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ITライター・山口真弘の気になるグッズラボ

2021.03.23 Tue

いよいよ登場、iPhoneに貼り付けて持ち歩けるMagsafe対応モバイルバッテリー。その実力は?

~CIO「CIO-MB5000-MAG」レビュー

2021年03月23日
TEXT:山口真弘(ITライター)

スマホ本体に貼り付けて使えるモバイルバッテリーは、充電しながらスマホを使いたい場合に便利なアイテムです。バッテリーがほとんど残っていない状態で通話したり、ウェブを見たりする場合、スマホと一体化した状態で運用できれば、かさばらずに済むからです。

もっとも重量のあるモバイルバッテリーをスマホに固定するのは容易ではないため、これまで粘着ジェルで固定するタイプや、保護ケースと一体化した製品など、取付方法についてはさまざまなメーカーが試行錯誤を繰り返してきました。

そうした中で最近増えつつあるのが、iPhone 12で採用されているMagSafe規格に準拠し、iPhoneの背面にワンタッチで装着できるモバイルバッテリーです。今回はその一つ、CIOの「CIO-MB5000-MAG」を紹介します。

容量は5,000mAhと、iPhone約1回分の充電が行なえます。重量は約130g

容量は5,000mAhと、iPhone約1回分の充電が行なえます。重量は約130g

左からiPhone 12 Pro Max/mini/本製品。後述するようにminiでの利用は推奨しません

左からiPhone 12 Pro Max/mini/本製品。後述するようにminiでの利用は推奨しません

本製品はMagSafeに準拠したiPhone、つまりiPhone 12シリーズの各製品への取り付けに対応したモバイルバッテリーです。iPhone 12 miniとの組み合わせのみ、利用はあまりおすすめできないのですが、理由については後述します。

バッテリーの容量は5,000mAhと、おおむねiPhone1回分の充電に対応します。昨今のモバイルバッテリーとしては控えめな容量ですが、いかんせん本製品はiPhoneの背面に吸着した状態で使うため、あまりサイズを大きくできず、よってこの容量になるのは止むを得ません。

また限られた面積で5,000mAhという容量を実現するため、厚みについては11mmと、iPhone本体よりも分厚くなってしまっています。モバイルバッテリーとしては普通ですが、iPhoneと重ねて持つことが多いため、厚みの差を実感しがちです。これを許容できるかどうかはユーザー次第でしょう。

もっともマグネット式の本製品の場合、剥がすたびに粘着力が低下していくジェルタイプの製品や、ケースごと取り外さなくてはいけないバッテリー内蔵ケースと違い、不要な時はいつでも取り外せますので、そう煩わしさを感じることはありません。

MagSafeの磁力でぴったりと吸着し、すぐに充電が開始されます。最大出力は15W

MagSafeの磁力でぴったりと吸着し、すぐに充電が開始されます。最大出力は15W

サイズの比較。バランス的にはiPhone 12 Pro Maxとの組み合わせがベターです

サイズの比較。バランス的にはiPhone 12 Pro Maxとの組み合わせがベターです

バッテリー残量は5段階で本体天板部に表示されます。充電時は点灯します

バッテリー残量は5段階で本体天板部に表示されます。充電時は点灯します

厚みは11mmとiPhone本体よりも厚めですが、容量からして致し方ないでしょう

厚みは11mmとiPhone本体よりも厚めですが、容量からして致し方ないでしょう

本製品は、Lightningポートに加えてUSB Type-Cポートも備えており、どちらの方法でも充電が行なえます。つまり本製品を装着した状態では、iPhoneをUSB Type-Cで充電することができてしまいます。

こうしたことから、外出先でほかにUSB Type-Cのデバイスを携行している場合、本製品を用いることで充電ケーブルをUSB Type-Cに一本化することもできます。ちょっとした裏技と言えます。

またUSB Type-Cポートからは、外部デバイスに有線で充電することも可能です。これならばMagSafeにもワイヤレス充電にも対応しないスマホを、ケーブル経由で充電できます。いざという時にこうした選択肢があるのは安心です。
 

 

iPhoneと同じくLightningケーブルで本体を充電できます

iPhoneと同じくLightningケーブルで本体を充電できます

USB Type-Cケーブルでも充電できます。またここから有線でスマホの充電も行えます

USB Type-Cケーブルでも充電できます。またここから有線でスマホの充電も行えます

スタンドが付属しており立てて使うこともできます。ただし安定性はイマイチです

スタンドが付属しており立てて使うこともできます。ただし安定性はイマイチです

PSE認証も取得済み。製品には他機種で使うためのマグネットシールも付属します

PSE認証も取得済み。製品には他機種で使うためのマグネットシールも付属します

もっともこの製品、いくつか気になる点はあります。

ひとつは背面に搭載されたスタンドです。iPhoneを横向きに立てておけるため、デスク上での動画鑑賞時には重宝するのですが、構造がひ弱、かつ安定性もイマイチで、実用レベルに達していません。ただでさえ厚みがある本体がさらに厚く感じられる要因になっており、むしろなくてもよかったのではと思わせられます。

もうひとつは、iPhone 12 miniと組み合わせて使おうとすると、背面カメラに干渉することです。きちんと全面を吸着させるためには本体をわずかに回転させなくてはならず、メーカーサイトでもそうした取り付け方をするよう書かれていますが、明らかな設計ミスで、本来は非対応とするのが妥当なレベルです。

このように若干難はあるのですが、MagSafe対応のモバイルバッテリーはまだ選択肢自体が少なく、あってもモバイルバッテリーに必須のPSE認証を取得しているか不明なものがほとんどで、その点をクリアできている安心感はあります。日本国内の法律に従って使える製品としては、現時点で候補に上がってくる製品です。

iPhone 12 miniはカメラに干渉するため、ずらして取り付ける必要があります

iPhone 12 miniはカメラに干渉するため、ずらして取り付ける必要があります

正面から見た状態。物理的には充電できても、これでは利用がためらわれます

正面から見た状態。物理的には充電できても、これでは利用がためらわれます

製品名:CIO-MB5000-MAG
実売価格:3,608円
発売元:CIO
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B08T952QPP/

[筆者プロフィール]
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn

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