クーラーが苦手な人にも最適、"ちょっとだけ涼しい”USB冷風扇で快適な夏を!~山善「FMR-40」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
登場から20年余、もはや夏場には欠かせない存在になりつつあるUSB扇風機ですが、あまりにも気温が高い部屋で使用すると、単に熱風を送るだけになることもしばしばです。風量は強いのにまったく涼しく感じない、そんな経験のある人も多いのではないでしょうか。
こうした場合にお勧めなのが、気化熱を利用して涼しい風を送ってくれる、いわゆる冷風扇です。今回はUSBで駆動する、山善の冷風扇「FMR-40」を紹介します。
これだけであれば、単なるキューブ型のUSB扇風機ですが、本製品は給水タンクを内蔵しており、気化熱を用いて涼しい風を送ることができます。ボディ後部を覆っているカバーを外してタンクに水を注ぐと、直立した給水フィルターが水を吸い上げ、そこにファンから風を当てることで、涼風が吹き出す仕組みです。
クーラーなどの冷風とはさすがに異なり、本製品の涼風は「やや涼しく感じる程度」でしかありませんが、クーラーが作り出す人工的な冷たい風が苦手な人、また暑い室内で熱風が吹き出すのは避けたいという人には、よい選択肢と言えます。乾燥しがちな室内で使うのにも適しています。
水タンクの容量は約300mlで、試した限りでは、風量を「中」にした状態で、およそ7~8時間でなくなります。メーカーによる連続使用時間は5時間とされているので、その間は余裕で持つ計算です。もちろん水がなくなっても、送風機能自体はそのまま使えます。
付属のUSBケーブルはmicroBタイプで、本体直付けではないため、必要に応じて長いケーブルに交換したり、持ち運びを前提にリールタイプのケーブルなどに交換できます。USBポートの位置がやや上にあり、ひっかけやすいのはデメリットと言えるかもしれません。
ネックと言えるのは、給水のためにボディカバーを外す作業がやや煩わしいことです。本製品と同じキューブ状の製品の中には、側面から水を注げるタイプもあり、それに比べるとハンドリングは必ずしもよくありません。
また本製品はハンドルが付属しており持ち歩きが可能ですが、水を入れるタンクは密閉状態になっているわけではないため、うっかり傾けてこぼさないか気を使わなくてはならず、あまり機動力が高いと言えないのもネックです。
筆者が調べた限りでは、側面から給水できてかつUSBで駆動するタイプは、国産品に限ればほぼ皆無なようなのですが、これから同種の製品を探すのであれば、そうしたモデルもあるということを知っておけば、役に立つかもしれません。
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2020.07.14 Tue