第1回 「整理しない整理術」~頭を空っぽにしないなんて、もったいない | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第1回 「整理しない整理術」~頭を空っぽにしないなんて、もったいない

2026.4.28 TUE

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クリエイターのライフハック できる人の仕事術を盗め。


第4章 ”もったいないクリエイター”藤崎 実のライフハック

第1回 「整理しない整理術」~頭を空っぽにしないなんて、もったいない

「考える」という仕事には終わりがありません。企画の完成後は「もっと良くできないか」などと結局、最後の最後まで時間を目一杯使う事になってしまいます。そんな私ですが、主にアイディアを考えるための工夫がいくつかあります。私の「もったいない式:クリエイティブ筋肉理論」に基づき、4回に渡ってご紹介します。

文:藤崎実



[プロフィール] 藤崎 実(ふじさき みのる)

(株)読売広告社 シニアクリエイティブディレクター
クリオ賞。ONE SHOW。NYフェスティバル。IBA賞。AME賞。クレスタ賞。iF賞。モスクワ国際広告賞。ACC金賞。電通賞。クリエイターオブザイヤー:メダリスト他多数 TCC会員

(最近作)
もったいないカレンダー(2006年日本から世界の賞を最多受賞)
カプコン(極魔界村バイラルCM) 
ポッカ(ビズタイムカフェTVCM/ポッカコーヒーオリジナルTVCM)


24時間どんどんメモを取ろう!

アイデアは、いわば「瞬発力」です。大切なのは反射神経。あらゆる局面に対応するには普段から全方位の感覚を養い、呼吸を整えておく必要があります。

その対策として、ここはひとつ大きな視点に立って、日常の中で思いついたこと、気になったこと、驚いたこと、ためになったこと、誰かの一言、雑学や新たな知識や面白い風景、アイデアやキャッチコピーなど、とにかく楽しみながら、どんどんメモを取ってしまいます。

非常に古典的ですが、その数が時と場所を選ばず、膨大な点が私の特徴です。お酒の席や、お笑い番組を見てもメモを取ってしまうのは、もはや職業病に近いかも。

メモはメモ帳に。持ち合わせていない時はタバコの箱や、手近な紙片に。飲食店の箸袋や紙ナプキンの利用率も非常に高い(笑)。ついでに書くとズボンのポケットに入れたまま洗濯してしまい、無惨な運命をたどったメモも非常に多い(涙)。

で、ここで最も肝心なのは、自分が気になったことには自分にとって何らかの価値がある、という認識です。そこには自分自身のアイデンティティや志向性、感性を深めるエッセンスがあるはず。また、単純に新しい知識や感性を増やしていくのは、とても楽しい!

つまり、アイデアを生み出す土地を肥沃にするための養分を、あらゆるジャンルから絶えず吸収している感覚。結局、人は自分以上にはなれない。だから少しでも自分を豊かにするために、いろんな何かを吸収したい、そんな感覚です。
画像は過去10年で使用したメモ帳の一部。利便性・携帯性から、コクヨのキャンパス5号が最も使いやすい。(昔はfILOFAXでしたが、結局、簡素なのが一番!)どんな内容をメモっているかは次回のお楽しみ
画像は過去10年で使用したメモ帳の一部。利便性・携帯性から、コクヨのキャンパス5号が最も使いやすい。(昔はfILOFAXでしたが、結局、簡素なのが一番!)どんな内容をメモっているかは次回のお楽しみ

気になった新聞や雑誌の記事を切り抜こう!

これは知識の吸収に最も簡単な方法です。特に新聞がオススメ。インターネット時代にしては古典的ですが、侮れません。

そもそも自分から求めるアイデアソースは、潜在的に興味があるので、実は新たに吸収しなくていい場合が多い。それに対して新聞は多方面からの選り抜きの情報、新たな発見が期待でき、しかも毎日更新される。

で、気になった記事を切り抜いている訳ですが、この10年位は何と日経新聞!これは経済や社会とクリエイティブの関係を意識しているからです。ちなみに以前は、記事をA4サイズにキレイにコピーを取ってファイリングしていましたが、面倒なのでやめました。
恐ろしいくらいの膨大な量のメモ紙片と記ことの切り抜きは、一定量がたまったらコクヨの書類ケースに強引に入れてしまう。内容は数年に1度見返す程度で充分。書類ケースはどんどん増えていき、当然、部屋は狭くなる・・・(苦)。
恐ろしいくらいの膨大な量のメモ紙片と記事の切り抜きは、一定量がたまったらコクヨの書類ケースに強引に入れてしまう。内容は数年に1度見返す程度で充分。書類ケースはどんどん増えていき、当然、部屋は狭くなる・・・(苦)。

整理する時間がもったいない!

自宅にある膨大な量のメモ紙片と、新聞や雑誌の切り抜き。それらを私は一切整理していません。いや告白すると以前は整理していました。でも10年前、それが無意味であることに気づきました。そもそも多岐に渡るメモは分類不可能ですし、いつ役立つかわからない目的のために切り抜きを整理するなんて、時間がもったいない!

私は人間の脳は最も優れた記憶装置だと思っています。だから自分にとって有意義な内容は年月が経過しても、ちゃんと覚えているもの。整理をしなくても大体どこにそれがあるかも覚えている。だから必要になったら記憶をたどればいい。さらに一番大事なことは、メモは「忘れない」ためではなく「自分を拡げるため」と捉えることだと思う。

私はよく「自分の細胞に吸収しよう」という言い方をします。つまり気になったことを書いたり、記事を切り抜いた時点で、自分の細胞へのインプットは終わっているのですね。

矛盾するようですが、膨大な量のメモは、実は頭の中を空っぽにするための作業です。メモという外付けのハードディスクに書き出して、余計なものをいつまでも頭に貯めておかない。余計な先入観も外に出してしまう。

アイデアはいつも真っ白い紙の上で生まれるもの。すべてはその真っ白いスペースを確保するための作業であり、肝心の自分自身は、さまざまな知識や感性の集大成であるべき…。私はそう思っています!資料の整理でお悩みのみなさん、「整理しない整理術」、少しは気が楽になったでしょうか?

次回は、肝心のメモの中身について触れたいと思います。久々に見直したら結構楽しく、「アイデアは古びない!」と改めて感じました。
最近使用しているのは、自作の「もったいないカレンダー」からのメモ用紙。カタチの揃った正方形、適度なサイズは予想以上に便利。思いついたこと・気になったことは何でも書いて頭から外へ出してしまう。メモホルダーにあるPILOTのMULTI BALLも相当優秀。もう何年も手放せない。
最近使用しているのは、自作の「もったいないカレンダー」からのメモ用紙。カタチの揃った正方形、適度なサイズは予想以上に便利。思いついたこと・気になったことは何でも書いて頭から外へ出してしまう。メモホルダーにあるPILOTのMULTI BALLも相当優秀。もう何年も手放せない。

次回をお楽しみに!!
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