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杉浦康平氏の作品のWebアーカイブ「デザイン・コスモス」がリニューアル! 楽しい“宇宙”のデザインは必見

2023.08.03 Thu

© SUGIURA Kohei / Musashino Art University Museum & Library

武蔵野美術大学 美術館・図書館は、杉浦康平氏の作品をインターネットで閲覧できる「デザイン・コスモス」をリニューアルした。既存の作品カテゴリー「全集・シリーズ」「単行書」「美術書・写真集・事典・辞典」に加えて「雑誌」が新設されたほか、随所に楽しい工夫も施されている。

1932年生まれの杉浦康平氏は、日本を代表するグラフィックデザイナーの1人。一例として、圧巻の仕掛けが盛り込まれた『全宇宙誌』(工作舎)などのブックデザインは、半世紀近くを経た今でもなおファンが多い。また、研究者としての顔も持ち、曼荼羅をはじめとするアジアの図像に関する精力的な研究でも広く知られている。

手掛けてきたデザインのジャンルは非常に幅広く、レコードジャケット、ポスター、ブックデザイン、雑誌デザイン、展覧会カタログデザイン、ダイアグラム、切手デザインなど多岐にわたる。1997年には毎日芸術賞受賞、紫綬褒章受章を果たし、2019年には旭日小綬章を受章した。

武蔵野美術大学 美術館・図書館では「杉浦康平デザインアーカイブ」を所蔵している。デザイン作品、デザインプロセス資料、作品掲載誌、デザイン制作に影響を与えた旧蔵書などで構成されており、杉浦氏の創作活動をほぼ網羅する特別なコレクション。その公開にあたり、インターネット版のビジュアル作品集として2021年6月に開設されたのが「デザイン・コスモス」だ。

読み込み時のLoading画面もリニューアル。雑誌デザインを象徴する「疾風迅雷」アイコンを掛け合わせた新作ムービーに差し替えられた

杉浦氏のセレクトにより、開設時には186点のブックデザイン作品を掲出。それから2年後の今回のリニューアルでは、同氏のデザインの主核の1つである「雑誌デザイン」へと特にスポットライトを当てている。

杉浦氏が事務所スタッフとともに手掛けた雑誌デザインは、40誌で約2,000冊。新たな「デザイン・コスモス」の「雑誌」カテゴリーでは、そのうち20誌を取り上げ、さらにデザイン手法に特徴がある巻号30点についても独立して紹介されている。メインの表紙20点は“惑星”として浮遊させ、30点の巻号は“衛星”に見立てて“惑星”の周りを公転。まさに“雑誌の宇宙”をイメージさせるコンテンツのデザインに仕上げられた。

雑誌の書影画像を“惑星”や“衛星”に見立てたデザイン

そのほかにも、この新たな「デザイン・コスモス」には楽しめるギミックが盛りだくさん。作品の書影画像の“浮遊スタイル”の切り替えができたり、遷移ボタンのデザインが刷新されていたりと見どころが多い。さらに、「デザイン手法インデックス」が全面的に増補改訂されており、杉浦氏の独自のデザイン手法から作品にアクセスできることも大きな特徴となっている。

“浮遊スタイル”は中央の「センターキューブ」を操作して切り替えが可能。既存の「Sphere〈球体浮遊スタイル〉」や「Space〈ランダム浮遊スタイル〉」がチューンアップされたほか、新たに「Circle〈円形浮遊スタイル〉」も追加されている
“作品”のインデックスと同時に、“デザイン手法”から各作品にアクセスできるインデックスが用意されていることも「デザイン・コスモス」の独自の魅力

デザインの“宇宙”にたゆたい、インタラクティブな仕掛けで遊びながら杉浦氏の独創的な世界を堪能できる「デザイン・コスモス」。リニューアルでさらにパワーアップしたこのアーカイブは、デザインを愛する全ての人にとって必見のコンテンツとして、ぜひおすすめしたい。


武蔵野美術大学 美術館・図書館
杉浦康平デザインアーカイブ「デザイン・コスモス」
URL:https://collections.musabi.ac.jp/sugiura_kohei/
2023/08/03

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