CMSの選び方(3) テンプレート管理方式の種類と特徴 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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目的と運用体制から考える
CMSの選び方 (3)


「コンテンツ」を「管理」するという言葉がもつ多様性は、CMS製品の種類や数に表れている。比較検討に時間がかかり、ひとつに決めたとしても、導入中にもっと良さそうな製品を見つけてしまう。こんな事態を避けるためのCMSの選び方について紹介したい。


文=清水 誠
文=清水 誠
実践系Web/CMSコンサルタント。各種大手企業に対するIT/IAを活用したネットビジネス改善プロジェクトに11年間従事




テンプレート管理方式の種類と特徴

ページ間でデザインが共通の領域をテンプレートとして定義し、管理する機能はどの製品も共通のアプローチ。テンプレートを中央で集中管理することで、サイト全体のデザインを一元管理できるようになる。

製品によって、テンプレート管理のしやすさが異なる。たとえば、WikiやBlogの場合、サイト全体でひとつのテンプレートしか使えないことが多い。WCMやECMは中規模以上のサイトを想定しているため、ページを作成するときに複数のテンプレートから選ぶことができる。

また、テンプレートファイルの作成・更新方法も製品によって大きく異なるので注意したい。テンプレートの場合、コンテンツのように直感的にWYSIWYG編集できるということはあまりなく、大抵はファイルをテキストエディタなどで編集することになる。このファイルがHTMLとして文法的に妥当なファイルかどうか、が管理体制を大きく変えることになる。

アイコンの見方
アイコンの見方


テンプレート固定タイプ
テンプレート固定タイプ

「サイト固有のデザインはCSSのみで対応するのが前提であり、テンプレート部分のHTMLは変更する必要がない」というアプローチ。テンプレートはサイト全体でひとつしかもてない製品が多い【2】。

WikiやBlogのテンプレートデザイン方法
【2】WikiやBlogのテンプレートデザイン方法

CMSのソースコードを改変しないと生成されるHTMLを変更することができないWikiやBlog系CMSに多い。

HTMLタイプ
HTMLタイプ

「テンプレートの管理は今までと同様デザイナーとHTMLコーダーに任せるのがいちばん」というアプローチ。テンプレートファイルはHTML形式で記述し、条件分岐や繰り返しなどのロジックを書く場合はコメントとして記述する【3】。

テンプレート記述方法の違い
【3】テンプレート記述方法の違い

Dreamweaverやテキストエディタなど従来のHTML編集ツールがそのまま使えるため、作業スタイルや体制を変更する必要がないのがメリット。ただしテンプレートにはあらかじめ用意されたロジックしか記述できないため、サイトの規模が大きくなってくるとテンプレート数が増えがちだ。


プログラム言語タイプ
プログラム言語タイプ

「サイトが複雑化するほど、テンプレートファイルに含まれるロジックの記述は増えるもの。HTML形式ではなくプログラム言語の形式にするのがもっとも柔軟性が高く、開発者にとって管理がしやすい」というアプローチ。ファイルはPHPやJSP、XSLTなどのプログラム言語形式で記述するため、HTMLと同じように編集することはできない。別途HTMLを作成し、それをプログラム言語形式に変換する必要がある。変換後のファイルを確認するには、サーバへ一度アップロードしてCMSの中でプレビューすることになる。また、論理的で規則正しいデザインにする、プログラム言語に多少慣れたHTMLコーダーを投入する、テンプレート管理を技術開発チームに委ねる、など管理体制を見直す必要がある。

ただし、HTML形式の場合よりも高度なテンプレート管理が可能になるため、規模が大きいサイトや構造が複雑なサイトに適している。たとえば、テンプレートを細かく部品化し、その部品を組み合わせることで複数のテンプレートを定義する、データがない場合はあるブロックを非表示にする、「3000」を「3,000円」のような通貨形式に変換してから表示する、サイト内セクションの位置によって背景色を変える、などの動的な処理が可能になる。テンプレートを集約できるため、変更などの管理が楽になる。

選定のポイント


サイトの規模や複雑度を考慮し、テンプレート管理に求められる機能を決めておくとよい。

また、更新の体制、特にクリエイターとIT技術者のバランスも重要なポイントになる。プログラムで動的なページ生成を行っているサイトでは、すでに技術者による運用体制が確立しているはずなので、プログラム言語で記述するタイプの製品はスムーズに導入できるだろう。


本記事は『Web STRATEGY』2006年 7-8月号 vol.4からの転載です
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