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ITライター・山口真弘の気になるグッズラボ

2021.06.08 Tue

24個のマクロを登録可能、片手で使えるWin/Mac両対応のショートカット専用キーボード

文:山口真弘

24個のマクロを登録可能、片手で使えるWin/Mac両対応のショートカット専用キーボード~Koolertron「AE-AMAG09-RDB」レビュー。

業務効率を上げるのに欠かせないショートカットキーですが、複数のキーとの組み合わせともなると、覚えられないこともしばしばです。

またショートカットを押すためにわざわざ右手からマウスから手を離さなくてはいけなかったり、あるいはアプリケーションによっては、複数のショートカットキーを連続して押すマクロが必要になることもよくあります。

こうしたマクロは、多ボタンマウスに割り当てたり、あるいは拡張キーがついたキーボードを使って実現する方法がありますが、いちばん手っ取り早いのは、こうしたショートカットキーを割り当てられる専用のデバイスを導入することです。

今回紹介する「Koolertron片手マクロメカニカルキーボード」は、そうしたニーズにぴったりの、9つのキーを持ったミニキーボードです。

片手に乗るコンパクトサイズ。サイズは68×63mmと極小です
片手に乗るコンパクトサイズ。サイズは68×63mmと極小です
キー数は9。数字の入力にも向かない、ショートカット専用の設計です
キー数は9。数字の入力にも向かない、ショートカット専用の設計です
同梱品一覧。USBケーブルのほか、交換用の白いキートップ、さらにキーを抜くためのリムーバーまで付属しており、カスタマイズも容易です
同梱品一覧。USBケーブルのほか、交換用の白いキートップ、さらにキーを抜くためのリムーバーまで付属しており、カスタマイズも容易です

本製品は、四則演算キーを搭載したテンキーよりもさらに数が少ない、9つのキーを搭載したキーボードです。数字がすべて含まれていないことからもわかるように、これ単体で数字を入力する用途は想定されておらず、ショートカットキーの割当と実行だけを目的に作られた製品です。

実際の利用にあたっては、そのコンパクトなボディを生かして、キーボードの左側に配置できます。こうしたショートカットキーの多くは、キーボードの左側に配置し、マウスを操作しながら使えることが売りになっていますが、実際にキーボードの左側に置いてみると、ボディが大きくかさばるケースも少なくありません。

その点、本製品はパームレストなど場所を取る要素もなく、もともとコンパクトなキーボードと並べて配置しても、存在感がありすぎるという問題もありません。その一方、キーにはきちんと段差が設けられているなど、打鍵感もすぐれているほか、明るさを調整できるバックライトを搭載し、暗い部屋でもはっきりと視認できます。

バックライトを点灯させることもできます(もちろんオフにもできます)
バックライトを点灯させることもできます(もちろんオフにもできます)
これは刻印なしのキートップでの利用時。文字を書き込んで使うのも容易です
これは刻印なしのキートップでの利用時。文字を書き込んで使うのも容易です
打鍵しやすいよう、横から見ると前方がややせり上がっているのが分かります
打鍵しやすいよう、横から見ると前方がややせり上がっているのが分かります
底面には付属のゴム脚を取り付けます。安定性はかなり高い部類です
底面には付属のゴム脚を取り付けます。安定性はかなり高い部類です
やや特徴的な形状ですが、ケーブルの規格は一般的なUSB A-USB Type-Cです
やや特徴的な形状ですが、ケーブルの規格は一般的なUSB A-USB Type-Cです
背面のUSB Type-Cポートにケーブルをつないで利用します
背面のUSB Type-Cポートにケーブルをつないで利用します

利用にあたっては、PCに専用ソフトをインストールし、キーの割り当てを行います。Ctrl+Cなど単純なキーの組み合わせはもちろんのこと、3つ以上のキーの組み合わせ、さらに「あるキーを押して離し、その何秒後に別のキーを押して離す」といったマクロの設定も行えます。

本製品では、9つのキーすべてにこうしたショートカットを割り当てられますので、これまで手動で操作していた複数キーのコンビネーションを割り当て、業務を効率化させられます。

またこれらショートカットは、アプリケーションごとに割り当てることも可能ですので、アプリが切り替わるたびに異なるショートカットを利用できます。これらショートカットは本体内に保存されますので、取り外して別のPCに接続しても、変わらず利用できるのもメリットです。

キーの割当画面。本体内に保存されている設定ファイルを開き、そこに上書きするという独特の方式で、難易度はかなり高めです。これを使いこなせるかがポイントになります
キーの割当画面。本体内に保存されている設定ファイルを開き、そこに上書きするという独特の方式で、難易度はかなり高めです。これを使いこなせるかがポイントになります

もっとも本製品は、設定手順はかなり煩雑です。専用ユーティリティをダウンロードしてPCにインストールし、ショートカットを設定する流れこそ一般的ですが、割り当て先のキーの表示が表計算ソフトのようなデザインで、使い慣れるまでは試行錯誤することになります。

また、ショートカットとマクロ、および拡張マクロがそれぞれ別画面に分かれているのですが、キーボード内に保存されている各データを開いて上書きするという特殊な仕組みに加え、ローカルのPC内にもキー割り当てのデータをバックアップする仕組みがあり、概念を理解するだけでも一苦労です。

そのため、ある程度時間をかけてじっくりやらないと、途中で投げ出してしまうことにもなりかねません。このユーティリティのURLや、参考となる動画のチュートリアルのURLを手入力しなくてはいけない時点で、国内メーカーの製品との差を感じさせます。

「あるキーを離してから次のキーを押す」といったマクロの設定にも対応します。登録できる上限は24個で、12個は通常のマクロ、12個は遅延ありのマクロが利用できます
「あるキーを離してから次のキーを押す」といったマクロの設定にも対応します。登録できる上限は24個で、12個は通常のマクロ、12個は遅延ありのマクロが利用できます

以上のように、難易度はやや高めなのですが、本製品はこうしたショートカット割り当て専用のキーボードの中でもひときわコンパクトで、かつ実売価格が5千円を切るという安さもあって、この種の製品の中では候補の最右翼となる製品です。

なお、本製品を選ぶ上で知っておきたいのが、赤軸と青軸の違いです。メカニカルタイプのキーボードには、赤軸や青軸、茶軸といったスイッチの種類があり、本製品は青軸と赤軸の2択から選べるようになっています。

赤軸はキーが軽く、そのぶんキーを押す音が静かという特徴があります。一方の青軸はかなりキーが重く、それゆえキーを押す音は大きめです。

今回筆者は赤軸を選択しましたが、左手をキーの上に常時乗せたままにしておく場合、赤軸だと知らない間に押しっぱなしになるなどの問題が起こる場合もあります。一方で青軸は、打鍵音がうるさいと苦情が来る可能性もあり、利用には気を使います。製品選びにあたっては、どちらが自分に向いているか、確認したほうがよいでしょう。

メーカーが公開している設定のデモ。決して簡単とは言えないインターフェイスですが、使いこなせば高度な設定も可能です

製品名:AE-AMAG09-RDB
実売価格:4,999円
発売元:Koolertron
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B07VXL53GM/

著者プロフィール

山口真弘
ITライター
PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など
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