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Googleが検索結果に生成AIによる文章を表示する試験利用を日本でも提供開始。さっそく試してみた

2023.09.12 Tue

Googleは先月の8月30日、Google検索新機能「生成AIによる検索体験(SGE)」の日本語版の試験運用を開始したことを発表した。検索結果に生成AIによる文章解説を掲載する機能だが、英語版での提供に続いて日本語でも利用できるようになった。登録することで誰でもかつ、無料でデスクトップのChromeブラウザとスマートフォンのGoogleアプリ(AndroidおよびiOS)で使うことができる。そこで、本記事では新機能導入の手順や実際に試してみた結果を紹介していく。

Google検索の結果を生成AIがサポート

Googleが提供するSearch Generative Experience (SGE)では、検索した内容に応じて生成AIが回答してくれる新機能だ。英語にて提供されていたが、日本語でも利用可能となった。また、日本と同じタイミングでインドでも提供が開始されており、英語とヒンディー語の切り替えができるようだ。今後、世界的に広がり多言語に対応していくと思われる。

生成AIの技術進歩により、検索エンジンの可能性が再考され、情報の整理や質問への回答が進化した。SGEでは検索した人が情報に効率的にアクセスし、検索にかかる作業時間の短縮をサポートする。

SGE(Search Generative Experience)を試す方法

まずはSGEを利用できるようにするため、Search LabsにGoogleアカウントを登録する。「SGEを有効にすると、検索時に表示されることがあります」という記載の横にあるスライダーをオンにすることで利用が開始できる。

スライダーをオンにすると利用できる

「例を見る」というボタンを押すと、「猫が喜ぶ撫で方」の検索結果が表示された。SGEの文章には「猫が喜ぶ撫で方は、顔の周り、額、あごの下、ヒゲの付け根など」と記載がある。具体的にどうなでれば猫が喜ぶのか書いてあるだけでなく、「猫が嫌がるサインを見せたら、撫でるのを中断しましょう。猫は、急所であるお腹 足先 しっぽなどを触られると嫌がります」と注意事項が記載されている。痒いところにまで手が届く内容だ。

「例を見る」をクリックすると結果が表示された

さらに「追加で聞く」というボタンがあり、チャット形式で検索結果を深掘りすることもできる。Bardの記載は無いが、使い方はGoogle Bardにかなり似ている。

ここでは「猫が喜ぶおやつは何ですか?」と追加で質問してみた。するとジャーキーなど具体的な回答を得ることができた。生成された情報が正しいかどうか確認が必要なので、従来の検索と併用する必要はあるものの、検索にかかる手間は大きく削減できそうだ。

生成された回答は深掘りして質問できる

SGEにデザインの作り方を聞く

抽象的な問いに対しても回答できるのか試していく。「高品質なデザインの作り方を教えて」といった確実な答えがない質問について聞いてみた。するとデザインの4原則として「近接」「整列」「反復」「対比」と、わかりやすく伝えるポイントが回答された。場面によって最適なデザインは異なるものの、原則論の理解には役立ちそうだ。

「高品質なデザイン」という質問にも回答できる

より質問を掘り下げて「具体的なデザインの例を3個出して」と質問した。すると生成AIのテキストではなく、画像検索の結果が表示された。どうやら生成AIがすべて回答するというよりは、最適な回答を出すためにテキストと検索結果を組み合わせているのかもしれない。

さらに注目したい点として、最適な「画像検索結果」を表示している点だ。画像検索結果は単に検索結果を表示しているだけでなく、「高品質なデザインの作り方」という文脈を引き継ぎ、具体的なデザイン例を出していると思われる。「具体的なデザインの例を3個出して」と検索した画面に出る画像と、SGEで表示される画像は異なっていた。本格的に導入された際は、検索アシスタントとして活躍してくれるのではないかと期待できる。

通常の検索結果「具体的なデザインの例を3個出して」
SGEで表示された「具体的なデザインの例を3個出して」

GoogleはSGE導入に慎重な姿勢

従来の検索では、複数の情報源からの情報を整理し、自分で理解する必要があったが、生成AIの技術を活用することで情報を整理する手間が自動化されるため、検索の効率性と利便性を高めることが期待できる。

ただし、GoogleはSGEの導入に際して「責任ある慎重なアプローチをとっています」と強調している。生成AIとLLMには知識が限られており、常に正確な検索結果を保証するものではないため、Googleはこの技術の品質向上のためのトレーニングを継続して行っている。

なお、SGEはSearch Labsの試験的取り組みとして提供されているので、利用者はプラットフォームを通じてフィードバックを提供することができる。

Google
URL:https://labs.google/
2023/09/12

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