さまざまなジャンルで活躍するデザイナーの来歴をたどるシリーズ。今回はグラフィック・デザイナー、イラストレーターのマーチン荻沢さん(HIT STUDIO)を取材し、今日までの足跡をたどります。
第4話 気分はいまもヒッピー
新宿区歌舞伎町の仕事部屋にて、応接役として業務する凛。取材中は話に耳を傾けてウツラウツラ……
人との“競争”が大嫌い
──いまスタジオは荻沢さん、角谷さんの2人態勢で?
荻沢●そう。でね、VOWもVol.16ぐらいから、カバーデザインは角谷に替わってもらったの。俺は見てるだけ。アドバイスぐらい。……彼女がやったほうがいいよ。感覚がやっぱり違うし。編集からも「前とは違う雰囲気にしたい」と言われて、だったら交代しようかと。
──中身のページ・レイアウトもすべてやっているんですか?
荻沢●基本的にうちが全部やっているね。フォーマットを作って、複数のデザイナーが集まってやったこともあるよ。一番理想を言えば、3〜4人が作ったデータをうちでまとめて全部見て、それから入稿するっていうことだけど、時間的にそれが無理なんだ。Vol.18か19は全部うちで見て渡したけど。それができないと隅々に目が届かない。
──じゃあ、アートディレクターとして。
荻沢●うん。アートディレクターもやり、オペレーターもやり、誤植探しの校閲もやったり(笑)。
──今後について考えることは?
荻沢●それは『宝島』次第だから(笑)。次は全部変えたいって言われたら、それは仕方ない。だから『宝島』がOKな限りは、ずっとやっていきたいね。雑誌のほうは連載がなくなっちゃたんだ。残念なんだけど、いまは携帯VOWになって。画像も荒いしさ、大体送る行為が楽しいだけで終わっちゃうんだよね。
──いまならWebで、昔の細かくて読みでがあったVOWを復活させれば楽しいのに。
荻沢●それ、宝島社に売り込んでよ(笑)。
──カラーを押し出そうという主張はないんですか?
荻沢●性格が、あんまりそうじゃないんだよね。控え目にね、競争してまでとか、人を押しのけてまでとか……そういうタイプじゃないんだ。
──それは子供の頃から?
荻沢●そうそう。それは仕方ないじゃん、もう……。だから、就職とかもしなかったんだろうね。
──じゃあ、気分的にはいまもヒッピー?
荻沢●そうだね(笑)。仕事は仕事としてあるけれど。
荻沢●そう。でね、VOWもVol.16ぐらいから、カバーデザインは角谷に替わってもらったの。俺は見てるだけ。アドバイスぐらい。……彼女がやったほうがいいよ。感覚がやっぱり違うし。編集からも「前とは違う雰囲気にしたい」と言われて、だったら交代しようかと。
──中身のページ・レイアウトもすべてやっているんですか?
荻沢●基本的にうちが全部やっているね。フォーマットを作って、複数のデザイナーが集まってやったこともあるよ。一番理想を言えば、3〜4人が作ったデータをうちでまとめて全部見て、それから入稿するっていうことだけど、時間的にそれが無理なんだ。Vol.18か19は全部うちで見て渡したけど。それができないと隅々に目が届かない。
──じゃあ、アートディレクターとして。
荻沢●うん。アートディレクターもやり、オペレーターもやり、誤植探しの校閲もやったり(笑)。
──今後について考えることは?
荻沢●それは『宝島』次第だから(笑)。次は全部変えたいって言われたら、それは仕方ない。だから『宝島』がOKな限りは、ずっとやっていきたいね。雑誌のほうは連載がなくなっちゃたんだ。残念なんだけど、いまは携帯VOWになって。画像も荒いしさ、大体送る行為が楽しいだけで終わっちゃうんだよね。
──いまならWebで、昔の細かくて読みでがあったVOWを復活させれば楽しいのに。
荻沢●それ、宝島社に売り込んでよ(笑)。
──カラーを押し出そうという主張はないんですか?
荻沢●性格が、あんまりそうじゃないんだよね。控え目にね、競争してまでとか、人を押しのけてまでとか……そういうタイプじゃないんだ。
──それは子供の頃から?
荻沢●そうそう。それは仕方ないじゃん、もう……。だから、就職とかもしなかったんだろうね。
──じゃあ、気分的にはいまもヒッピー?
荻沢●そうだね(笑)。仕事は仕事としてあるけれど。
マーチン荻沢さんの仕事より
左:ごとうけいこ『ツブログ』ブックデザイン(宝島社/2007年)
中:21年目の新装開店となった『VOW 16』ブックデザイン(宝島社/2004年)
右:『VOW王国 ニッポンお笑い世界遺産』ブックデザイン(宝島社/2004年)
左:ごとうけいこ『ツブログ』ブックデザイン(宝島社/2007年)
中:21年目の新装開店となった『VOW 16』ブックデザイン(宝島社/2004年)
右:『VOW王国 ニッポンお笑い世界遺産』ブックデザイン(宝島社/2004年)
友達は大事にしよう
──で、個人的な趣味なんかもありつつ。
荻沢●うん。バイクとか釣りね。でも、いまお袋が病気で、週末は実家に帰っているのね。5〜60年住んでいる家で、そこそこ庭もついている。だから、草むしりとかしなくちゃならないんだ。枝を伐ったり。それが毎週のことで。でも、やっていると楽しいんだよ。身体を動かすと。親の介護だけど、それが息抜きになっている。
──マイペースに仕事もされて。
荻沢●うん。いま俺がサラリーマンだったら、お袋の介護できないしね。事務所は炭谷に任せて、実家でMac使って仕事して送ることもできるし。昔は考えられなかったけどさ。
──今後10年、どうなると思います?
荻沢●全然、変わらない気がする。どんな形になりたいとも、あんまり思わないし。
──結局、人との出会いが大事だった?
荻沢●うん、完璧に。絵を教えてくれた小学校の先生、湯村さん、まわりの友達……仕事もそうだったもん。友達づきあいから始まることが多い。で、迷惑をかけたくないから、納期は絶対に守る(笑)。それは変わらない。よく、締め切り直前にいなくなっちゃう人もいるって話を聞くけど……。ライターでもイラストレーターでも、そんなんでよく次の仕事が来るなと思うんだ。基本だからさ、それ。
──ですよね。では、最後にアドバイスを。
荻沢●やっぱり、友達を大事にするってことかな。会社員になってもそうだと思うけど、友達を大事にすれば、それなりに返ってくることがあるし、いいことあると思う。それはいま、俺にも続いていること。そうしていかないと続いていかないよ。
荻沢●うん。バイクとか釣りね。でも、いまお袋が病気で、週末は実家に帰っているのね。5〜60年住んでいる家で、そこそこ庭もついている。だから、草むしりとかしなくちゃならないんだ。枝を伐ったり。それが毎週のことで。でも、やっていると楽しいんだよ。身体を動かすと。親の介護だけど、それが息抜きになっている。
──マイペースに仕事もされて。
荻沢●うん。いま俺がサラリーマンだったら、お袋の介護できないしね。事務所は炭谷に任せて、実家でMac使って仕事して送ることもできるし。昔は考えられなかったけどさ。
──今後10年、どうなると思います?
荻沢●全然、変わらない気がする。どんな形になりたいとも、あんまり思わないし。
──結局、人との出会いが大事だった?
荻沢●うん、完璧に。絵を教えてくれた小学校の先生、湯村さん、まわりの友達……仕事もそうだったもん。友達づきあいから始まることが多い。で、迷惑をかけたくないから、納期は絶対に守る(笑)。それは変わらない。よく、締め切り直前にいなくなっちゃう人もいるって話を聞くけど……。ライターでもイラストレーターでも、そんなんでよく次の仕事が来るなと思うんだ。基本だからさ、それ。
──ですよね。では、最後にアドバイスを。
荻沢●やっぱり、友達を大事にするってことかな。会社員になってもそうだと思うけど、友達を大事にすれば、それなりに返ってくることがあるし、いいことあると思う。それはいま、俺にも続いていること。そうしていかないと続いていかないよ。
今回で「これがデザイナーへの道」第26回・マーチン荻沢さんのインタビューは終了です。
(取材・文:増渕俊之 写真:FuGee)
(取材・文:増渕俊之 写真:FuGee)
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[プロフィール] まーちん・おぎさわ●1953年東京都生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業後、高橋キンタロー氏とともに「HIT STUDIO」を設立。宝島社『VOW』シリーズをはじめとするグラフィックデザイン、イラストレーションの両輪で活動を続けている。http://hitstudio.net/ |