ヤンマーホールディングス株式会社が、先月1月30日にヤンマーグループの企業マスコットキャラクター「ヤン坊マー坊」の新デザインを発表しました。第9代目となるデザインで、グローバルな一般投票を経て最終デザインが決められています。そこで今回は、時代と共に変遷した「ヤン坊マー坊」のキャラクターデザインについて、深掘りしたいと思います。

未来へのワクワクを感じさせる9代目

「ヤン坊マー坊」は、双子の兄弟のキャラクターです。かつては天気予報番組のキャラクターとしてもお茶の間に広く知られていました。

新しい第9代目のデザインは、兄のヤン坊が赤、弟のマー坊が青をイメージカラーとしてデザインされています。ヤン坊は物知りで探究心が強く、新しいアイデアを考えることが得意な性格です。

マー坊は好奇心旺盛なキャラクターです。あわてんぼうであるため時に失敗することもありますが、何にでもチャレンジする性格として設定されています。

上記のキャラクター設定から分かるように、「ヤン坊マー坊」の原動力は好奇心・探究心です。同社は企業パーパスとして「人の可能性を信じる、人の挑戦を後押しする価値観のもと、世の中の声に耳を傾け、ともに “A SUSTAINABLE FUTURE” を創り出すこと」を掲げています。キャラクターのデザインでも、そのワクワクするような未来に向けた “挑戦” の姿勢が巧みに表現されました。

なお、同社が実施した独自の「未来に関する意識調査」（18歳〜59歳対象）では、50％以上が自分自身や社会の未来に「不安を抱えている」と回答しています。同時に、18歳〜24歳の “次世代層” は、約60％が「やりたいことを見つけたい」とも感じているようです。9代目の「ヤン坊マー坊」は、それらの想いや葛藤にも寄り添い、未来への希望を感じさせるようなビジュアルと言えるでしょう。

一般投票によって最終ビジュアルが決定

今回のデザインのリニューアルは、一般投票を経て実施されたことも大きな特徴です。3つの案が用意され、2023年11月16日（木）から12月7日（木）にかけて投票が受け付けられていました。投票総数は76,568票で、そのうち採用されたB案のデザインは49,628票を集め、ほかの2案を大きく引き離して高い支持を受けています。

同社は2023年6月に、新たな取り組みとしてオリジナルの商業アニメ「未ル」の制作を発表しました。「ヤン坊マー坊」新デザインの候補となった案は、「未ル」のAnime Expo2023用のキービジュアルやコンセプトムービーを担当したアーティストのYKBX氏、クリエイティブディレクターの引地耕太氏、企画・進行のbtrax Japan合同会社など、社外クリエイター陣とヤンマーホールディングスのデザイナーが協力して制作しています。採用された新デザインの「ヤン坊マー坊」は、今後は「未ル」にも登場予定です。

時代とともに変遷してきたデザイン

「ヤン坊マー坊」は、1959年の初登場から長きにわたって愛されてきたキャラクターです。ここで、第9代目までのデザインの変遷についても注目してみましょう。

初代（1959年）から3代目（1968年）までの時代は、社会におけるモノクロTVからカラーTVへの移行期にも重なります。「ヤン坊マー坊」のデザインもカラー化し、より生き生きとした表情へと変化してきました。

また、ヤン坊とマー坊は初期の頃から「Y」と「M」の文字や髪型・服装などでキャラクター分けされてきましたが、7代目（2009年）に初めてハッキリとした赤・青での色分けがされています。この分け方は、最新の9代目（2024年）のデザインでも踏襲されました。

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「ヤン坊マー坊」のように長期間にわたって続いているキャラクターは、そのデザインの変遷を知ることで当時の流行や社会の状況を垣間見ることができます。最新の9代目のデザインも、時代を反映し、さらに未来を先取りする象徴的なビジュアルと言えるでしょう。今後の「ヤン坊マー坊」の活躍にも注目です。

ヤンマーホールディングス株式会社
URL：https://www.yanmar.com/jp/
情報元：プレスリリース
2024/02/21