ほんの数年前は、出張などでノートPCを持ち出す場合、あわせて巨大なACアダプタも携行する必要がありました。
こうしたACアダプタは基本的に専用設計なので、万一バッグに入れ忘れたり、あるいは外出先で故障や紛失に遭った場合、家電量販店で同じモデルを買わなくてはならず、1万円近い出費を強いられることもしばしばでした。
しかし、USB PDが一般的になったことで状況が変わってきました。デバイスを問わず使えるUSB PDの充電器があれば、専用設計のACアダプタを持ち歩かなくても、汎用の充電器がひとつあれば済ませることができます。
またUSB PDに対応していれば、ノートPCだけでなく、スマホやタブレットとも共用できますので、複数のデバイスを持ち歩く場合に荷物を減らせる効果もあります。万一出先で紛失した時も、現地での調達は容易です。
こうしたUSB PD充電器選びのポイントは「最大出力」にあります。スマホの充電であれば、最大出力が18Wや20Wあれば十分ですが、ノートPCを充電しようとすると、最低でも45Wの出力に対応した製品を選んでおく必要があります。
45Wに対応したUSB PD充電器といえば、初期は巨大なサイズの製品しかなく、ノートPC専用の充電アダプタとそう変わらない製品も少なくありませんでしたが、最近はより放熱効率を上げたGaN(窒化ガリウム)という技術が多くの製品に採用されるようになり、大幅なコンパクト化が実現しました。
前置きが長くなりましたが、今回紹介するAnkerの「Nano II 45W」は、GaNを進化させた同社の独自技術「Anker GaN II」を採用することで、最大出力45Wながら、コンパクトなボディを実現したUSB PD充電器です。
現在もっとも普及しているUSB PD充電器と言えば、iPadに添付されているApple製の最大20Wの充電器でしょう。本製品はそれとほぼ同等の体積ながら、最大45Wの出力に対応していますので、これひとつあれば、ノートPCやタブレット、さらにはスマホなど、幅広いデバイスが充電できます。
またプラグは折りたためるため、外出先に持ち歩く場合も、プラグの先端で荷物に傷がつく心配もありません。重量も実測67gと軽量なため、バッグの中にひとつ放り込んでおいても邪魔になりません。少なくとも、ノートPCの専用ACアダプタや、初期のUSB PD充電器とは比べ物になりません。
ノートPCは、30Wの電力しか供給できない充電器だと、充電が追いつかずにじわじわとバッテリーの残量が減っていく場合もありますが、45W対応ならばたいていの製品はカバーできます。消費電力の高いハイスペックなノートPCは足りない場合もありますが、スマホやタブレットであればまず問題ありません。
小型化が著しいUSB PD充電器のなかでも、現時点ではひときわコンパクトなこの製品、今月下旬には上位版となる65Wモデルの発売も予告されており、現在新たにUSB PD充電器を買うのであれば、要チェックのシリーズとなっています。
価格も3千円台とリーズナブルで、手持ちのノートPCをUSB PD対応のモデルに買い替えた場合は、ACアダプタ代わりに外出先に持ち歩ける充電器として、ぜひ手元に置いておきたい逸品です。
- DATA
製品名:Anker Nano II 45W
実売価格:3,390円
発売元:Anker Japan
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B08X1M3JN9/
2021.07.13 Tue