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アクセスがアップする! RSS入門

第2回 RSSの歴史をひもとく

 

RSSにはさまざまなバージョンがあり、混同してしまいがちですが、見方によっては単なるバージョンアップしただけの違い!? そう思うかもしれませんが、だたのバージョンというわけではありません。今回は、RSSの歴史について紹介します。

 


解説:柳田 浩平(株式会社フィードフォース)

 

 

 

 

 

 

 


[プロフィール]

やなぎた・こうへい●株式会社フィードフォース勤務。同社においてエンジニアとしてWebアプリケーションの開発に従事している。
好きな言語はRuby。日本Rubyの会所属。東京都在住

 

 

RSS 0.9とNetscape社

RSSは、1999年3月にNetscape社が開発したのが最初です。このときのバージョンはRSS 0.9でした。ブラウザで有名な同社は、ポータルとしてMy Netscapeというサイトを運営していていました。My Netscapeではチャンネルと呼ばれる部品を組み合わせることができましたが、このチャンネルを登録するためにRSSが用いられていました。

構文として、W3Cによって制定された、メタデータを記述するための枠組みRDFを用いており、このバージョンのRSSは「RDF Site Summary」の略であるとされます。

1999年7月にNetscape社は新たなバージョンであるRSS 0.91 を発表します。このバージョンでは、データ形式としてRDFを使うのではなく、独自形式のXMLとなっています。アイテムに要約情報が付けられるようになるなどの拡張が行なわれました。このバージョンのRSSは「Rich Site Summary」の略であるとされます。

My Netscape
My Netscape

 

 

RSS 0.91からRSS 2.0へ

 

さて、このようにNetscape社によって開発されたRSSですが、この後、同社はRSSの開発から退くことになります。RSSの開発は、Dave Winerらを中心にUserLand Software社に引き継がれる形となり、2000年6月には「UserLand版RSS 0.91」が発表されます。

その後Dave Winerは2000年12月にRSS 0.92を発表、さらにRSS 0.93、RSS 0.94といったバージョンの提案を経て、2002年9月にはRSS 2.0? をリリースします。RSS 2.0は、基本的にRSS 0.91との互換性を保った形での拡張です。RSS 2.0においては、RSSは「Really Simple Syndication」の略であるとされています。

 

 

RSS 1.0

 

さて、ここまでがRSSの流れのひとつですが、RSSにはもう一つの流れがあります。Netscape社がRSSから手を引いた後、RSSの開発を継続するためにRSS-DEVワーキンググループというものが立ち上がりました。

RSS-DEVワーキンググループは、2000年12月にRSS 1.0 を発表します。RSS 1.0の特徴は、RSS 0.9で採用されたもののRSS 0.91では使われなくなったRDFを再び採用したことです。

また、モジュールによって要素を追加できるようになっており、例えばDublin Coreモジュールを使うことによってアイテムの更新日などが表現できるようになります。このバージョンのRSSは「RDF Site Summary」の略であるとされています。

 

 

RSSの歴史のまとめ

 

この流れから分かるように、通常のソフトウェアのバージョン番号と違い、RSSのバージョン番号は単純に大きい方が小さい方のバージョンアップというわけではないので注意が必要です。日本においては、どちらかと言うとRSS 1.0の方が普及しているようです。

ただし、大抵のRSSリーダではRSS 1.0と2.0の両方に対応していますので、その点では心配はありません。

 

 


次回につづく

 

 

 

 

 

 

 

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