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CMYKインキで特色を再現、ネット印刷のグラフィックの新オプション『擬似特色』でコストを抑える

2024.01.31 Wed

株式会社グラフィックが運営する「ネット印刷のグラフィック」で、新たな印刷加工オプションのサービス「擬似特色」の提供が開始されました。CMYKの掛け合わせで特色を擬似的に再現し、特色インキを使うことなく比較的に安価で印刷できるサービスです。

DICカラーの1,280色の再現に対応

一般的なCMYKプロセスカラーインキで再現できない領域の色は、本来であれば専用の特色インキで印刷されます。ただし、特色インキを使うと比較的に高いコストが必要となります。予算が潤沢でない案件では、特色の使用が難しいこともあるでしょう。

一方、新たにスタートした「擬似特色」では、特色インキを使いません。広色域な印刷でプロセスカラーのCMYK4色のみの掛け合わせによって、擬似的に特色を再現します。特色印刷ではなく仕様としてはCMYK印刷であるため、比較的に手頃な価格での印刷が可能です。DICカラーのうち1,280色の再現に対応しており、片面につき最大25色までの指定ができます(冊子の場合は1冊につき25色まで)。

「擬似特色」の概念
対象商品
名刺印刷/スタンプカード/ポストカード印刷/A・B判カード印刷/チラシ・フライヤー印刷/チケット印刷/ポスター印刷/オリジナル封筒/中綴じ冊子印刷/無線綴じ冊子印刷
※全てオフセット商品のみ/対象商品の中でも種類によって一部対応していない商品もあり

印刷用紙は、2024年1月現在で49種類に対応しています。定番の上質紙をはじめ、ファンシーペーパーのヴァンヌーボやアラベールなども含め、さまざまな紙で利用できるサービスです。

「擬似特色」のリリースに伴い、再現性を確認できるカラー見本も用意されました。これを請求することで「擬似特色」とCMYK印刷の違いも確認でき、カラー見本を参照しながらデザイン制作ができます。

再現性を確認できるカラー見本の取り寄せがオススメ

特色インキを使わずに大幅にコストダウン

「擬似特色」のオプション料金は、印刷代金の20%です。参考として、上質紙180kgで100枚の名刺を作る場合を例に、従来の特色印刷オプションと新たな「擬似特色」のオプションとの比較を見てみましょう(価格は2024年1月31日時点でのもの)。

従来の特色印刷オプションでは、片面カラー+特色1色で注文し、料金は5,340円となります。100枚の印刷なので、1枚あたりの価格は@53.4円です。納期にはオプション分も追加され、最も低価格なプランでは9日(7日納期+追加納期2日)が必要とされます。

一方、同じ条件で「擬似特色」オプションを利用すると、片面カラー+擬似特色の注文で料金は1,512円です。1枚あたりの価格は@15.12円で、大幅にコストを抑えることができています。しかも納期も特別に追加の必要がなく、最も低価格なプランでも7日納期のままでOKです。

そのほかの料金比較の例
 特色印刷擬似特色
★名刺印刷 100部
両面カラー/特色(擬似特色)1色+1色/
ヴァンヌーボVGスノーホワイト195kg/9日納期
12,360円(@123.6円)6,156円(@61.6円)
★ポストカード印刷 500部
片面カラー/特色(擬似特色)2色/
Mr.B スーパーホワイト180kg/9日納期
14,900円(@29.8円)8,280円(@16.6円)
★B8カード印刷 100部
両面カラー/特色(擬似特色)1色+1色/
アラベール スノーホワイト200kg/9日納期
12,760円(@127.6円)6,708円(@67円)
★A4チラシ印刷 1,000部
片面カラー/特色(擬似特色)1色/
上質90kg/7日納期
7,860円(@7.86円)4,032円(@4円)

Illustratorでの入稿データ作成

この「擬似特色」オプションは、Adobe IllustratorによるAI形式の入稿のみに対応しています。PSDやJPEGなどの画像データはもちろん、PDF入稿にも非対応です。

入稿データでは特色にしたい部分をスポットカラーで指定する方式で、スウォッチの「DICカラーガイド」で希望のDICカラーを選びます。スウォッチの名前は変更不可なので、DICカラーガイドで指定した状態のままにしておきましょう。DICカラーガイドの色の名前とスウォッチの名前の表記が異なる場合には擬似特色の再現にはならず、通常のCMYK分解で印刷されてしまいます。

スウォッチパレットの「スウォッチライブラリメニュー」からDICカラーガイドのカラーブックを表示させて使用。リスト表示(右)にするとDIC番号も分かりやすい
 

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本サービスは「特色を使いたいけれど予算がなくて使えない」という悩みを抱えていたユーザーにとっては非常に嬉しいものです。気軽に特色の表現を試してみたいデザイナーにも適しています。印刷結果を事前に確認できる「校正サービス」も用意されているため、仕上がりの面でも安心して利用できます。

●グラフィック「擬似特色」ページ
URL:https://www.graphic.jp/options/print_ink/pseudo_spot_color

株式会社グラフィック
URL:https://www.graphic.jp/
2024/01/31

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