CHAPTER1-03 今日からすぐに実践できる撮影テクニックを身につける | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

CHAPTER1-03 今日からすぐに実践できる撮影テクニックを身につける

2024.5.17 FRI

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03 今日からすぐに実践できる撮影テクニックを身につける
>POINT1 シチュエーションを考慮する >POINT2 天候や光の強さに気をつける

03-1 小道具などを活用して魅力的な人物写真を撮る

Webサイトに使用する人物写真を自分で撮影する機会は、あまり多くないと思うが、洋服などを扱うECサイトの着用イメージや、コーポレートサイト制作で人物写真が必要になることもあるだろう。人物を撮影する場合、どんな人をどんな場所で撮るかは、シチュエーションによって異なってくるため、ここでは基本的なポイントを解説する。顔をメインに撮る場合は、良い表情の写真をあとから選べるようにたくさん撮っておく。こればかりは一瞬のことなので、たくさん撮って選ぶしかない。そして、近くから広角で撮るより離れて望遠で撮ろう。これはとても重要だ。広角だと遠近が強調されるので顔が妙に丸くなるし、背景がたくさん入りすぎる。望遠だと形がきれいに出て、写る背景の範囲が狭くなると同時に背景がぼけるため、被写体の顔がより目立つようになる。

全身写真を撮るときは、ポーズと角度が重要になる。直立した姿を真正面から撮ると、スタイルが悪く見えやすい。そのため、身体を少し斜めにして腰をわずかにひねるような感じにしよう。被写体が撮影に慣れてないときは、なかなかポーズが決まらない。そんなときは小道具を使う。今回は木の幹を利用した。ちょっとした工夫をすれば、自然なポーズをつけられるので、被写体にリラックスしてもらえる状況をつくりながら、いろいろ試そう。



広角(上)と望遠(下)で撮影した写真。広角は遠近が強調されて顔が丸く見える。一方、望遠は形がきれいに出る。また、背景がぼけることで顔を目立たせられる


全身写真を撮影するときは、小道具を活用するとより魅力的な写真になる


03-2 製品についているホコリや指紋に注意する

製品写真(いわゆる「ブツ撮り」)は、セッティングが大事だ。まず、撮影場所を決めて製品を置く。製品だけを撮りたいときは大きめの無地の紙を用意し、壁などに紙を当てて平面に紙を敷く。シチュエーションを見せたいときは机の上などに置くとよい。このとき、背景に余計なものが写ってしまわないように注意する。

そして製品を撮影する前に、製品についているホコリや指紋を払おう。肉眼では気づかなくても、製品によっては指紋やゴミなどがついていて、それが写真に写ってしまうことがある。また、派手な服装で撮影すると、着ている服が製品に写り込んでしまう場合もあるので、撮影時の服装は黒っぽいものが望ましい。

無地の紙を用意し製品の手入れが終わったら、カメラをセットしよう。フォーカスは「マクロモード」にし、手を伸ばして届くような距離から撮影する。できれば三脚を使い、細かな調整ができるようにしたい。

最後に、光の当たり方をチェックする。内蔵ストロボは不自然になるので使わない。できれば真っ白な紙を用意し、光を反射させて製品にうまく当ててやると、全体に光が当たったきれいな写りになる。照明は蛍光灯で十分。ただし、異なった照明を組み合わせないようにしよう。同じ蛍光灯でも白色と昼白色、昼光色では光の色が違うので、気をつけてほしい。


製品を撮影するときは背景紙を置こう。そうすれば撮影した製品を画像編集ソフトウエアで切り抜く際にも便利だ。製品の右にある白い板は光を反射させて影を弱めるためのもの


テーブルの端に製品を置き、外光で撮影した。全体に光が当たり、とてもきれいな写真に仕上がっている


03-3 風景写真は天候と構図が重要

風景写真は、Webサイトの背景画像やバナー、サムネールなどさまざまな用途で利用でき応用範囲が広いので、たくさん撮っておこう。風景撮影でいちばん大事なのは、天気のよい日に太陽を背にして撮ることだ。太陽に近い位置で撮ると光が強すぎて青空が白っぽくなりやすい。空全体をきれいに青く撮るには太陽を背にするのがよい。山や建造物を撮るときも、順光にしないとメインの被写体が影になって色がきれいに出ない。

次に大切なのは空と地面のバランスだ。青空を強調したいなら空を3分の2くらい入れよう。そういった写真を用意しておくと、あとから空の部分に文字を入れたいときに、加工しやすい。また、海や地面をメインにした写真を撮影するときは空を3分の1程度にしておくとよい。

多くのデジタルカメラは、液晶ディスプレイに格子線を表示する機能がある。この機能を利用して、空と地面のバランスをとったり、対象物に対してカメラが真っすぐになるように調整しよう。

風景でもっとも重要なのは構図だ。手前に建造物や木、花などの物体を置くときは、大胆に中央に置くか、左右のどちらかに寄せよう。中途半端な位置に置いて背景を分断しないようにする。


晴天の日に太陽を背にして撮影すると、気持ちのよい青空が撮れる


海や地面を強調したいときは、空のスペースを3分の1程度にするとバランスのよい写真になる


03-4 フラッシュを使わずマクロモードで料理を撮る

料理を撮る際、特に大事にしたいことは、その料理がおいしそうに見えることだ。そこで食欲がそそられる、おいしそうな料理写真を撮るコツを解説しよう。まずフラッシュを使わず、AFを「マクロモード」にする。このとき重要なのは、ホワイトバランスと露出だ。室内で撮影する場合は、照明によって料理の色が変わってしまい、よい写真を撮るのが難しい。そのため必ず撮影を行う前に白い紙を使ってカスタムホワイトバランスを撮ろう。

次に大切なのは明るさだ。料理は明るめに撮ったほうがおいしそうに見える。特に食器が白色だとその白さに引っ張られて暗めに写りがちなので、つねにプラスの露出補正を意識したい。逆に黒色の器の場合は、あまり露出を気にする必要はない。

また、室内でプラスの補正をかけると手ブレしやすくなるため、ブレにも注意して撮影しよう。

最後に気をつけたいのは構図だ。テーブルに並んだ数々の料理を一度に撮るときは、広角に頼らずちょっと離れて撮ろう。なぜなら、広角で撮影するとどうしても端の料理の形が崩れてしまうからだ。単体の料理に注目するときは、思いっきり寄る。器の端と料理が写るようにすると、よりよい仕上がりになる。

料理写真を大きく載せられないときは、小さな写真でもどんな料理なのかわかるように、ググッと寄った写真が有効だ。

できれば、器の置き方を変えて違うアングルを考え、よりおいしそうに見える角度を探して撮ろう。


器と料理の全体がわかるように撮影したもの。器の色に気をつけて、おいしそうに見えるように撮ろう


料理をクローズアップして撮影したもの。新鮮さが際立つように明るさと構図に気をつける
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