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コロナ禍の心情の変化が「色」で分かる!? 色彩検定の興味深い調査結果… 2023年は明るい年を願い「白」「ピンク」が上位に!

2023.05.12 Fri

「色彩検定」Webサイト

文部科学省後援の公的資格「色彩検定」を運営している公益社団法人色彩検定協会が、一般財団法人日本色彩研究所の協力のもとで、興味深い色彩調査の結果を公開している。

「2022年の気分を表す色」と「2023年への願いを表す色」について、昨年末から今年初めにかけて実施されたアンケート。全国で4,496名(20代から60代の日本人男女)を対象としてオンライン調査が行われ、「色」にまつわるさまざまな傾向が浮き彫りとなった。

調査の内容は、まず有彩色70色+無彩色5色の合計75色を用意し、その中からテーマに当てはまる色を回答してもらうもの。「2022年の気分・心境を表す色」のテーマでは、男女ともに1位に「黒」が選ばれている。

アンケートに使用された75色。有彩色はたとえば同じ「赤」でもトーンが異なる複数の色を用意

「黒」はネガティブなイメージとしては、重々しさや閉塞感を想起させる色。コロナ禍が続いていた2022年の気分が「黒」であるのは、ごく自然な結果であると言える。ただし、この調査は2020年から実施されており、当初は「黒」に代表されるような暗い色が圧倒的であった。それに対し、2021年以降は「白」などの明度が高い色も上位に入る変化が見られたようだ。

「2022年の気分を表す色」で非常に興味深いのは男女による違い。男性の回答では1位の「黒」に続く2位以下にも「白」や「グレイ」などの無彩色が並ぶ。女性の回答での2位以下には「ピンク」「白」「明るいオレンジ」「黄色」といったポジティブなイメージの色もランキングしている。

「2022年の気分を表す色」のランキング。
男性の8.5%、女性の5.5%が「黒」を選んだが、2位以下を見ると女性のほうがポジティブな傾向が強い?

「2023年はこうあってほしいという気持ちを表す色」は、男性の1位が「白」で、女性の1位が「ピンク」。2位以下にも黄系・赤系・オレンジ系の暖色が多く、「明るい年になってほしい」という希望がうかがえる。

「2023年への願いを表す色」は、男女ともに「明るい年」への希望が反映された結果

2020年の調査において男女全体で3位にランクインしていたビビッドな「赤」は、翌年以降の調査ではやや順位を落とし、最新の調査では男性で4位、女性で6位となった。同様に鮮やかな「オレンジ」も初年度は男女全体で5位であったが、今回は男女ともに7位に選ばれており、わずかながら順位を下げている。

彩度の高い「赤」などの暖色は、活動的なイメージを感じさせやすい色。今回の発表においては、比較的に柔らかなトーンの色が上位に増えたのは「コロナ禍が落ち着き、無理をせずとも穏やかな日々が訪れている心の変化」と分析されている。

「翌年への願いを表す色」の3年間の調査結果での上位の変動(男女全体)。
2020年の3位の「赤」などには“活動”への強い欲求が感じられる
こちらは「その年の気分を表す色」の3年間の調査結果での上位の変動(男女全体)。
無彩色が上位を占める傾向は変わらないが多少の変化が見られる

2020年から2022年の3年間に実施された本アンケートは、あらためて「色と気分・心情の結びつき」を如実に示す結果になったと言えるだろう。全体的にライトトーンが選ばれやすいのは、「流行」と「好まれやすいトーン」の影響もありそうで深掘りの余地がありそうだ。

新型コロナウイルス感染症の位置付けが「5類」に移行し、マスク着用も「個人の判断」となった2023年。大きな変化を迎えて、今年の年末にはどのような色がランクインするのか興味は尽きない。


公益社団法人色彩検定協会
URL:https://www.aft.or.jp/
2023/05/10

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