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作業が捗る!クリエイティブワークが楽になる作業効率化「Tips」

2023.04.27 Thu

デザイナー必見!無料で利用できるおすすめのQRコード作成ツール10選

文・画像:塚本建未

デザインの現場でもよく目にするようになったQRコードですが、普及が進むにつれて、あらかじめクライアントから提供されたものではなく、デザイナー側がコードを作成する必要があるケースも増えてきています。

しかし、一口にQRコードと言っても、様々な種類があり、どのようなQRコード作成ツールを選択したらよいか迷うデザイナーも多いかと思います。そこで、今回はQRコードの基本を解説した上で、デザイナーにおすすめのQRコード作成ツールを紹介します。

QRコードとは

「QRコード」は、1994年に日本の産業用機器メーカーである株式会社デンソーウェーブが開発した「二次元コード」です。QRコードという名称はデンソーウェーブの商標登録であり、「QR」は「Quick Response」の頭文字からとった略語で、素早く読み取る・反応できるコードという意味が込められています。

二次元コードとはバーコードの一種で、QRコード以外にも「データマトリックス」、「PDF417」といった種類があります。バーコード(一次元コード)が縦線の太さや間隔などのパターンで情報を符号化(エンコード:データをコンピューターが理解できる形式に変換する)するのに対し、二次元コードは縦と横の2方向の情報を符号化できます。そのため、バーコードよりも格納可能な情報量が多く、URL、メールアドレス、テキストなどをエンコードする方法として、広く活用されています。

読み取りはバーコード同様に、光学的にパターンを読み取れるスキャナを用いますが、近年はスマートフォンをはじめとしたモバイル端末のカメラにもスキャナ機能が搭載されており広く用いられています。

QRコードのしくみ

QRコードは、マトリクス型(複数の要素を行列状に整理して表現する型)の二次元コードで正方形の領域に特定のパターンで配置された黒いセル(モジュール)と、白い背景によって構成されています(基本は黒いセルと白い背景で構成されていますが、近年はセルと背景のカラーは白黒以外にも対応できるようになり、デザイン性に富んだQRコードも用いられることもあります)。

QRコードが普及したのは、このマトリクス型の二次元コードによってバーコードの約350倍の情報量を格納できるのも理由の1つです。具体的にどれくらいの情報量が格納できるかについては以下の表も参考にしてください。

QRコードに格納できる情報量

情報の内容情報量
数字最大7,089文字
アルファベット・記号最大4,296文字
漢字最大1,817文字
画像や音声などのバイナリデータ(8ビット)最大2,953バイト(約3KB)

また、QRコードには静的QRコードと動的QRコード(可変QRコードとも呼ばれる)があります。動的QRコードは、QRコードの図柄を変更することなくリンク先URLなどの情報を変更できるのが特徴です。コード作成後に、後から格納する情報を変更できるので、指定した日時に応じてリンク先URLを切り替えるといったことにも対応できます。

エラー訂正レベルについて

QRコードには、コードが汚れていたり破損していてもコード自身でデータを復元するエラー訂正機能が備わっています。このエラー訂正機能には以下のようにH→Q→M→Lの4段階のレベルがあります。

QRコードのエラー訂正レベル

エラー訂正レベル復元率
レベルH約30%
レベルQ約25%
レベルM約15%
レベルL約7%

エラー訂正レベルを上げれば、エラーの訂正能力(復元率)は向上しますが、データ量が増えるためコードのサイズは大きくなります。どのレベルを選択するかの判断は、目的や用途によっても異なります。工場や屋外の掲示物など、コードが汚れやすい環境では訂正レベルの高いものを選択し、名刺や特典シールなどサイズの小さいものは訂正レベルが低いものを選択するなど、使用環境によって使い分けることも重要なポイントです。

デザイナーが無料のQRコード作成ツールを選ぶポイント

【デザイナーが無料のQRコード作成ツールを選ぶポイント】
1. ライセンスや商用利用について
2. 作成されたQRコードの正確性
3. デザインのカスタマイズ性
4. アクセス解析などのオプション機能

1.ライセンスや商用利用について

本記事で紹介するのは無料のQRコード作成ツールですが、QRコードに限らず無料の画像生成サービスに関しては、ライセンスや商用利用について確認する必要があります。QRコード作成ツールは、無料でも著作権フリーで商用可能なものが大半ですが、無料で利用できるには作成数に上限があったり、読み込み可能な期間に期限がもうけられていたりするケースもあるので、その点はしっかりと確認しておきましょう。

2.作成されたQRコードの正確性

作成されたQRコードが正確に読み取れるかどうかもツールを選択する上で重要なポイントです。企業のクライアントから依頼された販促物などに用いるQRコードに関しては、正確に読み取れない場合、トラブルに発展する可能性もあるので注意しましょう。特に印刷物などに利用するQRコードについては、デンソーウェーブの公式ツールや保証サービスが追加されたサービスを選択したほうが安心です。また、エラー訂正レベルが設定できるツールであるか否かもチェックしておきましょう。

3.デザインのカスタマイズ性

デザインのカスタマイズ性も、デザイナー・クリエイターにとっては気になるポイントです。カラー設定できるもの、角にある大きなセルの形を変更できるもの、中央に画像を埋め込めるものなど、無料のツールでも凝ったデザインのQRコードを作成できるツールも数多く提供されています。

4.アクセス解析などのオプション機能

QRコード作成ツールの中には、コードがスキャンされた履歴などのアクセス解析ができるサービスが付加されたものがあります。また、アクセス解析以外にも販促ツールに連動できる機能なども搭載しているサービスもあります。これらの機能については、有料オプションである場合が多いですが、こうしたサービスが含まれる上位版やプロ版が提供されているツールか否かは、ツールを選択する上でのチェックポイントの1つになります。アクセス解析など高度な機能を希望するクライアントもいるかもしれませんので、この点も事前の打ち合わせで確認しておくと万全です。

おすすめの無料QRコード作成ツール10選

以下に、無料で利用できるおすすめのORコード10選を紹介します。 

※ここで、紹介するツールは商用可能なものをピックアップしていますが、ライセンス規約やサービス規約については変更される可能性もあります。利用規約は必ず自分の目でも確認しておきましょう。

【おすすめの無料QRコード作成ツール10選】
1. クルクルManager
2. QRコード作成サービス(CMAN)
3. QR Code JP
4. QRのススメ
5. QRコードビルダー
6. QR Code Monkey
7. QR Code Chimp
8. QR Stuff
9. QREncoder
10. QR Journal

1.クルクルManager

クルクルManager

デンソーウェーブの公式QRコードリーダー「クルクル」(サービスはアララ株式会社が提供)に対応したQRコード作成サービスです。利用にはアカウントを登録が必要になりますが、無料アカウントの作成でQRコードの作成、アクセス解析情報の閲覧、販促ツールであるクルクルチャンネルの開設が可能になります。公式ツールなので、安心して利用できる点が魅力です。ただし、カラーの変更などデザインのカスタマイズはできないので、デザイン性を重視する場合は、他のツールを選択する必要があります。

クルクルManagerで作成できるQRコードの例
クルクルManager

URL:https://m.qrqrq.com/  
ファイル形式:PNG/JPEG/EPS 
デザインのカスタマイズ:無 
エラー訂正レベル変更機能:無 
利用条件等:無料で利用可能(アカウント登録の必要あり)/商用利用可 
利用規約ページ

2.QRコード作成サービス(CMAN)

QRコード作成サービ(CMAN)

アカウント登録なしで利用できるサービスで、任意の文字を入力し作成ボタンを押すだけでQRコードが作成できます。画像のサイズや画像形式を指定できるだけでなく、セルの色や、QRコードを囲む文字なども設定可能です。作成されたQRコードの保証はされていませんが、サイトにアクセスするだけで利用できるサービスなので、取り急ぎQRコードが必要というケースにも非常に便利なサービスです。

QRコード作成サービ(CMAN)で作成できるQRコードの例
QRコード作成サービス(CMAN)

URL:https://www.cman.jp/QRcode/  
ファイル形式:GIF/PNG/JPEG  
デザインのカスタマイズ:有(カラー/囲み文字) 
エラー訂正レベル変更機能:有 
利用条件等:無料で利用可能(地図など一部の機能は1日の利用制限あり)/商用利用可/作成したQRコードの保証はなし  
注意事項・制約事項のページ

3.QR Code JP

QR Code JP

こちらもアカウント登録なしで利用できるORコード作成サービスです。任意の文字を入力したら、プレビューで作成されたQRコードを確認し、ファイル形式を選択してQRコード画像をダウンロードします。非常にシンプルなUIで、テキスト入力欄以外の設定欄は大きさと外側の余白の設定項目のみになりますが、詳細オプションのボタンをクリックすればセルの色を設定する項目、SNSのアイコンなどとの画像合成を設定できる項目、文字列合成できる項目も表示されるようになります。作成されたQRコードの保証はされていませんが、ITツールに詳しくない人でも、簡単にコードを作成できるのは魅力です。

QR Code JPで作成できるQRコードの例
QR Code JP

URL:https://www.qr-code.jp/  
ファイル形式:PNG/EPS/SVG 
デザインのカスタマイズ:有(カラー/画像合成/文字列合成) 
エラー訂正レベル変更機能:無 
利用条件等:無料で利用可能/商用利用可/作成したQRコードの保証はなし
ご利用方法のページ

4.QRのススメ

QRのススメ

こちらもアカウント登録なしで利用できるORコード作成サービスになります。使い方も簡単で、「URL」「メールアドレス」「自由テキスト(1行)」のいずれかを選択し、任意のテキストを入力したらQRコードが作成できます。カスタマイズ性も高く、コードのプレビュー画像を確認しながら、デザインを設定できるのも大きな特徴であらかじめ用意されたイラストやアイコンをコードの中心に挿入できます。また、自分でアップロードした画像の挿入、文字入れなどにも対応しています。加えて、より高度な設定も可能な有料版も提供されています。

QRのススメで作成できるQRコードの例
QRのススメ

URL:https://qr.quel.jp/design.php  
ファイル形式:PNG/JPEG 
デザインのカスタマイズ:有(カラー/サイズ/ドッドの形/アイコン・イラストの合成など) 
エラー訂正レベル変更機能:無 
利用条件等:無料で利用可能/商用利用可/有料版あり  
利用規約のページ

5.QRコードビルダー

QRコードビルダー

印刷会社が提供するQRコード作成サービスです。無料コースで作成できるQRコードは100個までになりますが、紙の印刷物に利用するQRコードを作成する場合に、おすすめのサービスです。また、作成したQRコードを基にシールを作成することもできます。加えて、CSVファイルからQRコードを作成することも可能です。

QRコードビルダーで作成できるQRコードの例
QRコードビルダー

URL:https://qr.ag-media.jp/  
ファイル形式:JPEG/PNG/透過PNG 
デザインのカスタマイズ:有(カラー/サイズ/コードの上に装飾など) 
エラー訂正レベル変更機能:有 
利用条件等:無料で利用可能(100個まで・シールを注文する場合は有料)/商用利用可/CSVファイルからコードを作成可能/利用個数に制限のない有料コースあり  
利用規約のページ

6.QR Code Monkey

QR Code Monkey

アカウント登録なしで利用できるQRコードジェネレーターです。海外のサービスなので日本語での利用はできませんが、非常にデザインセンスに溢れたサイトのロゴやトップページデザインからも分かる通り、よりデザインに拘りたい場合におすすめのツールです。グラデーションのカラー設定や中央にアイコンや画像を埋め込むことも可能です。また、セルの形や四つ角にあるアイフレームとアイベルの形もカスタマイズできるので、独自性の高いオリジナルQRコードも作成可能です。さらに、SNSなどのイメージに合わせたかっこいいテンプレートも豊富に用意されています。

QR Code Monkeyで作成できるQRコードの例
QR Code Monkey

URL:https://www.qrcode-monkey.com/  
ファイル形式:PNG/SVG/PDF/EPS 
デザインのカスタマイズ:有(カラー/ロゴイメージの挿入/各シェイプのカスタマイズ/テンプレートなど) 
エラー訂正レベル変更機能:無 
利用条件等:無料で利用可能(ダウンロードする間に広告が表示される)/カード情報、ロケーション情報(地図)、Wi-Fi情報、ビットコイン情報などにも対応/有料版はQR Code Generatorという海外で人気のORコード作成ツール  
Aboutの項目FAQの項目

7.QR Code Chimp

QR Code Chimp

サインアップのみで利用できるオンラインのQRコードジェネレーターです。英語のサービスでアカウントを作成しサインアップする必要があるので、利用までの難易度は少し高くなりますが、デザインのカスタマイズ性も高くハイセンスなQRコードを作成できます。無料プランでも動的QRコードが作成可能ですが、作成数に制限なく利用できるのは静的QRコードのみになります(動的QRコードに関しては、製品の在庫管理など業務用途で主に用いられているものなので、通常のQRコードは静的QRコード作成機能で十分に対応できます)。テンプレートやステッカーも豊富で、凝ったデザインのQRコードを作成したい場合は有力な候補の一つになるツールです。

QR Code Chimpで作成できるQRコードの例
QR Code Chimp

URL:https://www.qrcodechimp.com/  
ファイル形式:PNG/PDF 
デザインのカスタマイズ:有(カラー/各シェイプのカスタマイズ/テンプレート/ステッカー/ロゴの挿入など) 
エラー訂正レベル変更機能:無 
利用条件等:無料で利用可能(サインアップの必要あり。静的QRコードは制限なしで作成可能。動的QRコードは制限あり)/商用利用可能/高度な編集機能や動的QRコードの作成上限数が多い有料プランあり  
利用規約のページ

8.QR Stuff

QR Stuff

アカウント登録なしで利用できるオンラインのQRコードジェネレーターです。こちらも海外のサービスなのでサイトの表記は英語ですが、1つずつステップを踏んで作成していくので、英単語がある程度理解できるレベルであれば問題なくコードを作成できます。また、対応するファイル形式も多く、JPG、PNG、SVG、PDF、EPS、DXFから選択可能です。

QR Stuffで作成できるQRコードの例
QR Stuff

URL:https://www.qrstuff.com/  
ファイル形式:JPG/PNG/SVG/PDF/EPS/DXF 
デザインのカスタマイズ:有(カラー/サイズ/各シェイプのカスタマイズ/ロゴの挿入など) 
エラー訂正レベル変更機能:有 
利用条件等:無料で利用可能(利用制限あり・利用制限なしの有料プランあり)/商用利用可能/Googleキャンペーントラッキングや動的QRコードにも対応 
利用規約のページ

9.QREncoder

QREncoder

macOS用のQRコード作成アプリです。シンプルで使いやすく、基本的なデザインのカスタマイズ機能も搭載されています。日本語の変換には弱いようですが、カラーの変更やエラー訂正レベルも変更できるアプリなので、気になる方はインストールして試用してみましょう。

QREncoderで作成できるQRコードの例
QREncoder

URL:https://apps.apple.com/jp/app/qrencoder/id452695239?mt=12  
ファイル形式:PNG 
デザインのカスタマイズ:有(カラー/サイズ) 
エラー訂正レベル変更機能:有 
利用条件等:無料で利用可能/商用利用可能

10.QR Journal

QR Journal

こちらもmacOS用のQRコード作成アプリです。シンプルで使いやすくオフライン環境でも利用可能なので、Macユーザーならインストールしておいて損のないアプリです。また、AppleScriptにも対応しています。Appストアの説明ではiSightカメラで読み込めるQRコードとなっていますが、最新の端末には対応していないようですので、その点は注意しましょう。

QR Journalで作成できるQRコードの例
QR Journal

URL:https://apps.apple.com/jp/app/qr-journal/id483820530?mt=12  
ファイル形式:JPG 
デザインのカスタマイズ:無 
エラー訂正レベル変更機能:無 
利用条件等:無料で利用可能/商用利用可能/AppleScriptに対応

まとめ

日々の業務で忙しいデザイナーの方々は、無料で利用できるQRコード作成ツールの存在は知っていても、それらのサービスを比較検討する時間まではなかなか作れないと思います。本記事を参考にして、目的や用途にあった最適なQRコード作成ツールを探してみてください!

 

著者プロフィール

塚本 建未
ライター・編集者・イラストレーター
フリーランスのライター・編集者・イラストレーター。高校はデザイン科を卒業し、大学は、文学部とスポーツ科学部の2つの学部を卒業。フィットネス・トレーニング関連の専門誌で編集者・ライターとしてキャリアを積む。メインの活動の場をWebメディアに移行してからは、ITツール紹介やWebマーケティング分野などを得意領域として活動を続けている。
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