終わりのあとの始まり
印刷の魔法をもう一度信じてみる?
同人印刷や印刷通販でできる
特殊な印刷や加工
かつては個人で発注するのが難しかった特殊な印刷や加工も、近年、同人印刷や印刷通販で 気軽に発注できるところが増えてきた。前ページまでの事例でも取り上げたようなオフセット印刷の 延長線上でできるものを中心に、使い方のポイントと実際に発注できる印刷会社を紹介しよう。
●解説:野口尚子[印刷の余白Lab.]
url. yohaku.biz/
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製版の工夫でもっと滑らかに、イラストも美しく
高精細印刷
ご存知の通り、印刷は網点というドットの集合で階調を表現している。その細かさを表すのが「線数」。標準的な線数も10年前は150線程度だったものが、現在は175線くらいで印刷されるのが普通になってきているが、よくよく近づいてみれば肉眼で網点を見ることができる。さらに細かく、網点が見えないくらいまで高精細に印刷をする方法もあり、ひとつは280線、300線と線数を上げていく高精細AMスクリーン。もうひとつは網点の考え方を変え、印刷機で再現できるギリギリまで細かくしたドットをランダムに散らし、その密度で濃淡を出していくFMスクリーンがある。
■高精細AMスクリーン
階調のあるデータを製版でドットの集合にする技術をスクリーニングという。AMスクリーンとは、規則正しく並んだ網点の面積を変えることで濃淡を表現する一般的な方法だ。それをより細かくしていくのが高精細AMスクリーン。あまり細かくなるとコントロールが難しいため、250~300線くらいで運用されていることが多い |
■FMスクリーン
FMスクリーンは網点のしくみがAMとは異なっている。AMがひとつひとつの点の面積を変えるのに対して、FMは印刷機で再現できる範囲の非常に細かいドットをランダムに散らし、その密度を変えて濃淡を表現する方法。モアレが起きない、ディテールがよりきれいに表現できるなどのメリットがあるが、色の安定性はAMの方が有利な面も |
→ 高精細印刷を行えるおもな印刷会社 ●サングループ url. www.sungroup.co.jp/(ハイブリッドスクリーン対応) ●ウエーブ url. wave-inc.co.jp/(AMに対応) ●アクシス出版 url. www.axis-publication.com/(FMに対応) |
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本記事は『MdN』2013年12月号(vol.236)からの転載です。
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