスの充電を一手にまかなうには最適です。
また、隣に搭載されているUSB Aポートについても、ざっとチェックした限りでは、充電中にType-Cポートにデバイスを接続して最高速度で充電を始めても、Aポート側の充電がストップするといった症状はみられませんでした。
ただし4ポートを同時に使うなどした場合、本体が触れられないレベルで熱を帯びます。置き場所によっては、本体の下にあるデスク面などがダメージを食らいかねないほどで、電力面で問題なくとも、ここは気をつけたほうがよさそうです。
本製品はこのガリウムこそ採用しておらず、それゆえボディサイズはやや大きめですが、電源ケーブルに一般的なメガネケーブルを採用することで、配線の自由度が増しています。このサイズでコンセント直結だと、取り回しがしにくくなるのは明白で、よく考えられた設計だと言えます。
モデルチェンジが頻繁に行われるこの手のUSB充電器の中で、1年以上継続して販売されていることも、高い信頼性を示していると言えます。日本ではあまり馴染みのないメーカーですが、複数のUSB Type-Cポートを備えた充電器を探しているのであれば、候補に入れておきたい製品です。
実売価格:7,548円
発売元:Satechi
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B07M97XGNZ/
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2020.06.16 Tue