第6回 Web2.0時代のRSS
Web の新しい流れであるWeb2.0において、RSS/Atomフィードは重要な役割を果しています。今回は、Web2.0時代におけるRSSの役割について紹介します。
解説:柳田 浩平(株式会社フィードフォース)
[プロフィール] やなぎた・こうへい●株式会社フィードフォース勤務。同社においてエンジニアとしてWebアプリケーションの開発に従事している。 |
広がるRSS配信
第1回で、RSSの登場によって、サイトの更新チェックがどのように変わるかについて述べました。これまでは、閲覧者が能動的にサイトの更新をチェックに行かなければならなかったのに対し、RSSを使うと、あたかもサイト側から更新を自動的に通知してくれるかのようになるというものでした。
例えば、ここMdN Design InteractiveのサイトのRSSは、MdN Design Interactiveというウェブサイトの更新情報を発信しています。読者はMdN Design InteractiveのRSSをRSSリーダで講読することによって、MdN Design Interactive の更新情報を得ることができるわけです。
「更新情報」を配布したいのは、ブログや一般のサイトだけでしょうか。そのようなことはありません。「更新情報」を配布するという考えは、ウェブサービスやウェブアプリケーションにおいても利用することができます。
例えばYahoo! ブログ検索では、検索結果を RSS で取得することができます。自分が興味がある言葉での検索結果「RSS」をRSSリーダで講読しておけば、そのキーワードに関するブログについての情報が、自動的に届けられるようになるのです。
「Yahoo! ブログ検索」では、検索結果をRSSで取得することができる
また、Googleが提供するウェブメールサービスGmailでは、自分のメールアドレスに届いたメールを Atom フィードとして取得することができます。このように、非常に多くのサイトやサービスで、RSSが配信されるようになっているのです。
RSS時代のマッシュアップ
Web2.0の世界では、あるサイトの情報を、そのサイト以外の情報と組み合わせるということがよくなされます。これがマッシュアップですが、現在では、非常に多くのサイト・サービスがRSSを配信するようになりました。つまり、世の中にはRSSという形で統一された「更新情報」が多数配信されているということになります。
情報のやりとりをするには情報のフォーマットを決めなければなりませんが、RSSという広く使われているフォーマットを用いることによって、サイトごとに特殊な処理をすることなく、RSSに対する処理を実装することによって、データを処理することができます。
つまり、何らかの更新情報を配信するときに、RSSとして配信しておけば、RSSを扱うツールで扱うことができるわけです。
このように Web2.0世界において、RSSはあたかも人体を流れる「血液」のように、Webの世界で情報を流す媒体として大切な役割を担っているのです。
話題のフィードアグリゲータ Plagger
最後に、RSSを活用するアプリケーションの例として、Plaggerを紹介します。Plaggerは、プラグイン形式でさまざまな入力と出力を扱うことのできるツールです。得意なことの一つに、RSSフィードの読み込みがあります。Plaggerは、【図1】のような設定ファイルを書いて使います。
【図1】
これは、はてなブックマークの「注目の動画」をメールとしてGmailに送る設定です。この例では単純にRSSを読み込んでメールを送信するだけですが、Plaggerではプラグインによってさまざまな入出力・フィルタ処理を扱うことができます。
RSSを使って何らかの処理をするのには非常に便利なツールですので、興味のある方はぜひ触ってみてはいかがでしょうか。
今回で「アクセスがアップするRSS入門」は終了です。
次回から新テーマでお送りします。ご期待ください。
次回から新テーマでお送りします。ご期待ください。