
「ライフストリーミング」
2008年8月26日
TEXT:小川 浩
(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)
ブログ疲れがささやかれて久しい。
ブログは誰でもカンタンにWebに参加することができる魔法のツールとして登場した。HTMLの知識もFTPソフトのインストールも、サーバーの用意さえ不要にしたのである。ブログを書く人はブロガーと呼ばれ、そのなかでも多くの読者を集められるブロガーはアルファブロガーと称されるようになり、読者層を含めたブログネットワークはブロゴスフィアとして巨大なトラフィックを生むようになった。
ところが、最近はブログは書き手と読み手のコミュニケーションツールとしての魅力が薄れ、Twitterに代表されるようなマイクロブロギングと呼ばれる、よりいっそうカンタンなツールにその座を脅かされ、さらにFacebookなどの巨大化したSNS群にも圧迫され始めている。
マイクロブロギングやSNSはAPIの公開やRSSフィードの配信によってブログが果たしてきた役割を担えるようになってきているし、そうした異なるシステムで作られてきたさまざまなソーシャルウェブサービスたちのオープン化によって、ブログでなければならないという事情はなくなりつつある。
そのなかで登場したのが「ライフストリーミング」という考え方と、その機能を具備したさまざまなツール群だ。ブログは自分の考えを自分のブログに綴り、そのブログに読者を集めなくてはならない。しかし、ライフストリーミングはさまざまなツールやコミュニティにおける自分のアクティビティを時系列順にまとめ、それらを記録していくだけだ(それらを最終的にはひとつのサイトにまとめる必要があるので)ある意味、ライフブログの考え方に近いとは言える。
ブログのように長文ではなく、短い行動履歴と多少の感想だけが綴られるが、そのかわりGPSによるジオ情報や写真、動画などのマルチメディア的な表現が内容のバラエティに富んだものに変えてくれる。
ライフストリーミングは、いまだこれといってそのコンセプトを具現化したサービスが世間に認知されているわけではないが、既にその兆候はFriendFeedや、Tumblrなどの新興ベンチャーのさまざまなサービスに顕われている。
今後、誰がこのライフストリーミングを明快にサービス化し、事業化するか? それが2009年の新たな焦点になるかもしれない。

[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。



