株式会社モリサワは、2023年秋以降にリリース予定の新書体の一部を発表した。サブスクリプションサービスの「Morisawa Fonts」をはじめとする各種の対象製品を通じて提供。今回の発表では、広告や動画テロップなどに使いやすいデザイン書体を中心として16ファミリーのフォントが公開されている。
- 超極太のデザイン書体「ボルクロイド」
- ミステリアスな雰囲気の「月下香」
- 直線的な骨格に丸みを持たせた「アルデオ」
- 可愛い太ゴシック風のデザイン書体「つぶてん」
- 上品で柔らかな印象の「欅明朝 Oldstyle」
- あたたかみのある「欅角ゴシック Oldstyle」
- 小さな字面でレトロな雰囲気もある「プフ サワー」
- 可愛さとエレガントさを両立した「プフ ソワレ」
- 繁体字フォントをベースにした涼しげな「美風」
- 遊び心のあるデザインで可愛い「翠流きら星」
- マーカーペンで書いたような「翠流ゆゆポップ」
- 毎日新聞社が開発した視認性が高い「瓦明朝」
- 信頼感が高くて賞状や証書に最適な「史仙堂楷書体」
- 初登場の多言語セリフ書体「Lutes UD PE」3種
超極太のデザイン書体「ボルクロイド」
極限まで隙間の“白地”を減らした超極太のデザイン書体。パワフルな印象で、広告やコミック、ロゴなどの目を惹きたい場面で役立つ。直線のみで構成された特徴的なデザインで、漫画やアニメなどのジャンルにもマッチしやすい。
ミステリアスな雰囲気の「月下香」
あえてアンバランスに設計された骨格を持つデザイン書体。ツタのように伸びるハネやハライ、部分的に溶けてつながったようなデザインなどが、非日常的でおどろおどろしい雰囲気を醸し出している。見出しでの利用に最適。
直線的な骨格に丸みを持たせた「アルデオ」
直線による幾何学的な骨格に丸みのあるエレメントを組み合わせたデザイン書体。やや平体気味の形状で、水平・垂直の“整う”ライン感が意識されている。整理された印象と親しみやすさを両立でき、広告やコミックやロゴなどで使いやすい。
可愛い太ゴシック風のデザイン書体「つぶてん」
太ゴシック風で見出しに適したデザイン書体。明るく元気な印象のフォントで、可愛らしさと真面目さが絶妙なバランスで含まれている。漢字はスクエアを意識したデザインで安定感があり、仮名はや濁点はコロコロと可愛い。
上品で柔らかな印象の「欅明朝 Oldstyle」
オールドスタイルの明朝体で、ウエイトはRとB。手で書いたような有機的な要素が取り入れられており、上品でやわらかな印象を与える。収筆や折り返し部分の部分に、金属活字由来の“インクの溜まり”を再現した丸みがあることも特徴。
あたたかみのある「欅角ゴシック Oldstyle」
オールドスタイルのゴシック体で、ウエイトはMとB。「欅明朝 Oldstyle」と同一のコンセプト＆骨格を持ち、あたたかな印象を与える。ゴシック体でも“インク溜まり”を再現。仮名は自由な運筆で抑揚がある。
小さな字面でレトロな雰囲気もある「プフ サワー」
「統一しすぎない自由な字形」や小さめの字面が好評を博したデザイン書体「プフ」シリーズの新ラインナップ。すっきりとしたハライを持つハイコントラストなデザイン。レトロな雰囲気があり、パッケージや書籍の装丁なども使いやすい。
可愛さとエレガントさを両立した「プフ ソワレ」
こちらも「プフ」シリーズに新たに追加されるフォントの1つ。有機的なたわみを持つ明朝体風のデザインで、可愛らしさとエレガントさを兼ね備えている。パッケージや書籍の装丁はもちろん、動画のテロップなどでも使いやすい。
繁体字フォントをベースにした涼しげな「美風」
台湾のデザイン事務所・玉川設計所が手掛けた繁体字フォント「風體 Wind Font」をベースとして制作された和文のデザイン書体。全体的に長体の骨格を持ち、整備された縦画・横画と、滑らかな曲線を備えている。涼しげで洗練された印象。
遊び心のあるデザインで可愛い「翠流きら星」
こちらも「美風」と同じく、台湾発のフォントをベースとして開発された。モリサワ制作の仮名や英数字に、Arphic Typesの「AR白玉書体」の漢字を組み合わせている。モダンで可愛らしい印象で、遊び心のある円や半円の点もポイント。
マーカーペンで書いたような「翠流ゆゆポップ」
「翠流」シリーズの新フォントの1つで、モリサワ制作の仮名や英数字に、Arphic Typesの「AR悠々ゴシック体EB」の漢字を組み合わせている。太い平芯のマーカーペンで書いたようなPOP体。ホッとするような優しさや楽しさを感じさせる。
毎日新聞社が開発した視認性が高い「瓦明朝」
毎日新聞社が開発したモダンテイストの明朝体。実際に新聞の見出しとして使われている書体がベースとなっており、視認性が高い。書体名の「瓦」は、江戸時代に速報記事が印刷された「瓦版」に由来している。
信頼感が高くて賞状や証書に最適な「史仙堂楷書体」
表彰状や感謝状などを毛筆で書く「筆耕士」の信長宏氏の文字をフォント化。力強い筆の動きが表現されており、確かな品位や信頼感を感じさせる。賞状や証書での使用に最適で、各種の商品パッケージなど目を惹きつけたい場面でも使いやすい。
初登場の多言語セリフ書体「Lutes UD PE」3種
欧文フォント「Lutes UD PE」の多言語展開として、Devanagari（デーヴァナーガリー）、Arabic（アラビア文字）、Thai（タイ文字）が新登場。各言語の文字の特色を生かしながら同シリーズで多言語を記載することで、デザインに一貫性を持たせられる。
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正式リリース後にこれらの書体を利用できる対象製品は「Morisawa Fonts」「MORISAWA PASSPORT」製品、「MORISAWA Font Select Pack」製品、「TypeSquare（Webフォント）」。ただし、「MORISAWA PASSPORT」への新書体の追加は2023年分をもって終了するため、以降の利用は「Morisawa Fonts」への移行を検討すると良いだろう。
なお、上記の16フォント以外にも、2023年には新書体が追加される予定。「次の情報解禁をお楽しみに」とのことなので大いに期待が高まる。
株式会社モリサワ
URL：https://www.morisawa.co.jp/
2023/07/18
